【here comes my love】完全解説+歌詞の意味/Mr.Children

重力と呼吸
チルカン
チルカン

Mr.Children「here comes my love」の解説と歌詞考察だよ♪

ポイント

「愛」の力

楽曲紹介

楽曲収録CD

概要収録作品発売日
7th 配信限定 Singlehere comes my love2018年1月19日
19th ALBUM重力と呼吸2018年10月3日
BEST ALBUMMr.Children 2015-2021 & NOW2022年5月11日

作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿/編曲:Mr.Children
配信:約12.8万ダウンロード
アルバム『重力と呼吸』累計売上:44.6万枚

豆知識

チル鶏
チル鶏

フジテレビ系ドラマ『隣の家族は青く見える』の主題歌として起用されたよ♪

チル鶏ブラック
チル鶏ブラック

本楽曲のMVはミュージック・ショートフィルムとして制作され、YouTube公式チャンネルで公開されているぜ。

チル鶏子
チル鶏子

トイズファクトリーの特設サイトにショートフィルムのシナリオが公開されているわ♪

シングルジャケット情報

  • アートディレクター:大西正一
  • ジャケットにはショートフィルムにも登場する「寒立馬(かんだちめ)」という馬が映っている

MV(ミュージックビデオ)情報

撮影場所(MV[0:54]に登場する灯台)

・「尻屋崎灯台」青森県下北郡東通村
(八戸自動車道八戸IC~国道45号、338号、県道6号経由 約2時間30分)

歳を重ねてもずっと1人の女性を想い続ける男性に起きる奇跡を描いた作品。
監督:林響太朗
出演:堀田眞三・貞光奏風・坂井悠莉・吉原拓弥・小林涼子・キンタカオ

寒立馬は、たくましくてずんぐりしていて、静かで朴訥とした人物を想起させました。冬は、吹雪の中でも体力を使わないようにずっと立って休んでいるんです。『here comes my love』のイメージにあった、なにかをずっと待っている人にぴったりリンクし、それを起点にひとりの相手を思い続けている人のメタファーとして映像をつくろうと思いました。

林響太朗/Pen 特集『Mr.Children、永遠に響く歌』

トイズファクトリー特設サイトにショートフィルムのシナリオが公開

タイトルについて

『here comes my love』は直訳すると「僕の愛がやってきた」などの意味です。
これは歌詞を読めば、道に迷った主人公に「愛」の力が溢れ、前に進む勇気を与えてくれたのだと、解釈できます。

歌詞考察

※本楽曲の歌詞を考察するにあたり、ドラマの内容に近付けるか、MV(ショートフィルム)を参考にするか迷いました。
結果、どちらでもない、読んで感じたことそのままに書かせていただきました。

1番 Aメロ(破り捨て〜)

破り捨てようかな
いやはじめから なかったものって思おうかな?
拾い集めた淡い希望も
一度ゴミ箱に捨て

<出典>Mr.Children/here comes my love 作詞:桜井和寿

主人公は「破り捨てようかな」と、何かに区切りをつけようとしています。
でもすぐに「いや、はじめからなかったことにしようかな」と考え直す。

それは、辛かった出来事と向き合うのが怖くて、記憶ごと消してしまいたいという思い。

これまで「なんとかなるだろう」と拾い集めてきた淡い希望も、このままではどうにもならないと考え、一度全てをリセットしようとしています。

1番 Aメロ2(飲み込んで〜)

飲み込んでおくれ
巨大な鯨のように
あぁ僕は彷徨うピノキオの気分だ
何かが僕を変えるはずさって
夢見て暮らしている

<出典>Mr.Children/here comes my love 作詞:桜井和寿

「ピノキオ」の物語には、モンストロという巨大なマッコウクジラに、ピノキオが飲み込まれるシーンがあります。
このセクションは、そのエピソードからイメージされたものだと考えられます。

主人公は「飲み込んでおくれ」と、自分を丸ごと受け止めてくれるものを求めている。
それは逃げ場を探しているのと同時に、自分を変えてくれるような場所を探しているのかもしれません。

そんな自分を「彷徨うピノキオ」と重ねることで、まだ未完成で行き先も分からず、本当の自分になれない悔しさを表現しています。

冒頭で希望を捨てようとした主人公。
でも、ピノキオが人間の子供になれたように、「何かが僕を変えるはずさって 夢見て暮らしている」。
自分から変わる覚悟は持てない。
でも、「変わりたい」という気持ちだけを頼りに、“いつか起きる何か”を探しています。

そんな時…

1番 Bメロ(輝く光じゃ〜)

輝く光じゃなくっても
消えることない心の灯りはいつも
君を照らしてる
祈るように 叫ぶように
この想いがはぐれないように

<出典>Mr.Children/here comes my love 作詞:桜井和寿

「何かが僕を変えるはず」と夢見ていた主人公ですが、もう“すでに自分の中にあるもの”に気づき始めました。
それは、輝くまではいかないにしろ、決して消えることのない「心の灯り」。

その灯りは、自分自身を照らすためのものではなく、大切な「君」をそっと照らすための灯り。
主人公は、祈るように、そして叫ぶように、この想いが途中で迷子になってしまわないよう、必死に抱きしめている。

彷徨い続けていた心は、ここで向かうべき方向を見つけ、奇跡を待つのではなく消えない想いを信じ続けることなのだと、悟り始めます。

1番 サビ(夢見た〜)

夢見た未来を波がさらっていっても
この海原を僕は泳いでいこう
here comes my love
here comes my love
君に辿り着けるように

<出典>Mr.Children/here comes my love 作詞:桜井和寿

この曲における「海」は、「人生」そのものを指していると解釈できます。

思い描いてきた理想や希望も、現実という波にさらされれば、あっという間にかき消されてしまう。
それでも主人公は、この「海原=人生」を“泳いでいこう”と言い切ります。

これまで鯨に飲み込まれるように流されていた彼が、前に進むことを選んだのです。

「here comes my love(僕の愛がやってきた)」
道に迷った主人公に「愛」の力が溢れ、勇気を与えてくれた。
そしてその「愛」の力で、君の元へ泳ぎ始めます。

でもきっと辿り着けるかどうかではなく、辿り着こうと泳ぎ続けること自体が愛なのかもしれません。

2番 Aメロ(灯台の〜)

灯台の明かりが
夜の海の向こう
強く優しく光を放つ
今の僕は
君を正しく導いてるかな?

<出典>Mr.Children/here comes my love 作詞:桜井和寿

「灯台の明かり」は、自分自身を照らすのではなく、暗い海を進む船に向けて、「ここに陸がある」「進む方向は間違っていない」と、人を導くための光です。

つまり主人公は、愛する人を導く立場に立とうとしているのでしょう。

でも、自信満々に導こうとしているわけではありません。
「自分の愛は本当に正しいのか?」「君のためになっているのか?」と、立ち止まって問い直しています。

2番 Bメロ(答えは〜)

答えはきっとグレーだ
描いて消すを繰り返した夢の地図を
風が引き裂いても
祈るように 叫ぶように
また流れに飛び込んでみるんだ

<出典>Mr.Children/here comes my love 作詞:桜井和寿

「君を正しく導いてるかな?」
その答えとして差し出されたのが、白か黒か、正解か不正解かでは割り切れない、「答えはきっとグレーだ」という一文です。

答えが存在しないことを主人公はすでに受け入れていました。

「夢の地図」を何度も描いては、現実に打ち消され、また描き直す。
その繰り返しの中で、夢は次第に輪郭を失っていった。
それでも「描いていた」事実だけは、主人公の中に残っている。

だから今度は自分の意志で、この流れに飛び込んでみようと決意します。

2番 サビ(見上げた〜)

見上げた空には雨雲があるけど
その海原を誰もが泳いでるよ
希望を胸に吸い込んだら
また愛する人の待つ場所へ

<出典>Mr.Children/here comes my love 作詞:桜井和寿

空には雨雲があり、決して良い気分ではない。
それでも目を背けずに、誰もが同じように必死で生きている。
孤独だと思っていた苦しみが、実は普遍的なものだったと知りました。

前に進もうと決めた主人公は、希望を大声で掲げるのではなく、息継ぎをするように、自分の中へ取り込む。
そうやって何度迷っても、何度流されても、愛する人の待つ場所へ泳ぎ続けます。

Cメロ(あって当然と〜)

あって当然と思ってたことも
実は奇跡で
数え切れない偶然が重なって
今の君と僕がいる

<出典>Mr.Children/here comes my love 作詞:桜井和寿

ここで主人公は、これまで当たり前だと思っていた日常や関係を、まったく別の角度から見つめ直しています。

愛する人がそばにいること、同じ時間を生きていること、同じ景色を見ていること、そのすべては決して保証されたものではない。

人生がどれほど不確かで、同時にどれほど尊い連なりの上に成り立っているか…。
どれか一つでも欠けていたら、“今の君と僕”は存在しなかったかもしれない。

奇跡の連続の上に、たまたま“今”があるのです。

ラスサビ(ふとした瞬間に〜)

繋いでたその手が離れてしまっても
見失わぬように君のそばにいるよ
希望を胸に吸い込んだら
また君と泳いでいこう
here comes my love
here comes my love
いつかきっと
僕ら辿り着けるよね

<出典>Mr.Children/here comes my love 作詞:桜井和寿

人は迷い、すれ違い、繋いだ手を離してしまう瞬間があります。
たとえ離れてしまっても、主人公の心は君を見失わないようにずっとそばにいる。
だから、再び希望を見つけたら「また君と泳いでいこう」と誓います。

「here comes my love」。
愛の力は二つになった。

「いつかきっと 僕ら辿り着けるよね」。
これはきっと「生涯を共に泳いでいこう」という愛の言葉。

何度も波にのまれ、手を離しそうになりながら、それでも「また泳ごう」と支え合いながら進んでいく。
一生をかけて。

聴きどころ

メロディー

この曲のメロディーを初めて聴いた時に、とてもうねりを持った旋律だなと感じました。

全体を通して抑揚の付け方がこれまでとは少し違っていて、特にBメロの展開は鳥肌ものです。
譜面の強弱で言うとピアニッシモくらい繊細な「輝く光じゃなくっても」から、「心の灯りはいつも」以降のクレッシェンドは、自然と胸が熱くなれます。
そしてサビのファルセットも優しく包み込むように広がり、とても心を揺さぶられます。

だからこそこの曲は、「あ、今悩んでるな」とか、「少し前に進もうとしてるな」とか、感情の動きがはっきり見えてくるようで、何度聴いても飽きない。

歌詞の内容と同じ景色を見せてくれるようなテクニックが最高です。

アレンジ

  • 原曲Key=D♭(間奏→E♭)
  • BPM(テンポ)70

実は意外とこの曲に関する桜井さんのコメントは少なく、その中で語られているキーワードが2つあります。

ひとつは「ハードロック寄りのバラード」。 
もうひとつが「Queen」。

まず構成として印象的なのが、ピアノがメインで始まりそのままストリングスが絡むバラードかと思いきや、すぐに歪んだギターも加わったバンドサウンドに移行していく流れ。

続くBメロは『HANABI』などのようにイントロのコード進行に戻るところは、個人的にとても好きです。
そこから徐々に盛り上がり、最終的に大きなロックバラードへと展開していく。

このピアノとバンド、そして段階的な広がり方が、Queen的でもあり、同時にMr.Childrenらしさでもあるんですよね。

また2番もドラマチックで、僕がこの曲のアレンジで最も好きなフレーズが「祈るように 叫ぶように」で加わるギターのビブラート。
ここ、聴き逃してはいけないポイントです。

ただやはり最大の聴きどころは、久々にしっかりフィーチャーされた桜井さんのギターソロ。
まさにQueenのギタリスト、ブライアン・メイそのものです。

雑誌の記者から「桜井くん好きだよね、ブライアン・メイ・ギター」と問われたところ、桜井「そうです(笑)」鈴木「もう、故意に入れました(笑)」と答えています1

このやり取りから伝わってくるのが、すごく楽しそうに音楽を作っている感じ。

“好きだから入れる”。
その余裕と遊び心、そしてバンドサウンドを突き詰めた、壮大なロックバラードです。

著名人の感想

人生という壮大な海の中で、愛する人のもとへ導いてくれる様な、道筋を照らしてくれる様な、希望と愛を感じました。この楽曲が繋(つな)いでくれた愛の中で精一杯泳ぎたいと思います。

深田恭子/フジテレビ「隣の家族は青く見える」公式HP

ライブ&テレビ披露

ライブ

  • エレファントカシマシ 30th ANNIVERSARY TOUR “THE FIGHTING MAN” SPECIAL ド・ド・ドーンと集結!!~夢の競演~
  • ap bank fes ’18
  • Tour 2018-19 重力と呼吸

オススメ映像作品

Mr.Children Tour 2018-19 重力と呼吸

ライブでどう表現されるのだろうと楽しみにしていた1曲でした。
丁寧な演奏に一語一語を確かめるように歌う姿を観て、改めて“良い曲だなぁ”と感じられるステージでした。

テレビ

なし

まとめ

本楽曲はドラマ『隣の家族は青く見える』の初回オンエア直後、1月19日深夜0時に配信リリースされました。

まずは桜井さんのコメントをご覧ください。

この物語の登場人物達の、
また、その物語に自分を重ね共感するであろう皆さんの背中を押すことができるように、この曲に心を込めて制作しました。

登場人物達の未来がどうなっていくのか、とても楽しみにしています。

桜井和寿/フジテレビ「隣の家族は青く見える」公式HP

ドラマは妊活に向き合う夫婦がメインのストーリーで、全話を通して観る中で、何度か涙してしまうくらい、良いドラマだったなぁという記憶があります。

初めてこの曲を聴いた頃の印象は、そのドラマの世界観とすごくよく合っていて、力強く、スケールの大きな楽曲だな、というものでした。

独立後、小林さんがアレンジに関わらない形で制作されたバラードとしては、まず『忘れ得ぬ人』がありましたが、初聴きの印象としては、やはりあの曲に近い空気感もあったように思います。

ただ、今振り返ってみると、この曲の本当の魅力は、最初に受け取ったインパクト以上のところにあったと思っています。
とにかく聴けば聴くほど味が出て、今自分の中ではMr.Childrenの名曲のひとつになっています。

この曲で描かれている主人公と君は、何かを成し遂げたわけではありません。

「正しく導けているかな?」
「答えはきっとグレーだ」

僕が本楽曲で最も好きなフレーズなのですが、最初に主人公がひとりで抱えていたその葛藤が、この曲の中核を担っているんじゃないかと思います。

迷い、流され、時には鯨に飲み込まれるような感覚を抱えながら、それでも前へ進もうとする。
辿り着けるかどうかは分からない。
でも、何度も流れに飛び込み、泳ぎ続ける。

これそのものが愛であり、人生なんだよなぁと感じました。

この曲はドラマ『隣の家族は青く見える』の主題歌であり、もしかしたらその「愛」は、新しく産まれてくる子供に向けられたものかもしれない。
でもその枠を超えて、“正解のない人生を、誰かを想いながら生きていく”というテーマがあり、とてもスケールの大きな楽曲です。

聴けば聴くほど味が出る曲だと言いましたが、聴く人それぞれの人生と一緒に成長していく楽曲なんだと思いました。

YouTube版楽曲解説

準備中

  1. ROCKIN’ON JAPAN 2018年11月号 ↩︎
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