Mr.Children「Bird Cage」の解説と歌詞考察だよ♪
気持ちが揺らぐ前に遠くへ羽ばたけ
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
10th ALBUM | IT’S A WONDERFUL WORLD | 2002年5月10日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿
豆知識
何かあれば追記します♪
アルバムジャケット情報
- デザイン(地球から植物が育っている)が決まるまでかなり時間のかかった作品
- 地球環境を意識している
- ジャケットは絵に見えるが実は写真を加工したもの
- 歌詞カードのブックレット写真のイメージは「エデンの園」
- アートディレクター:信藤三雄
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
「Bird Cage」=「鳥カゴ」=「愛の巣」
歌詞考察
1番 Aメロ(綺麗なはずの〜)
綺麗なはずのすっとした手も
<出典>Mr.Children/Bird Cage 作詞:桜井和寿
これで見納めかなぁ?
今になっちゃえば名残り惜しく思える
話し合ったって何一つ
分かり合えないけど
終わりにするって答えだけは同じ
とある恋人同士の話。
既に関係は”終わり”に差し掛かっているようです。
「綺麗な”はず”の手」という表現から始まります。
とても綺麗で魅力的に思えていた君の手だった。
今はもう握ることも繋ぐこともなくなり、いつからかその輝きは失われました。
僕を求める手ではなくなったのです。
それも今日で見納め。
話し合っても分かり合えず、お互い「終わりにする」ことだけが答えでした。
しかしいざ明確な答えを出してしまうことで「名残り惜しい」と思ってしまう主人公です。
1番 Bメロ サビ(あなたの口づけで〜)
あなたの口づけで僕が変われたならいいのに
<出典>Mr.Children/Bird Cage 作詞:桜井和寿
お互いの両手は自分のことで塞がってる
笑いながら はしゃぎながら
誤魔化してきた 叫び声が
胸の 奥に 響く
重く 重く 重く
主人公自身も気持ちが薄れていたのは事実。
お互いが別の方向を向き、両手が塞がっている時、君のキスで何かに気が付いていればよかった。
もう口づけにトキメキを感じなくなってしまったのです。
二人で支え合う余裕はどこにもないのが現状でした。
笑い合い、はしゃぎ合ってはいたけれど、いつからか本来の笑顔ではなくなり、楽しいフリに過ぎない日々が続いていた。
その日々を振り返ると、罪悪感が断末魔の叫びをあげ、重く胸の奥にのしかかってくるのです。
2番 Aメロ(間抜けな神様が〜)
間抜けな神様が僕らを
<出典>Mr.Children/Bird Cage 作詞:桜井和寿
つがいで飼おうとして
狭い鳥篭に入れたなら今頃
絵に描いたような幸せが
訪れていたのかなぁ?
発狂しないで僕ら暮らしていたかなぁ?
もし神様の間違いで、僕らが今いる鳥篭(愛の巣)よりもっと狭い鳥篭に入れられたとする。
そこで二人だけの生活を強いられていたとしたら。
個々に自由な感情を持つこともなく、互いのみを愛し合い、今とは違う幸せが訪れていたのではないだろうか?
大人しくその暮らしを受け入れていたのではないだろうか?
それぞれが広い鳥篭で自由に暮らしていることにより、互いの関心が別の方向へ向いてしまった。
だからいっそ”閉じ込められていたなら”と少し未練がましく振り返ります。
2番 Bメロ サビ(あなたの溜め息で〜)
あなたの溜め息で
<出典>Mr.Children/Bird Cage 作詞:桜井和寿
世界が曇るはずないのに
真面目な顔をして悩める女を演じてた
そのプライドを保ちながら
迷いながら 妥協しながら
日毎 愛情は 渇く
孤独 孤独 孤独
彼女が溜め息を一つ吐いた。
その溜め息がこの世界、つまり鳥篭の中を曇らすほどのものだとは思っていませんでした。
君が真面目な顔をして悩んでいたのは、愛情の渇きに気付いてほしい為。
でも自分からは言い出せないプライドがあり、迷い、妥協を繰り返していた。
それに気付けなかった主人公は、虚しさから孤独を感じてしまったのです。
Cメロ(明日から僕ら〜)
明日から僕ら晴れて自由の身だ
<出典>Mr.Children/Bird Cage 作詞:桜井和寿
鳥篭のドアはもう開いてるんだ
だから 遠く 遠くへ
オアシスの前で力尽きるとしても
明日へと 僕ら飛んでいかなくちゃなんない
ずっと 遠く 遠くへ
別れを決断した二人。
「愛の巣」であった鳥篭の扉を開いたのです。
もう後戻りは出来ません。
この旅立ちが間違っていたとして、次のオアシスまで届かないとしても、遠く飛んでいくしかないのです。
Dメロ ラスサビ(蒼い 浅い〜)
蒼い 浅い 昨日を嘆く
<出典>Mr.Children/Bird Cage 作詞:桜井和寿
やがて 脆く 時が 洗い流していく
甘い記憶
遠く 遠く 遠く
遠く 遠く 遠くへ
蒼く浅い。
昨日がそんな薄っぺらいものだったとしても、これまでの時間を考えれば悲しいもの。
どんな記憶も「時が洗い流していく」と言い聞かせます。
しかし主人公には名残惜しさ・未練が明らかにまだ残っています。
恋の終わりは結局自分次第。
このまま恋のジレンマに陥ってしまわぬよう、気持ちが揺らぐその前に遠く羽ばたくのです。
聴きどころ
メロディー
この曲はとても暗く重い印象がありますが、実はメジャーキーで作られています。
ミスチルの暗めの曲と言えば「ジェラシー」「Brandnew my lover」「ALIVE」などありますが、それらはイメージ通りマイナーキーで作られています。
音作り・ワードチョイス・歌い方などが相まって暗く重い印象になっているのかもしれません。
他にこの曲は、Bメロからサビへ向かう盛り上げ方が異常なほど弾けています。
特にラスサビ前の「洗い流していく」は個人的に一番好きなポイントです。
アレンジ
まず最初に、ミックス面で印象的なポイントがあります。
それは各サビと曲の後半辺りから、ドラムの音量バランスがとても目立つように調整されています。
どれだけ品質の低いスピーカーでも、バスドラの音まで聴こえてきそうなくらいです。
ですのでメインは「JEN」と言ってもいいような気がします。
でもギターもとても良いです。
イントロなどのアルペジオは「これぞ田原さん」ですが、サビ前の、田原さんのイメージにはあまりないような激しいカッティングがとてもカッコイイです。
やはり特にラスサビ前の「洗い流していく」で入るカッティングがたまらないですね。
要所要所で聴きどころのある楽曲だなと思います。
著名人の感想
準備中
ライブ&テレビ披露
ライブ
- WONEDERFUL WORLD on DEC 21
オススメ映像作品
wonederful world on DEC 21
現在発売されているものではこれでしか観れないよ♪
テレビ
- なし
まとめ
冒頭で「終わりにするって答えだけは同じ」という歌詞がありますが、主人公の別れたかった理由が最後までわかりません。
それだけでなく、明らかに未練があります。
同じ答えを出した主人公に対する僕の考察は、彼女の幸せを思っての決断だったのかと思います。
歌詞考察で「恋のジレンマ」という表現をしました。
結局このまま付き合っていても彼女は自分を愛してはくれない。
かといって別れても甘い記憶が蘇ってくる。
そんな葛藤から出した答えが、“時が洗い流すまで遠くへ飛び立つしかない”ということではないでしょうか?
オアシスがそんなに近い場所にあるとは思えません。
それでも力尽きずに飛び続けてほしいですね。