映画「フライ,ダディ,フライ」を観て(レビュー・感想)ミスチルファンより

映画・ドラマ

フライ,ダディ,フライ(2005年に上映された映画)

個人的評価

評価 :2.5/5。

主題歌がMr.Children 12th ALBUM『I ♥ U』の8曲目収録されている楽曲『ランニングハイ

主題歌に起用されることとなったきっかけは、桜井和寿は2001年頃、同作の脚本・原作を務める小説家、金城一紀さんの小説『GO』に強い影響を受けて作った曲がありました。『youthful days』という曲です。
2001年、『youthful days』の歌詞を書いた後、偶然にも同時期に『GO』映画版の主演、窪塚洋介さんとの雑誌対談がありました。
そこで原作に影響を受けた曲(『youthful days』)があることを桜井さんは語ります。
それを知った金城さんは、2003年発売の小説『フライ,ダディ,フライ』の冒頭で、Mr.Childrenの楽曲『光の射す方へ』の歌詞を抜粋し、ミスチルにラブコールを送りました。
お互い尊敬しあう関係が続く中、2004年10月ごろ、「同映画主題歌にミスチルを」という案が製作サイドから飛び出し、編集ビデオを桜井さんとプロデューサーの小林武史さんに送付。2つ返事で快諾したといいます。
こうして『ランニングハイ』が生まれました。

曲について桜井さんは「この映画の魂を汚さぬよう大切に受け継いで、息を切らして叫び、僕らなりに全力疾走してみました」とコメント1
金城さんも、大のミスチルファンで知られる主演の岡田准一さんも大喜びしたとのことでした。

「もう疲れた誰か助けてよ!」
そんな合図出したって
誰も観ていない ましてタイムを告げる笛は鳴らねぇ
なら 息絶えるまで駆けてみよう 恥をまき散らして
胸に纏う玉虫色の衣装をはためかせていこう

<出典>Mr.Children/ランニングハイ 作詞:桜井和寿
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作品情報

あらすじ

家族と平凡ながら幸せな日々を過ごしていたサラリーマンの鈴木。ある時、娘の遥がボクサーの男子高校生・石原に傷つけられた。鈴木は復讐を誓うが、勇気も腕力もからっきし。そこで、偶然知り合った高校生・スンシンと仲間たちに戦い方を教わることになる。

監督・キャスト

  • 監督:成島出
  • 脚本:金城一紀
  • 原作:金城一紀
  • キャスト
    • 岡田准一(朴舜臣)
    • 堤真一(鈴木一)
    • 須藤元気(石原勇輔)
    • 星井七瀬(鈴木遥)
    • 松尾敏伸(南方)
    • 愛華みれ(鈴木夕子)
    • 塩見三省(平沢章吾)
    • 渋谷飛鳥(三浦直子)
    • 坂本真(山下)
    • 青木崇高(萱野)
    • 広瀬剛進(板良敷)

レビュー(ネタバレあり)

序盤はかなり胸糞悪いシーン(主人公の娘が傷つけられたり)で始まりますが、ラストはスッキリする展開で安心しました。
個人的な点数が低いのは、主人公の修行に少し退屈さを感じてしまったからです。
でもミスチル主題歌という事もあり、しっかりレビューもしていきます。

  • 最も印象的なシーン:岡田准一演じる朴舜臣の強さ
  • 最も印象的なセリフ:「飛べ、おっさん、飛べ」

本作の魅力は、堤真一演じる主人公鈴木の成長と、W主演とも言える岡田准一演じる朴舜臣との関係性にあります。特に、最初は全くの他人同士だった二人が、トレーニングを通じて絆を深めていく過程です。
舜臣は鈴木を鍛えながらも、彼自身も鈴木の姿勢から影響を受け、成長していく。
単なる師弟関係にとどまらず、互いに影響を与え合う関係が描かれている点が、本作の魅力の一つだろうと感じました。

また、堤真一の演技が素晴らしい。最初は頼りない中年サラリーマンだった彼が、次第に強さを身につけていく過程がとてもリアルで、試合前夜のシーンで見せる覚悟の表情や、娘を想う姿には心を打たれます。一方の岡田准一は、クールでミステリアスな舜臣を見事に演じ、内に秘めた優しさや強さが伝わってきました。舜臣の無敵的な強さにも惚れました。
二人の掛け合いは絶妙で、時に笑えて、時に感動させられる。

ラストの決闘シーンでは、彼が圧倒されながらも最後まで諦めずに立ち向かう姿に熱くなれます。
勝敗ではなく、闘う意志を持つことが大切なのだというテーマが強く伝わってきました。

さらに、本作のテーマは「父親の強さとは何か?」という点にもあるように思います。
鈴木は最初、「娘のために戦わなければならない」と考えていたが、最終的には「自分自身のために戦う」ことに気づく。父親だから強くなければならないのではなく、強くありたいと願う気持ちこそが、彼を成長させたのではないでしょうか。

「フライ,ダディ,フライ」は、単なる復讐劇ではなく、人間の成長と絆を描いた感動作。
アクション映画としても楽しめるが、それ以上に「何かのために強くなろうとする人間の姿」に胸を打たれる作品でした。
主演の二人の演技、熱いトレーニングシーン、そして心に残るメッセージが詰まった本作は、多くの人の心に響くのではないでしょうか。

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pr

  1. サンスポ.com ↩︎
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