Mr.Children「虜」の解説と歌詞考察だよ♪
浮気相手の心情
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
5th ALBUM | 深海 | 1996年6月24日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿
豆知識
クライマックスの「take me to Heaven〜♪」の女性コーラスは海外のゴスペルシンガーによる一発録りなんだって!
あれが一発録りとは…凄い!!
The Animals(アニマルズ)の『朝日のあたる家』をイメージしているらしいわ♪
アルバムジャケット情報
- 撮影場所はスタジオ
- 椅子は「アンディー・ウォーホル:電気椅子」をイメージ
- 椅子の上の光は水槽に乳褐色の入浴剤を入れ表現している
- アートディレクター:信藤三雄
桜井「蒼い部屋に椅子がぽんと置いてあって、薄気味悪い影がある。そこにはかつて誰かが座っていたのかもしれないけど、今そこには影しかない。でも、いないのに椅子がぽつんと置いてある不自然さがあって、そして、再びその椅子にまた誰かが座るのかもしれない」
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
一人の女性の「虜」になってしまったという話。
歌詞考察
1番 Aメロ(雄弁に〜)
雄弁に喋れば喋るほど
<出典>Mr.Children/虜 作詞:桜井和寿
慎重な君はまた身構える
どうなってんだ? 分かってくれやしない
本当の俺を
登場人物は「俺(主人公)」と「君」。
二人は話し合いをしています。
主人公は、「こうすれば大丈夫」「じゃあこの方法はどうだろう?」と、何かを納得させたいようです。
だけど君はその話に上手く乗ってくれず、慎重に身構えてしまいます。
いくら言葉巧みに説得しても君は分かってくれません。
さて二人は一体何の話をしているのでしょうか?
次のセクションで二人の関係がはっきりします。
1番 Aメロ2(金曜日に〜)
金曜日に奴に会ってきたろう?
<出典>Mr.Children/虜 作詞:桜井和寿
簡単に別れ切り出せたの?
どうだったんだ 把握していたい
最低な君を
金曜日に君は「奴」と会っていた様です。
「奴」とは?
その後に「別れ切り出せたの?」と主人公が問いただしていることから“君の今の彼氏”にあたる人物だと分かります。
そう、主人公は彼氏のいる女性と喋っています。
そして彼氏と別れさせようとしている。
つまり主人公は君にとっての”浮気相手”なのです。
君は主人公と「金曜日に彼氏と別れ話をするから」というような約束をしていたのでしょう。
だから「ちゃんと別れを切り出せたのか?」主人公は問うのです。
あえて君を「最低」と罵倒しているのは、君に最低な女を演じさせようとしていることを自覚しているのでしょう。
1番 サビ(狂った様に〜)
狂った様に抱きしめ合った後で
<出典>Mr.Children/虜 作詞:桜井和寿
胸の奥が軋むよ
滅茶苦茶に傷つけてみたい気分
無謀なのは承知だぜ だけど傍にいたい
愛を信じたい
君と抱き合っている瞬間だけは”現実逃避”できるようです。
でもやはりどこか胸が軋む。
辛いのです。
君を無茶苦茶にしてやりたい気分にはなるけど、やっぱり大切にしたいという想いがそれを抑制する。
「傍にいたい」「愛を信じたい」
無謀な恋だけど主人公は純粋に君を愛しているのです。
2番 Aメロ(親友から〜)
親友から聞いた噂によりゃ
<出典>Mr.Children/虜 作詞:桜井和寿
相当癖のある女だって事
なんだってんだ!! 分かってやしない
最新の君を
親友から、とある噂を耳にしました。
それは君が「相当癖のある女」だということ。
しかし主人公はそれを否定することができません。
君と浮気関係にあるということを親友にも明かしていないからです。
主人公は“最新の君”を知っています。
それは今現在密な関係を持っているから。
「なんだってんだ!!」「分かってやしない」と言いたいのを抑え、心の中で歯痒い気持ちを抱いています。
2番 サビ(優しさに〜)
優しさに飢えて見えるのは多分
<出典>Mr.Children/虜 作詞:桜井和寿
卑屈な過去の反動
孤独な少女を引きずってんだろう
不能になるまでずっと束縛されてたい
君がどこか”優しさ”を求めているように見える。
その理由は彼女に「卑屈な過去」があったから。
どういう過去かは作中描かれてはいませんが、恐らくその過去が「相当癖のある女」と噂が立った原因に繋がるのだと思います。
主人公はそんな君から、言葉の愛情表現よりも束縛されていたいと望みます。
その”束縛”が自信につながると彼は思ったのでしょう。
Cメロ(take me〜)
take me to Heaven
<出典>Mr.Children/虜 作詞:桜井和寿
give me your love
寝ても覚めても
君が離れない
虜となって天国へと昇ろうか
「take me to Heaven」
(俺を天国へ連れってくれ!)
「give me your love」
(君の愛が欲しいんだ!)
祈るように繰り返す主人公。(曲中はフレーズがリフレインしています)
寝ても覚めても君のことが頭から離れません。
天国へ昇りたいという心理は、一度全てをリセットしたいという想い。
君の虜となり、綺麗な関係をいちから築き上げていきたいと願う主人公でした。
聴きどころ
メロディー
歌詞の項目で「狂った様に〜」のセクションを”サビ”と表記しましたが、
本当の山場は「take me to Heaven」以降です(ゴスペル調に女性歌手が歌っているところ)
サビ(らしきとこ)をサビっぽいメロディーにしていないからこそ、その分ゴスペル部分がとても引き立ちますね。
ゴスペル中の桜井さんのフェイクしたアドリブ的な歌もとてもセクシーです。
アレンジ
Mr.Childrenの楽曲で初の三拍子です。
三拍子というのは一小節が「1.2.3.4」ではなく「1.2.3」で刻むというリズムです。
他のミスチルの曲でいうと、『妄想満月』『風と星とメビウスの輪』『Waltz』『memories』などがあります。
『深海』というアルバムはアナログサウンドで制作したいという試みで、ニューヨークの「ウォーターフロント・スタジオ」にてレコーディングされました。
そのイメージはこの曲が発端だったそうです。
ギターやベースの歪みもファジーな感じがとてもいいです。
新鮮な気持ちで聴けます。
著名人の感想
随時更新します。
ライブ&テレビ披露
ライブ
- REGRESS OR PROGRESS
- Split the Difference(スタジオライブ)
オススメ映像作品
Split the Difference(スタジオライブです)
スタジオライブだけど、Salyuがコーラスに参加していて鳥肌モノだよ♪
テレビ
なし
まとめ
歌詞の内容や曲の雰囲気などからしても、ドロドロ展開の昼ドラの主題歌に合いそうな楽曲ですね。
『深海』というアルバムは一つのドラマの様なもの。
そのコンセプトの中でこの曲が果たす役割は、『ゆりかごのある丘から』で失恋した男が“再び男と女の関係を築く”というストーリー設定です。
そして『花 – Memento-Mori -』へと続きます。
もちろんアルバム『深海』の一節として聴く以外にも、聴きどころはたくさんあります。
アルバムのアナログ感を一番感じられる楽曲であり、迫力あるゴスペルにも引き込まれる。
ミスチルらしくもあり、いい意味でミスチルらしくない作品でもあると僕は思います。