【口笛】完全解説+歌詞の意味/Mr.Children

Q
チルカン
チルカン

Mr.Children「口笛」の解説と歌詞考察だよ♪

ポイント

どんなに辛い状況でも一緒に笑い合いながら乗り越えていく

楽曲紹介

楽曲収録CD

概要収録作品発売日
18th Single口笛2000年1月13日
9th ALBUMQ2000年9月27日
BEST ALBUMMr.Children 1996-20002001年7月11日
BEST ALBUMMr.Children 2011-20152022年5月11日

作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿

豆知識

チル鶏
チル鶏

ファンクラブアンケートの「会員が最もライブで聴きたい曲」で1位に選ばれた曲だよ♪

チル鶏ブラック
チル鶏ブラック

Mr.Children最後の8cmシングルだぜ。

チル鶏子
チル鶏子

本作から桜井さんの作詞・作曲としてのクレジットがローマ字表記に変更されたわ!
それ以前は漢字フルネームだったわね。

シングルジャケット情報

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  • ジャケットのシルエットはギター「田原健一」
  • 東京都杉並区神田川沿いにて撮影(東京メトロ丸ノ内線の「方南町駅」徒歩7分)
  • アートディレクター:信藤三雄
  • ジャケット撮影:大橋仁

MV(ミュージックビデオ)情報

撮影場所

・ニューヨーク「ルーズベルト・アイランドの廃校」
(マンハッタンより車で約15分)
・マンハッタン「キャナル・ストリートの路地」

こちらのMV撮影の為に桜井さんは髪を金髪に染めました。
路地での撮影は現地の警官が道を封鎖し、撮影に協力してくれていた。
Mr.Children 「口笛」 MUSIC VIDEO

タイトルについて

「口笛」とは、はっきりと伝えられない「言葉に出来ない想い」であり、「言葉より確かなもの」でもある。
そんな口笛をふと無意識に吹いてしまうような心模様。

歌詞考察

1番 Aメロ(頼り無く〜)

頼り無く二つ並んだ不揃いの影が
北風に揺れながら延びてゆく
凸凹のまま膨らんだ君への想いは
この胸のほころびから顔を出した

<出典>Mr.Children/口笛 作詞:桜井和寿

頼り無く不揃いに並んでいる主人公と君の影。
それは互いの関係性がまだ未熟(頼り無い)であり、まだ価値観を理解し合えていない(不揃い)初々しい関係であることを表現しています。

影がだんだん延びていくのは、それだけ二人が長い時間を同じ場所で過ごしたということ。
一緒にいればいるほど君への想いは膨らみ、上手く言葉にできない感情が凸凹のまま溢れてきます。
「楽しいな」「素敵だな」「嬉しいな」。
色んな感情が入り混じり、『好き』という一言ではまとめられなくなっているのです。

1番 Bメロ(口笛を遠く〜)

口笛を遠く 永遠に祈る様に遠く 響かせるよ
言葉より確かなものに ほら 届きそうな気がしてんだ

<出典>Mr.Children/口笛 作詞:桜井和寿

言葉は時に曖昧で、どうしても表現しきれない感情もあります。
だから主人公は祈るように自分の気持ちを”口笛”に託し、響かせたのです。

その口笛が届く先には、言葉よりも確実に伝わるものがきっとある。
それは遠くても聞こえる小鳥のさえずりのようなイメージなのかもしれません。

1番 サビ(さあ 手を繋いで〜)

さあ 手を繋いで 僕らの現在が途切れない様に
その香り その身体 その全てで僕は生き返る
夢を摘むんで帰る畦道 立ち止まったまま
そしてどんな場面も二人なら笑えますように

<出典>Mr.Children/口笛 作詞:桜井和寿

二人だけの時間が終わってしまわなように、二人は手を繋ぎます。
君の香りがして、その身体が触れられるだけで、主人公は生き返るほどに嬉しい。

こうして今立ち止まって見ている景色が、今の二人にとっては夢のような時間。
それを忘れないように思い出を摘んで心に刻んでおきます。

そうやってどんな場面も記憶に残していき、いつでも笑って振り返ることが出来るように大事にしていけたら。
そんな主人公の願いが描かれています。

2番 Aメロ(無造作に〜)

無造作にさげた鞄にタネが詰まっていて
手品の様 ひねた僕を笑わせるよ
形あるものは次第に姿を消すけれど
君がくれた この温もりは消せないさ

<出典>Mr.Children/口笛 作詞:桜井和寿

“無造作にさげた鞄”とは、例えるなら”ドラえもんの四次元ポケット”のようなものです。

つまり彼女は色んな道具で願いを叶えてくれるドラえもんのように、僕をどんどん楽しませてくれる。
それは会話が上手なのかムードの作り方なのか、わからないけどとにかく楽しませてくれる。

そんな彼女をみていると、「フッ」と笑えて心が温かくなってきたのです。
この心の温かみは形には変えられない今だけのもの。

2番 Bメロ(いつもは素通り〜)

いつもは素通りしてたベンチに座り 見渡せば
よどんだ街の景色さえ ごらん 愛しさに満ちてる

<出典>Mr.Children/口笛 作詞:桜井和寿

帰り道でしょうか。

いつもなら素通りしていたベンチに二人で腰掛ける。
すると目の前のよどんだ景色がまるで愛しさに満ちているように見えた。
これもまるで”手品”のようです。

君がいることで当たり前が当たり前でなくなる。
そんな風に何てことない景色が素敵な景色に変わったのです。

2番 サビ(ああ 雨上がりの〜)

ああ 雨上がりの遠くの空に虹が架かったなら
戸惑いや 不安など 簡単に吹き飛ばせそうなのに
乾いた風に口笛は 澄み渡ってゆく
まるで世界中を優しく包み込むように

<出典>Mr.Children/口笛 作詞:桜井和寿

“雨上がりの虹”というのはいつでも現れるわけではありません。
そんな自然現象が今二人の前で起きたなら、それだけで戸惑いや不安は簡単に吹き飛ばせる。

主人公の戸惑いや不安とは、言葉で想いを伝えられないこと。
だからその想いを「口笛」に託します。

渇いて冷たく吹く風は、口笛の音が乗ることで澄み渡り、よどんでいた二人の世界をまた優しく包み込んでくれたのです。

Cメロ(子供の頃に〜)

子供の頃に
夢中で探してたものが
ほら 今 目の前で手を広げている
怖がらないで踏み出しておいで

<出典>Mr.Children/口笛 作詞:桜井和寿

子供の頃に探していたものとは、”まだ知らない感情“のこと。
“幸せと感じる時間”だったり”誰かを愛すること”であったり、また、夢や目標を探し求めることであったり。
そんな新しい世界を夢中で探しながら子供は成長していきます。

今その“知らない感情”が手を広げています。
初めてだから怖いのもわかる。
でもその感情は「踏み出しておいで」と手を差し伸べているのです。

ラスサビ(さあ 手を繋いで〜)

さあ 手を繋いで 僕らの現在が途切れない様に
その香り その身体 その全てで僕は生き返る
夢を摘むんで帰る畦道 立ち止まったまま
そしてどんな場面も二人で笑いながら
優しく響くあの口笛のように

<出典>Mr.Children/口笛 作詞:桜井和寿

「どんな場面も二人で笑いながら」
どんなに辛い状況に直面しても、二人で支え合い共に笑いながら乗り越えていく。
言葉がなくても世界中を優しく包み込んでくれる、あの口笛のように。
そう願う主人公でした。

聴きどころ

メロディー

とても哀愁漂うメロディーです。
キャッチーでシンプルで覚えやすく心に染み渡るような感覚があります。

Cメロでは力強いオクターブユニゾンを取り入ています。
ただ優しいだけの楽曲で終わらず、変化を加え、飽きさせない構成になっているかと思います。

アレンジ

  • 原曲Key=D
  • BPM(テンポ)97

歌モノとしての完成度抜群。
特にイントロが個人的にはTOPクラスに好きです。

切ないシンセが良い味を出していますが、僕が好きなのはメインのシンセではなく、その裏で微かに聞こえる方のシンセです。

2つのシンセの掛け合いが素晴らしく、裏のメロディーがとても美しくて「さすが小林武史」と言いたくなります。

この曲は秋から冬へかけてのイメージがあります、
それは間違いなくサウンドが醸し出す色によって、そう感じるかなと思います。

著名人の感想

この曲を聴くと胸が”きゅ〜ん”となる。高校生の頃からミスチルを聴き出して、「大人になったらこんな風な恋愛してるのかなぁー?」なんて思ったりしていた。

坂下千里子:別冊カドカワ 総力特集Mr.Childrenより

イタリアに移籍した後に発売され、MDが送られてきて初めて聴いた時の感動が今でも忘れられません。”どんな場面も二人なら笑えますように”というフレーズを桜井さんと一緒に歌えた幸せを噛み締めてします。

名波浩:別冊カドカワ 総力特集Mr.Childrenより

今聴いても本当に好きな曲だなぁって改めて思うし、なにより『口笛』っていう曲を聴くと弾きたくなるんですよ。当時コピーもしてましたし。

常田真太郎/スキマスイッチ:フジテレビ系音楽番組「Love music」より

ライブ&テレビ披露

ライブ

オススメ映像作品

LIVE『Mr.Children TOUR 2015 REFLECTION』

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会場に、桜井さんが歌うか観客が歌うか多数決をとるよ♪結果は…??

テレビ

  • 2000年1月1日「MUSIC STATION」
  • 2000年1月3日「COUNT DOWN TV オールヒット」
  • 2000年1月21日「MUSIC STATION」
  • 2000年1月22日「COUNT DOWN TV」
  • 2000年2月7日「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」
  • 2000年2月10日「うたばん」
  • 2000年8月9日「Music Museum」
  • 2000年8月19日「ポップジャム」
  • 2014年11月22日「SONGS」

まとめ

桜井さんはこの曲を制作したキッカケを下記のように語っています。

「ある時、バーテンダーの役になって、みんなにお酒を作ってあげたことがあった。
お酒が好きな人なら、度数の強い苦いものでも美味しく飲んでくれる。
でも、そこにはお酒が全然ダメな人もいる。
そういう人にどうやったら楽しんでもらえるんだろう?と甘いお酒を作ってあげたりもした。そこでふと"お酒を作るときにそう思えるのなら、今度はそれを音楽でやったらいいのでは?"

前作『DISCOVERY』では音に拘り、ロックな一面を見せてきたMr.Children。
だからこそ今作ではスタンダードで懐かしさもあり、聴きやすく、王道な楽曲で原点回帰しました。
発売当時も”懐かしい”という評判が多かったのを覚えております。 活動休止後のシングルのリリースをご覧下さい。

このようにパワーのある楽曲が続いてからの『口笛』でした。
桜井さんはこのようなコメントもしています。

『口笛』をアレンジして、原点に返りましたってのを見せておいて、いかに次のアルバムで裏切っていこうかってのを今は考えてるんです。この「口笛」を聞いて、ロックのMr.Childrenもよかったのに……って思ってる人もいるだろうし、もしくは、素直によかった!って言ってる人もいるだろうけど、最終的にはどっちも裏切りたいって思ってるところがありますね。

実はレコーディングエンジニアも、1st ALBUM「EVERYTHING」のエンジニアにお願いしたそうです。

誰もがふと昔を思い出すような心地良い楽曲であり、恋人と手を繋ぎながら口ずさみたくなるような歌ですね。

YouTube版楽曲解説
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