【シーラカンス】完全解説+歌詞の意味/Mr.Children

深海
チルカン
チルカン

Mr.Children「シーラカンス」の解説と歌詞考察だよ♪

ポイント

例えあったとしても、何の役にも立たないかもしれない

楽曲紹介

楽曲収録CD

概要収録作品発売日
5th ALBUM深海1996年6月24日

作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿

豆知識

チル鶏
チル鶏

アルバム『深海』発売時のCMソングとして使用されたよ!

チル鶏ブラック
チル鶏ブラック

この曲タイトル⇨歌詞⇨曲の順に制作されたんだぜ。

チル鶏子
チル鶏子

GLAYの楽曲『3年後』でTAKUROさんが『シーラカンス』に似たイントロを作ってしまい、桜井さんに謝罪したっていう話もあるのよ♪

アルバムジャケット情報

created by Rinker
¥3,204 (2024/12/10 17:59:23時点 楽天市場調べ-詳細)
  • 撮影場所はスタジオ
  • 椅子は「アンディー・ウォーホル:電気椅子」をイメージ
  • 椅子の上の光は水槽に乳褐色の入浴剤を入れ表現している
  • アートディレクター:信藤三雄

桜井「蒼い部屋に椅子がぽんと置いてあって、薄気味悪い影がある。そこにはかつて誰かが座っていたのかもしれないけど、今そこには影しかない。でも、いないのに椅子がぽつんと置いてある不自然さがあって、そして、再びその椅子にまた誰かが座るのかもしれない」

MV(ミュージックビデオ)情報

撮影場所

なし

ミュージックビデオはございません

タイトルについて

「シーラカンス」=長らくシーラカンスは全て絶滅したものと考えられていたが、1938年に南アフリカで現生種が発見され、学界や世界を騒然とさせた。
通称「生きた化石」。

桜井さんの中ではアルバムタイトル候補だったが、評判が悪く反対された。

スポンサーリンク

歌詞考察

1番 Aメロ(シーラカンス〜)

シーラカンス
君はまだ深い海の底で静かに生きてるの?
シーラカンス
君はまだ七色に光る海を渡る夢見るの

<出典>Mr.Children/シーラカンス 作詞:桜井和寿

深海に住むシーラカンス。
しかしそれは「絶滅した」とされていたため、まさか生息しているとは思われていなかった。
でも実際はどこかにいる。

ここで主人公は問う。
それは果たして今、本当に存在しているのか?
海の底で静かに生きているのか?
もしそうだとしたら、広大で美しい海を泳ぎ続けていたいという夢を、今も持っているのだろうか?

そんな疑問から、主人公はシーラカンスの存在意義を問うのです。

1番 サビ(ある人は言う〜)

ある人は言う君は滅びたのだと
ある人は言う根拠もなく生きてると
とは言え君が この現代に渦巻く
メガやビットの海を泳いでいたとしてもだ
それがなんだって言うのか
何の意味も何の価値もないさ

<出典>Mr.Children/シーラカンス 作詞:桜井和寿

「ある人は言う…ある人は言う…」
どうやらシーラカンスに関する情報や評価は一貫していないようです。
滅びたと言う人もいれば、生きてると言う人もいる。

とは言え、もしもテクノロジーの発展した現代に今も存在していたとする。
この場にいたとする。

だからなんだと言うのか?

何の意味も、何の価値もない。
こいつは何の役にも立たない。

つまり、価値あるもの、大切なものに対する認識は人それぞれであり、シーラカンスの存在を素晴らしく思う人もいるかもしれないが、今の自分にとっては全く興味がない
全くもって“それ”の必要性を感じていないのです。

2番 Aメロ(シーラカンス〜)

シーラカンス
君はまだ深い海の底で静かに生きてるの?
シーラカンス
君はまだ七色に光る海を渡る夢見るの

<出典>Mr.Children/シーラカンス 作詞:桜井和寿

再び問う。
そしてこの問いに結論を出そうとします。

2番 Aメロ(ある人は言う〜)

ある人は言う君は滅びたのだと
ある人は言う根拠もなく生きてると
どうしたら僕ら 答えを見つけだせるの
どんな未来を目指すも 何処に骨を埋めるも
選択肢はいくつだってある
言うなれば自由
そして僕は微かに左脳の片隅で君を待ってる

<出典>Mr.Children/シーラカンス 作詞:桜井和寿

「どうしたら答えを見つけ出せる?」
主人公は何かに対しての葛藤を繰り返し、人々が未来とどう向き合うべきかを問いかけます。

そこで気がついたこと。

それは選択肢はいくつもあり、その選択は自由だということ。
そして「興味はない」と言いつつも、「君」というシーラカンスに会えることを微かに、ほんの少しだけ望みます。

左脳は論理的思考。
冷静になれば、”シーラカンス”が自分にとって必要なものかもしれないと思えたのです。

さて、その”シーラカンス”とは一体なんなのか?

Cメロ(シーラカンス〜)

シーラカンス
僕の心の中に 君が確かに住んでいたような気さえもする
シーラカンス
ときたま僕は 僕の愛する人の中に君を探したりしてる
君を見つけだせたりする

<出典>Mr.Children/シーラカンス 作詞:桜井和寿

・シーラカンスは心の中に住んでいた。
・シーラカンスは愛する人の中にもいる。
・それを探したり見つけたりもする。。。

これまでの歌詞を読み解いていくと、シーラカンスとは心の中にある感情に近いものであることが分かります。

というより、それしか分かりません。
ですのでここで、桜井さんのインタビューを交えて解説していきたいと思います。

「シーラカンス」が何を指しているのか?

その答えは「愛・夢・希望」です。

桜井さんは当時「愛がすべてだと僕はもう絶対に言えない、だけど心のどこかで、あり続けてほしいという願いもある」とコメントしています。
それが、本楽曲の”心の中に住んでいたシーラカンスを探そうとしている”という部分と繋がっているのです。

シーラカンス(愛・夢・希望)はかつて心の中に存在していたのかもしれない。
でも今はあるのかどうかすら分からない。
例えあったとしても、何の役にも立たないかもしれない

それを歌にしたのがこの『シーラカンス』なのです。

さて『シーラカンス』の解説はここまで。
この葛藤に答えは出るのか?
アルバム『深海』の長い物語はここから始まります。

聴きどころ

メロディー

第一声のAメロから、水中で歌っているかのような低音域の不気味なハーモニー。
サビへ移ると溜まった鬱憤を晴らすように叫ぶ歌。

その歌声に爽やかさや温かみは皆無。
冷たく尖った刃のようで、これまでの桜井和寿とはまるで別人です。

天真爛漫な桜井和寿はどこへ行った?
穏やかで爽快な歌声はどこへ行った?

驚愕せざるを得ない変わり様です。
彼をそうさせたのはメディアとファンだと言われている…。
受け入れるしかありません。

曲の雰囲気はイギリスのバンド「ピンク・フロイド」をイメージしているそうです。

アレンジ

  • 原曲Key=F(Dm)
  • BPM(テンポ)140

とても渋くてカッコイイ。

アコギのフレーズが印象的で、海の底まで引き摺り込まれるようなイントロ。

誰もが痺れるAメロからサビへ向かうギターバッキング。
田原さんはそれを「一人ニルヴァーナ」と語ります。

JENのドラムは「レッド・ツェッペリン」のドラマーを意識しているそうです。

『シーラカンス』というタイトルは、デジタル機材が主流の現代に、あえてアルバム『深海』で原始的なアナログ機材を使用したことにもかけています。
「愛」というものの他に、音に関してもシーラカンスのように“昔からある”ということが、曲やアルバムのコンセプトにもなっています。

著名人の感想

随時更新します。

ライブ&テレビ披露

ライブ

オススメ映像作品

CONCERT TOUR POPSAURUS 2001

created by Rinker
Toysfactoryレコード
¥5,039 (2024/12/11 00:03:32時点 Amazon調べ-詳細)

“深海への入り口”から”深海からの脱出”をしっかり目と耳に焼き付けよう♪

スポンサーリンク

テレビ

なし

まとめ

1曲目のインスト『Dive』から繋がるプロローグ。
その空気感はまるで生きた化石「シーラカンス」のように暗く重たい。
そしてイントロから漂う緊張感は決してハッピーなものではなく、深い海の底へ引き摺り込まれるような感覚になります。
そして一度引き摺り込まれたなら、もう戻れる気はしない。

桜井和寿は、不安と迷いと葛藤に苛まれ、そんな後にも先にもない苦悩に満ちた曲を作ってしまいました。

実はこの『シーラカンス』、意外にも歌詞から制作された曲とのこと。
その歌詞の中にあるメッセージは「愛、夢、希望、それらはかつて心の中に存在していたのかもしれない。でも今はあるのかどうかすら分からない。例えあったとしても、何の役にも立たないかもしれないもの」でした。

また、アルバムタイトルでもある“深海”とは「心の奥の深い場所」です。
そこに存在するかどうかも分からない“シーラカンス”を疑いながらも探す物語。
それがコンセプトアルバム『深海』の中身。

飛び込んだその先に救いはなく、様々な「否定」の数々。
桜井さんはデビューから歌い続けていたもの、伝えようとしてきたものを疑い、アルバムの中で次々と否定していくのです。

でもそんな当時の桜井和寿だからこそ書けた曲であり、当時のMr.Childrenだからこそ生まれた作品。
この曲、このアルバムがあるからこそ今のMr.Childrenがあると言っても過言ではありません。

愛や夢や希望は今もこの現代にあるのか?
そしてあったとしても、それに価値はあるのか?

果たして物語の結末には何が待っているのでしょうか?
あなたも一緒に潜り込んでみましょう。

ようこそ、“深海”へ。

YouTube版楽曲解説
error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました