Mr.Children「SINGLES」の解説と歌詞考察だよ♪
それぞれが思う幸せを…
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
19th ALBUM | 重力と呼吸 | 2018年10月3日 |
BEST ALBUM | Mr.Children 2015-2021 & NOW | 2022年5月11日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿
豆知識
ドラマ『ハゲタカ』主題歌だったよ♪
この曲にはMVもあるぞ。
ストーリー仕立てのMVね♪
アルバムジャケット情報
- アートディレクター:Aerosyn-Lex Mestrovic
- 通常盤のみの1形態で発売
- シルバー3方背BOX仕様になっている
MV(ミュージックビデオ)情報
不明
井之脇海と阿部純子が出演
監督:林響太朗
コンセプト:リアルな大人の物語。
曲を聴いたイメージとタイトルから、”独り身ずつ” “一人ひとりが歩む道”という世界観で制作された。
Mr.Children 「SINGLES」 MUSIC VIDEO
タイトルについて
「SINGLE(S)」の「S」は主人公と彼女”それぞれが独り”という意味。
歌詞考察
1番 Aメロ(君は嬉しそうに〜)
君は嬉しそうに しばらく空を見ていた
<出典>Mr.Children/SINGLES 作詞:桜井和寿
東京タワーの向こうに
虹が架かって
で、そのあと僕の頬にキスした
恋愛小説の書き出しのような描写。
とても素敵なワンシーンをリアルに描いています。
幸せな物語の始まりを予感しますが、これはアルバム写真を見返す様に、独りの男の想い出を切り取ったフレーズなのです。
1番 Aメロ2(僕は意外と〜)
僕は意外と いろんなことを覚えてて
<出典>Mr.Children/SINGLES 作詞:桜井和寿
戻れないこと よくわかってたって
何処かに面影を探してしまう
冒頭のワンシーンは、別れた恋人との大切な想い出の一つでした。
一緒にいた頃はそれを一人で振り返ることになるとは思ってもいなかったでしょう。
いざ振り返ってみると沢山のことを覚えていました。
もう復縁は望めないとわかっていても、まだ君の面影を探してしまいます。
1番 Bメロ(自分に聴かせる〜)
自分に聴かせるだけの口笛は
<出典>Mr.Children/SINGLES 作詞:桜井和寿
少しだけ寂しくて胸締め付けるメロディ
“自分に聴かせるだけの口笛”
それは何をするにも独りぼっちであることの一つの表現。
MVの内容からイメージすると、二人は同棲していたと考えます。
別れたことにより、テレビの音を聴くのも独り。
好きな音楽を聴くのも独り。
口笛も、溜め息でさえ誰も聞いてはくれません。
当たり前だった小さな事が、切なく胸を締め付けてくるのです。
1番 サビ(悲しいのは今だけ〜)
悲しいのは今だけ
<出典>Mr.Children/SINGLES 作詞:桜井和寿
何度もそう言い聞かせ
いつもと同じ感じの
日常を過ごしている
それぞれが思う幸せ
僕が僕であるため
oh I have to go
oh I have to go
離れ離れになったことで、”二人で思い描いた幸せ”が、”それぞれが思う幸せ”となりました。
戻れないことをわかっている主人公は、受け入れるしかありません。
独り、道の真ん中で佇んでいる訳にはいかないのです。
きっとこの道の先にも新しい幸せが待っている。
「悲しいのは今だけ」と必死で気持ちを堪え、僕が僕であるために行かなければならない(I have to go)と自分に言い聞かせようとしているのです。
2番 Aメロ(どんな音楽も〜)
どんな音楽も
<出典>Mr.Children/SINGLES 作詞:桜井和寿
痛快と話題の映画も
君の笑顔には敵わないってわかった
ねぇ君はまだあの虹を覚えてる?
独りになった主人公は、色んな音楽や映画で寂しさを紛らわせようとしたのでしょう。
でも何をしていても”隣に君がいないこと”が寂しいのです。
二人で笑い合いながら観て聴いて、その空間が一番楽しかったことに気が付きます。
その笑顔を思い浮かべると、いつも”あの虹”がオーバーラップしてきます。
もし君が僕のことを思い浮かべた時、君も”あの虹”を思い出してくれるだろうか?
覚えてくれているだろうか?
“自分だけ”のよき思い出になっていたとしたら、寂しいものです。
2番 Bメロ(誰かの為に〜)
誰かの為に生きるって誇りを
<出典>Mr.Children/SINGLES 作詞:桜井和寿
僕に教えてくれたのは
君だけと言い切っていい
彼女が主人公に残したものは、孤独と想い出だけではありません。
“誰かの為に生きる誇り”
それは”誰かを守りたい”という想いでした。
彼はそれくらい自分を犠牲にできる人に初めて出会えたのです。
2番 サビ(守るべきものの数だけ〜)
守るべきものの数だけ
<出典>Mr.Children/SINGLES 作詞:桜井和寿
人は弱くなるんなら
今の僕はあの日より
きっと強くなったろう
それぞれが思う幸せ
君が君であるため
oh you’ll have to go
恋人や家族、大切な人が増えるにつれて人は”弱く”なっていきます。
何かからその人を”守る”というリスクを背負い、犠牲にしなければならないものが増えていくからです。
つまり自由がなくなっていくということ。
でも今の主人公はどうでしょう?
彼女と別れ、独りぼっち。
守るべきものはありません。
だから“きっと強くなった”というのは、良く言えば”自由”になり人生の選択肢が広がったということ。
悪く言えば前を向く為の”強がり”なのです。
you’ll have to go(君は行かなければならない)というフレーズには、出て行って欲しくはないけど、君は行かなければ”ならない”と言い聞かせています。
逆に言えば”追い駆けるべきではない”。
彼女の意志を受け入れるしかないという切なさを感じます。
3番 Bメロ(誰もが胸の中で〜)
誰もが胸の中で
<出典>Mr.Children/SINGLES 作詞:桜井和寿
寂しさっていう名の歌を歌ってる
少し もの悲しくて
人恋しくなるメロディ
人は誰もが孤独を感じながら生きているということ。
どれだけ幸せな人でも、家族や恋人には言えない自分の弱さや悩みを一つは持っているでしょう。
自分のことを100%理解し、共感し合える人などいないのです。
だからこそ、胸の中のメロディーを聴いてくれる誰かを探しながら、人は生きていくのです。
ラスサビ(楽しいのは今だけ〜)
楽しいのは今だけ
<出典>Mr.Children/SINGLES 作詞:桜井和寿
自分にそう言い聞かせ
少し冷めた感じで
生きる知恵もついたよ
それぞれが思う幸せ
僕が僕であるため
oh I have to go
oh I have to go
oh you’ll have to go
oh we’ll have to go
結局人は孤独と背中合わせに生きているのだとしたら、「楽しいのは今だけ」と思う方がラクです。
主人公は悲しくも”何にも期待せずに生きる知恵”をつけました。
「僕は行かなければならない」と言い聞かせ、
「君は行かなければならない」と言い聞かせ、
「僕達は(それぞれが思う幸せへと)行かなければならない」と言い聞かせる。
主人公が思う幸せとは一体何なのでしょうか?
(”まとめ”で考察)
まとめの項目では深堀り考察をやっているよ!
絶対見てね♪
聴きどころ
メロディー
一番好きなポイントは”各サビの折り返し”。
『悲しいのは今だけ』←あたま 『それぞれが思う幸せ』←折り返し
あたまの「悲しい」に比べて、折り返しの「それぞれ」は低音から歌い出しています。
個人的に桜井さん低音域の声が好きな為、このポイントはかなりグッときます。
2番以降のサビも面白い。
サビのフレーズを重ねて(ディレイかも)やまびこさせています。
考察になりますが、それは主人公の中の「行かなければならない自分」と「言い聞かせている自分」との葛藤。
つまり「SINGLE(S)」をイメージしているようにも思えます。
シングル曲にも引けを取らない完成度のメロディーではないでしょうか。
アレンジ
「名もなき詩」や「Worlds end」を彷彿させるような疾走感のあるイントロが人気です。
一見ポップな楽曲に聴こえますが音作りはかなりロックです。
まず耳に印象的なのは歪んだベースの音。
そして何よりギターです。
「一体何本入っているんだ?」と思うほどスピーカーのL.R、センターから聴こえてきます。
間奏のアドリブのようなギターソロも驚きでした。
桜井さんがライブでギターを持たないのが不思議なくらいギターロックです。
著名人の感想
随時更新します
ライブ&テレビ披露
ライブ
- FATHER&MOTHER Special Prelive
- Tour 2018-19 重力と呼吸
- FATHER&MOTHER Special Live
- Dome Tour 2019 “Against All GRAVITY”
- 「B’z presents UNITE #01」
オススメ映像作品
Mr.Children Tour 2018-19 重力と呼吸
セットリスト”1曲目”の破壊力がヤバイ!!
テレビ
なし
まとめ
少し歌詞の深堀り考察をしたいと思います。
誰かの為に生きるって誇りを
僕に教えてくれた
という歌詞があります。
恋人同士が長く付き合うにあたり、そこには”自分を思う幸せ”と”相手を思う幸せ”があります。
そして最初はお互いが”自分を思う幸せ”から恋愛はスタートするものです。
君と過ごす時間が欲しい。
毎日離れたくない。
毎日電話したい。
それが次第に”相手を思う幸せ”に変わっていきます。
君が喜ぶことをしてあげたい。
守ってあげたい。
感謝を言いたい。
彼女から学んだ「誰かの為に生きる誇り」とは言い換えれば”相手を思う幸せ”です。
つまり主人公が”それぞれの幸せ”を思うことが出来たのは、”相手を思う幸せ”があったから。
だから「we’ll have to go(僕達は行かなければならない)」と決意を固めることが出来たのです。
「悲しいのは今だけ」と意気地のない男のイメージがありますが、実際は強い心を持っています。
歌詞考察の項目で僕は「主人公の思い描く幸せとは一体何なのでしょうか?」と問いかけました。
その答えは「君が幸せであること」であれば素敵です。
まだ未練を断ち切れてない内は、それでいいのかなと思います。