Mr.Children「ラヴ コネクション」の解説と歌詞考察だよ♪
心を閉ざした彼女へ本当の愛を
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
4th ALBUM | Atomic Heart | 1994年9月1日 |
6th Single | Tomorrow never knows | 1994年11月10日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿・小林武史
豆知識
小林さんの提案により「ローリング・ストーンズ」を意識した楽曲になっているよ!
アルバムジャケット情報
- ブルーのアイデアを出したのは桜井さん
- 全面ブルーを提案したのは信藤さん
- 上記の流れで小林さんが賛同して今の形に至る
- 「アトミックなハートはこんな色のブルーかもしれないな」と信藤さんは語っている
- アートディレクター:信藤三雄
MV(ミュージックビデオ)情報
スタジオ
ローリングストーンズの「Jumpin’ Jack Flash」を意識したものになっている。
Mr.Children 「ラヴ コネクション」 MUSIC VIDEO
タイトルについて
仮タイトルは『What Do You Want』と『背骨男』の2つがあった。
『背骨男』は当時の現場マネージャーの姿勢の悪さを揶揄して付けられた。
「love connection」直訳すると「愛の繋がり」=「恋愛関係」
歌詞考察
1番 Aメロ(ワンタッチの〜)
ワンタッチの関係ではエクスタシーはない
<出典>Mr.Children/ラヴ コネクション 作詞:桜井和寿
トゥマッチな愛情に触れてもつらい
Oh 妙に醒めたポーズで今日も
Woo つれない素振り
訳します。
上辺だけの付き合いでは快楽を感じない。
かといって過度な愛情は苦手。
君はそんなつれない素振りでいつも冷静に構えている。
登場人物の女性は、程良い関係を保つ恋愛関係(ラヴ コネクション)を求めています。
1番 Aメロ2(”大胆気ままに〜)
“大胆気ままに恋はエクササイズよ”
<出典>Mr.Children/ラヴ コネクション 作詞:桜井和寿
なんちゃって本当は傷つくのが恐い
Oh メロドラマに涙流して
Woo 可憐な君よ
彼女は言います。
「私にとって恋は所詮エクササイズよ」
とは言いつつも、それはメンタルを維持していたいだけの言い訳。
メロドラマには涙を流せる純粋な心も持ち合わせているのです。
彼女は傷つくことから逃げているだけ。
そんな君の弱さを垣間見た主人公は、「可愛らしいじゃないか」と思ったのです。
1番 サビ(Tell me〜)
Tell me what do you want
<出典>Mr.Children/ラヴ コネクション 作詞:桜井和寿
Oh what do you think baby
僕を揺さぶってくれよ
What do you want
一体どうして欲しいんだ
今夜も Oh baby baby please yeah
訳します。
Tell me what do you want
(君が何を求めているのか教えてくれ)
Oh what do you think baby
(一体何を考えているんだ)
もっと露わに君の感情を見せてくれ
What do you want
(どうして欲しいんだ)
分からないまま今夜も僕は君を求める。
君が何故自分と夜を共にしているのか不思議で堪らないのです。
どうせ寝るなら気持ちを揺さぶらせて欲しい。
そんなモヤモヤがありながらも、主人公は君を求めます。
感情を曝け出さない君を、主人公自身は一体どうしたいのでしょうか?
“ただ彼女を抱きたい”だけではないということが、段々と分かっていきます。
2番 Aメロ(シェイプアップが〜)
シェイプアップが成功したSexyなスタイル
<出典>Mr.Children/ラヴ コネクション 作詞:桜井和寿
ノータッチじゃ no no!! 愛想がないんじゃない
Oh 高飛車なフリして結構
Woo お世辞に弱いね
彼女のとてもセクシーなスタイル。
触らないでおくのは逆に愛想がないと思われるのではないか?
と都合良くも考えます。
そんな身体を「キレイだね」と褒めたなら、強気な君が少し照れた表情を見せました。
普段はクールを演じている彼女ですが、本当は素直な心の持ち主であるということが描かれています。
2番 サビ(Tell me〜)
Tell me what do you want
<出典>Mr.Children/ラヴ コネクション 作詞:桜井和寿
Oh what do you think baby
君の好きにしていいよ
What do you want
お気に召すまま 僕を転がしてくれ
「どうして欲しいんだ」と問いかけ続ける主人公。
お気に召すままに「君の好きにしていいよ」と身体を委ねます。
彼女は何かに縛りつけられ心を閉ざしている。
深読みですが、その扉を開くのは”彼女自身”だという主人公からのアプローチなのかもしれません。
2番 サビ2(Oh what〜)
Oh what do you want
<出典>Mr.Children/ラヴ コネクション 作詞:桜井和寿
Oh what do you think baby
君を奪い去ってくんだ
What do you want
自由にしてあげよう
僕が Oh baby baby please yeah
肌が触れ合う瞬間に心を奪い去り解放させる。
それが彼女の心を開く一つの手段。
「君の好きにしていい」と自分が受け身になることで、彼女の心を引き寄せているように感じます。
落ちサビ(Oh what〜)
Oh what do you want
<出典>Mr.Children/ラヴ コネクション 作詞:桜井和寿
なんだかんだ言ったって
老いてく君の美貌も
いいだろう訳ありの過去も
愛してあげよってなもんさ
歳と共にその美貌が老いてしまう未来がある。
君が心を閉ざす理由は過去にあるのかもしれない。
それでもその「未来」も「過去」も全て愛してみせる。
主人公は君に“本当の愛”を教えてあげようとしているのです。
ラスサビ(what do〜)
What do you want
<出典>Mr.Children/ラヴ コネクション 作詞:桜井和寿
Oh what do you think baby
僕を揺さぶってくれよ
What do you want
お気に召すまま 僕を転がしてくれよ
What do you want
Oh what do you think baby
君を奪い去ってくんだ
What do you want
自由にしてあげよう
僕が Oh baby baby please yeah
繰り返しのフレーズです。
世の中には様々な「ラヴ コネクション」があります。
同じようにこの楽曲も様々な解釈ができます。
主人公が彼女の本心を知りたがる理由をどう読み取るかで見え方は変わってくるでしょう。
ただの”欲望”か”愛”なのか。
僕の見解は「心を閉ざした彼女へ本当の愛を伝えたい」という主人公の想いを感じました。
聴きどころ
メロディー
メロディースケールは「ブルーノート」と呼ばれるジャズやブルースなどでよく使用される音階で歌われております。
ブルース的なロックンロールという表現が分かりやすいかもしれません(私、ロックンロールをあまり聴かない為、間違っていたらすみません)。
下記の赤文字部分がそれにあたります。
Tell me what do you want
Oh what do you think baby
僕を揺さぶってくれよ
(通常のスケールに対し半音下で歌っています)
ちなみに作曲は桜井和寿&小林武史の合作です。
ローリングストーンズ意識から発展していった楽曲な為、小林さんのアドバイスの元で桜井さんが作曲されたのかと思います。
アレンジ
制作時、生のリズムとギターで、一発録りの雰囲気を目指してセッションが行われました。
そんな中、ギター田原さんに対し桜井さんは「チョーキングをしないギタリストとして有名だった田原が、ついにチョーキングを!」と茶化していたとのこと。
何度も前述しているローリングストーンズ意識が、一番表現されているのはアレンジです。
多少のミスは関係ないといった姿勢でレコーディングに臨んだ為、ストーンズ的なルーズな演奏を生み出すことが出来たそうです。
冒頭のSEにも意味があります。
「まとめ」の項目で解説しているので、最後までご覧下さい。
著名人の感想
随時更新します。
ライブ&テレビ披露
ライブ
- ’94 tour innocent world
- 学園祭ツアー ’94
- Act Against AIDS ’94
- ’95 Tour Atomic Heart
- STADIUM TOUR Hounen Mansaku 夏祭り1995 空(ku:)
- REGRESS OR PROGRESS
- SPECIAL EVENT INNOVATION 1999
- “DISCOVERY”TOUR ’99
- すずきのすすきの
- DOME TOUR 2009 ~SUPERMARKET FANTASY~
オススメ映像作品
TOUR ’99 DISCOVERY
浦清英さんのピアノと共にサビから始まる「リグプロ」も素晴らしいですが、やはり「”DISCOVERY”TOUR ’99」での田原さんと河口さんのギターセッションが最高にカッコイイです♪
テレビ
- なし
まとめ
ALBUM『Atomic Heart』は『Dance Dance Dance』→『ラヴ コネクション』という順に収録されています。
『ラヴ コネクション』の冒頭にカランコロンと鳴るSEが流れるのをご存知でしょうか?
その音は実際に喫茶店で録音された音で、これには意味があります。
『Dance Dance Dance』は宇宙から地球へとカメラが寄ってきて、そこに展開される状況を歌っています。
そして更にカメラが地球に寄ってきて、喫茶店のような”街のサイズ”まで接近してくる。
このSEがあることで、歌の世界観が宇宙規模から日常(愛や恋)へ移るという構成になっているのです。
Mr.Childrenは「Atomic Heart」制作後、桑田佳祐さんとのイベント「Act Against AIDS」への出演をはじめ、度々エイズと向き合いながらの活動もされていきます。
その「Act Against AIDS」のレポート記事にこのような見解がありました。
「『ラヴ コネクション』はまさにエイズと背中合わせに生きることを余儀なくされる恋人たちの、その皮膚の感覚を持った内容である」
桜井さんが元々それを意図して作詞されたのかは分かりません。
ただ、この曲のライブ演奏には”愛し合うこと”の問題提起を投げかけているような感覚があるのだと思います。
Mr.Childrenとしてのジャンルの幅を大きく広げた一曲。
ノリやサウンド重視の楽曲は、歌詞を深くまで考えて聴くことは少ないかもしれません。
ですがたまに深く読み込んでみると、また違った感覚で聴くことが出来ますね。