Mr.Children「I wanna be there」の解説と歌詞考察だよ♪
新しい旅立ちへの期待と不安
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
18th ALBUM | REFLECTION{Naked} | 2015年6月4日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿/編曲:Mr.Children
アルバム『REFLECTION』累計売上:58.7万枚
豆知識
アメリカをイメージして作った曲らしいよ♪
フォークロックっぽいアレンジと歌い回しが印象的だな。
シェリル・クロウが歌いそうなイメージも抱きつつ作った曲らしいわ♪1
アルバムジャケット情報
- アートディレクター:丹下紘希
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
タイトルの『I wanna be there』は直訳すると「僕はそこにいたい」となりますが、歌詞の内容的に「そこに行きたい」と訳すのが日本語的に自然かと思われます。
「そこ」とは一体どこなのか?
主人公はどこへ行きたいのか?
歌詞考察で明らかにしていきます。
歌詞考察
1番 Aメロ(不眠症に〜)
不眠症になりそうな寝苦しい夜が
<出典>Mr.Children/I wanna be there 作詞:桜井和寿
ここ数日間続いて あるとき思い立った
似たような瞬間は これまでもあった
でも今回はリアルだ昨日の自分にさよならさ
ここ数日間、寝苦しい夜が続いている主人公。
きっと何かしらの不安やストレスがあったり、いろいろと思考を巡らせてしまったり、精神的にモヤモヤしている状態にあるのかもしれません。
でも「あるとき思い立った」。
彼に何らかの考えが浮かんだようです。
と言っても、過去にも同じような瞬間はあった。
しかし今回はこれまでとは違う。
その思い付きは単なる願望ではなく、「リアル」な行動に結びつくと感じたのです。
“なんとなくの決意”ではなく、「昨日の自分にさよなら」と言えるくらい、“踏み出せる決意”をすることができました。
1番 Bメロ(いちばんタフな〜)
いちばんタフな靴を選んで
<出典>Mr.Children/I wanna be there 作詞:桜井和寿
また 装飾のない服を着て
音楽は俺の頭の中で鳴らしてく
主人公は出発の準備を整えます。
タフな靴、飾らない服、頭の中で鳴らす音楽。
「タフな靴」で長く険しい道のりに立ち向かうんだという意志を持ち、過去を脱ぎ捨て「装飾のない服」で飾らないありのままの自分を信じる。
そして音楽は「俺の頭の中」、つまり自分の感覚を信じて進んでいく。
さぁ準備もできてきたようです。
1番 サビ(I wanna be there〜)
I wanna be there
<出典>Mr.Children/I wanna be there 作詞:桜井和寿
「アホらしい」って もう一人の俺が言うぜ
でも聞こえないんだ今は
I wanna be there
「アンタらしいね」って 微笑んで
さみしそうに見送ってくれないか
「I wanna be there(そこに行きたい)」と願望を示す主人公。
それに対し「アホらしい」と嘲笑い、冷めた見方をするもう一人の自分。
それは、「本当に意味があるのか?」という疑念や、「アホらしい」という他人の評価を気にしてしまう感情から生まれてきた自分。
これまでの主人公は、その声に惑わされ、昨日の自分にさよならができなかったのでしょう。
でも今は違う。
その声に聞く耳を持ちません。
振り回されることなく、むしろ逆にこちら側から『「アンタらしいね」って微笑んでさみしそうに見送ってくれないか』と求められる余裕があります。
葛藤を乗り越えた主人公は、更に出発の準備を進めていきます。
2番 Aメロ Bメロ(負けそうに〜)
負けそうになった時の旅の道連れを
部屋中探して回ったでも結局見つからなかった必要なものを 足りないものを
<出典>Mr.Children/I wanna be there 作詞:桜井和寿
そうだ そのままに感じること
「生きていること」にもっと感謝して生きていたい
もしかしたら“そこ”へ向かう途中、辛くて負けそうな時があるかもしれない。
だからもう一つ何かが欲しい。
「旅の道連れ」、つまり支えとなるもの。
もしくは負けた時に言い訳になるもの。
それを出発前に部屋中を探し回った主人公。
だけど見つからなかった。
でもそれでよかったのです。
いくら何かに救いを求めても、最終的な人生の決断には自分自身との対峙が必要になる。
だからありのままの自分を否定してはいけません。
そして「生きている」という事実は、すでに幸せなこと。
だからその感謝の忘れずに生きていたいと、主人公は感じたのです。
2番 サビ(I wanna be there〜)
I wanna be there
<出典>Mr.Children/I wanna be there 作詞:桜井和寿
新しい出会いが待っている もしかしたら素敵な運命の人が(笑)
I wanna be there
「アンタらしいね」って 手を振って
泣きながら見送ってくれないか
“そこ”に行けば「新しい出会いが待っている」と期待を膨らませる主人公。
そして「もしかしたら素敵な運命の人が(笑)」と冗談混じりに想像します。
「(笑)」があることで、過度な期待を抱かず少し照れ隠しをしながらも、でも心のどこかでは本当にそういう出会いが待っているのではないか、という希望まで感じられます。
その軽い感じがきっとありのままの僕らしさ。
だからそろそろ「アホらしい」と嘲笑ったもう一人の自分も、不安や疑念は忘れて手を振って見送ってほしい。
もう昨日の自分にはさよならをしているのだから。
ラスサビ(I wanna be there〜)
I wanna be there
<出典>Mr.Children/I wanna be there 作詞:桜井和寿
「アホらしい」って もう一人の俺が言うぜ
でも聞こえないんだ今は
I wanna be there
新しい出会いが待っている そうさきっとこの旅路の上で
I wanna be there I wanna be there
さみしそうに見送ってくれないか
主人公の「旅路」とは人生の新しいステージへの道。
そう、「I wanna be there」の“there(そこ)”とは、具体的な場所ではなく、人生の「新しい場所」また「理想の場所」なのです。
この曲は、新たな旅立ちへの期待と不安、それと同時にどことなく寂しさと温かさを感じます。
主人公は今まさに旅立つ寸前。
旅路の上で良い出会いがあるといいですね。
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聴きどころ
メロディー
メロディーについて桜井さんは「スタジオでレコーディングしている合間にギターを弾いていたらメロディが浮かんでできた曲です。心はアメリカに居て、ウエスタン・ブーツ履いて、ヒッチハイクしているイメージでした。2」とコメントされています。
主人公はカウボーイのようなイカした男のイメージなのでしょうか?笑
だから一人称が「俺」なのかもしれないですね。
この曲のメロディーには個人的に細かすぎる好きなフレーズがあります。
それは「音楽は俺の〜♪」の「楽(がく)」の音。
コードの構成音から外れた9thというの音で歌っているのですが、そのオシャレで透き通った感じがすごく好きです。
全体的に歌い方が力強く、背中を押してくれますね。
アレンジ
深めのリバーブとコーラスによるアコースティックギターが心地良く、Aメロから入るピアノがとてもオシャレ。
楽器構成もシンプルで、音楽Barで聴きたくなるようなバンド感があります。
ミスチルでは比較的少ないギターソロも入っており、それは桜井さんが演奏しているとのこと。
バンドとしての新たなスタートを感じられるような、あえてのシンプルさが素敵なアレンジです。
著名人の感想
随時更新します
ライブ&テレビ披露
ライブ
- STADIUM TOUR 2015 未完
オススメ映像作品
Live DVD & Blu-ray『Mr.Children Stadium Tour 2015 未完』
現在ライブでの演奏はこのツアーのみであり、スマホライトが印象的で、”未完ツアーといえばこの曲”という人も多いのではないでしょうか。
テレビ
- なし
まとめ
アコースティックギターのバッキングで始まるイントロが心地良く、アメリカンな曲調に乗せた強く伸びのある桜井さんの歌声。
「俺」という一人称や歌詞の内容から、“男の決意”みたいなものが伝わってきて、ミスチルらしくない、でも桜井さんらしい歌い回しに、またこれまでにないタイプのカッコ良さを感じました。
“シンプルなアレンジながらも力強い歌”。
ファーストインプレッションはそんな印象だったように思います。
中でもこの曲の歌詞は当時独立したばかりのMr.Childrenとリンクする部分もあり、アルバムの{Naked}にしか収録されなかったことも考えると、密かにファンに伝えたいメッセージが込められているようにも感じました。
Mr.Childrenはリリースの度に予想外な曲を聴かせてくれたり、予想を超えるステージを見せてくれたりと、常に進化しながら、僕らに“新しい場所”を提供してくれています。
新境地を開き続けていくことは簡単なことではなく、誰しも不安や迷いがどこかであって、Mr.Childrenもきっと曲やステージを作り出すうえでそれを乗り越えてきているはずです。
新しいものを作り上げるにはやはりリスクもあり、『Atomic Heart』や『深海』、この『REFLECTION』や『miss you』も、全て名作となっていますが、リリースされたばかりの時は戸惑いや驚きを感じた方も多かったかと思います。
でも、その全て「アンタらしいね」「ミスチルらしいね」って最終的に納得させてくれるところが、彼らのすごいところではないでしょうか。
「新しい出会いが待っている」
これからもきっと、それが続いていくと思うと、ワクワクが止まらないですね。
とても暖かく背中を押してくれる応援ソングでした。