Mr.Children「DISCOVERY」の解説と歌詞考察だよ♪
ただひたすら前を向いて歩こう
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
7th ALBUM | DISCOVERY | 1999年2月3日 |
8th ALBUM | 1/42 | 1999年9月8日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿
豆知識
アルバム表題曲だけど、制作の最後の方で完成した曲なんだって!
活動休止後初のALBUMであり、その1曲目だな。
最初にタイトルが浮かんで、そこから曲を膨らませたのよ♪
アルバムジャケット情報
- 撮影場所:カリフォルニア州ベーカーズフィールドのタフトと呼ばれる砂漠(ロサンゼルスより車で2、3時間)
- 4人の後ろにあるのは石油掘削機(撮影のために用意したもの)
- メンバー4人が揃う貴重なジャケット
- 鳩は本物
- アートディレクター:信藤三雄
- 撮影:三浦憲治
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
「DISCOVERY」とは直訳すると「発見」です。
桜井さんがサーフィンから帰る車の中、ふとつけたラジオで「東京ディスカバリー」というコーナーをやっていました。
その「ディスカバリー」という言葉が桜井さんの中で引っかかります。
というのも、ある日小林さんから「次のツアーは荒野の中で油田を掘っている機械が見えるようなセットでやる」「自分の足下を掘っていく、探していく、そんなイメージ」という話をされていたからです。
つまり、掘っていくことで何かを”発見する”というコンセプトが頭の中に残っていたのです。
更に横を通り過ぎていく車の車種も「ディスカバリー」。
彼は「ディスカバリー」という言葉を繰り返しながらメロディーにしていきます。
そうまるで「DISCOVERY」と言う名のスコップで穴を掘りながら、メロディーと歌詞を見つけ出す。
そんなイメージでこの曲は完成したのでしょう。
歌詞考察
1番 Aメロ(空き缶を〜)
空き缶を蹴り飛ばして 悲しみをポケットにしまって
<出典>Mr.Children/DISCOVERY 作詞:桜井和寿
振り向かずに DISCOVERY
険しくとも歩みゆく ただ君の手を取って
真直ぐに DISCOVERY
冒頭の”空き缶”はきっと、主人公が飲み干したものでしょう。
缶に入っていたのは飲み物ではなく、これまで抱えていた不安や問題。
それらを飲み干し、終わらせ、蹴り飛ばしたのです。
悲しい記憶や心のわだかまりもポケットにしまい込み、彼はこれから何かを見つけに、旅立とうしています。
“険しくとも歩みゆく”
さぁ決意を新たに、彼はどこへ行こうとしているのか?
何を見つけようとしているのか?
そして“ただ君の手を取って”とあるように、一人で向かうわけではないようです。
信じた誰かと共に、何かを探しに歩き出そうとしています。
2番 Aメロ(夕立に〜)
夕立に襟を立て 水たまりに自由を写して
<出典>Mr.Children/DISCOVERY 作詞:桜井和寿
僕らなりに DISCOVERY
大切な人を失くして 時が流れ忘れ
浮かばれんが DISCOVERY
夕立とは「短い時間に激しく降る雨」。
傘の準備をしていない時の夕立は嫌気が差すものです。
ここで主人公は、夕立による水たまりにこの旅の目的を投影させます。
そこに写り出したものは「自由」。
嫌なことがあっても、いつでも僕らなりに進めばいいと前を向きます。
歩みの中で、時には大切な人を失くすこともある。
どれだけ悲しんでも、いつかは時が忘れさせてしまいます。
それでは心は浮かばれない。
だからその悲しみは自分のポケットに仕舞い込み、前を向いて歩くのです。
3番 Aメロ(大地を〜)
大地を切り開いて 魂を解き放て
<出典>Mr.Children/DISCOVERY 作詞:桜井和寿
成せば成る DISCOVERY
心に翼を持って この愛を両手に抱いて
振り向かずに DISCOVERY
辛いことは沢山ある。
でも全てを振り切り、ただ前にだけ突き進む。
過去に捕らわれた魂を解き放ち、心のままに「成せば成る」と言い聞かせる。
心に翼を持つイメージ、両手には愛を持つイメージ。
あの水たまりに写した「自由」を探しに、振り返らず、ただ前へ。
そう、主人公達が歩き出した目的は、Mr.Childrenが当時「自由な音楽」を求めたことと同じように、「自由な生き方」を探す(発見する)為の旅だったのです。
聴きどころ
メロディー
珍しくタイトルからメロディーを膨らませた曲です。
一括りのメロディーで完結させた曲構成ですが、だからこそエンディングで「DISCOVERY〜♪」と何度も繰り返すシャウトがカッコいい。
アルバム『DISCOVERY』には仮歌がそのままCDとして使われている曲が多いですが、この曲も桜井さんがマンションのスタジオでレコーディングした、一発録りのテイクをそのまま使用しているそうです。
型にはめない作品の作り方で、アルバムの「自由さ」が伝わってきます。
アレンジ
印象的なギターフレーズから始まり徐々に他の楽器が加わります。
オープニングナンバーとしての掴みはGOOD。
楽器が一つ一つ重なっていき、重厚感溢れる音楽が生まれていく感じが個人的にとても好きです(自分がバンドをやっていた頃を思い出します)。
桜井さんは「歌詞が少ないのはどれだけ音を鳴らせるかを考えたから」とコメントしています。
終始ギターメインで構成されているところから、”バンド”意識が伝わってきます。
Mr.Childrenの楽曲の中ではかなり重いアレンジの為、好き嫌いは分かれそうです。
著名人の感想
※情報があり次第記載
ライブ&テレビ披露
ライブ
- SPECIAL EVENT INNOVATION 1999
- “DISCOVERY”TOUR ’99
オススメ映像作品
TOUR ’99 DISCOVERY
現在発売されているものではこれでしか観れないよ♪
演奏はこのツアーが最初で最後になるのかな…。
テレビ
なし
まとめ
発売当時、初めて聴いた時は驚きがありました。
曲の長さ(5:52)に対して歌詞が短くサビもない。
再出発の始まりを告げる曲としては意外でした。
延々と耳に残る印象的なギターリフ、バンドサウンド全開かつ、ダークなアレンジ。
イメージとしては『深海』の『Dive』や『BOLERO』の『prologue』のように、アルバムの方向性を示す序章的な曲であると言えます。
そんな本作品「DISCOVERY」をアルバムタイトルにした理由に深い意味はないそうです。
ですが桜井さんはとある記事で「DISCOVERY」を“DIS+COVER”=『はがす』という捉え方をしています。
『桜井さんのコメント』
今までのMr.Childrenは確信犯的に色々なことをやってきた。
その中での計算であったり、自分で作ったカテゴリーだったり余計なプレッシャーであったり…。
そういう余計な意識、カバーをこのアルバムではがしている。
この曲には唯一2回出てくるフレーズがあります。
「振り向かずに DISCOVERY」
余計な意識はひっぺがし、もう何があっても前を向いて歩いていく。
アルバム「DISCOVERY」には、そんな想いが込められていたのです。
そしてその想いをリスナーへ証明したのが、後に行われるスクリーン映像一切なしの音に拘った、「Tour ’99 DISCOVERY」だったのです。