Mr.Children「365日」の解説と歌詞考察だよ♪
「愛」とは…
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
16th ALBUM | SENSE | 2010年12月1日 |
BEST ALBUM | Mr.Children 2005-2010 <macro> | 2012年5月10日 |
BEST ALBUM | Mr.Children 2015 – 2021 & NOW | 2022年5月11日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿
豆知識
NTT東日本・NTT西日本のCMソングだったよ。
「NTT docomo group × Mr.Children 25th Anniversary コラボキャンペーン」のCMソングにも起用されたな。
シングルじゃないのに人気よね♪
アルバムジャケット情報
- ザトウクジラがブリーチングしている写真
- アートディレクター:「森本千絵」率いるgoen°
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
『365日』には「愛の歌」というテーマの裏にもう一つのテーマがあります。
下記をご覧下さい。(歌詞考察は普遍的な「愛の歌」としてやっていきます)
桜井さんが「365日」を作るきっかけとなったのは「ラブチェック」という活動です。
【ラブチェックとは】
2006年「RED RIBBON LIVE」というエイズの予防啓発を呼びかけるイベントに桜井さんが参加されました。
そのイベントの総合プロデュースをされたのが、ラジオDJの「山本シュウ」さんという方。
「RED RIBBON LIVE」に桜井さんが出演した時の話。
山本シュウさんから「エイズの検査をする車を走らせることはできないか?」という考えを聞きました。
それに対し桜井さんは「検査、というと堅苦しくなるから、そういうものにすごくポップな名前をつけたら、みんな楽しんでやるようになるんじゃないか?」と思いつきました。
その考えをもとに山本シュウさんが付けた言葉。
それが「ラブチェック」です。
そして桜井さんは「ラブチェック」を音楽で伝えていきたいと考え、「命の尊さや、相手を思いやる気持ちの大切さといった、ラブチェックの根底にある思いを込めた曲」として『365日』を作ったのです。
ただ、もちろん桜井さんはそこに限定せず「親子や夫婦、恋人たちにとっての愛の曲でもある。「ラブチェックのテーマ」としてだけでなく、もっと自由に受け取ってほしい」という想いもあるそうです。
ストレートなラブソングの裏にこのようなストーリーがあるのです。
歌詞考察
1番 Aメロ(聞こえてくる〜)
聞こえてくる 流れてくる
<出典>Mr.Children/365日 作詞:桜井和寿
君を巡る 抑えようのない想いがここにあんだ
耳を塞いでも鳴り響いてる
主人公の心の中で、抑えようのない強い想いが鳴り響いている。
その響きは自ら再生・停止をすることは出来ず、君を巡り、僕の心の中まで聞こえてくる。
そして身体中に流れてくる。
つまり、大好きな君のことが、頭から離れないのです。
1番 Aメロ2(君が好き〜)
君が好き 分かっている 馬鹿げている
<出典>Mr.Children/365日 作詞:桜井和寿
でもどうしようもない
目覚めた瞬間から また夢の中
もうずっと君の夢を見てんだ
「君が好き」という気持ちは分かっている。
頭から離れないわけを導き出すことなど愚問。
眠りながら君の夢を見て、目覚めても君のことを想う。
仕事中、プライベートも関係なく何をしていても考えてしまうのです。
1番 Bメロ(同じ気持ちで〜)
同じ気持ちでいてくれたらいいな
<出典>Mr.Children/365日 作詞:桜井和寿
針の穴に通すような願いを繋いで
君も僕と同じくらいに僕を想ってくれていたら。
そんな小さな針穴を通すような、ちょっぴり厄介で神経質な願い。
できるならお互いが同じ気持ちで繋がっていたらと、希望を汲むのです。
1番 サビ(365日の〜)
365日の
<出典>Mr.Children/365日 作詞:桜井和寿
言葉を持たぬラブレター
とりとめなく ただ君を書き連ねる
明かりを灯し続けよう
心の中のキャンドルに
フーっと風が吹いても消えたりしないように
「言葉を持たぬラブレター」とは、言い換えれば「言葉で表現しきれない想い」。
君へのたくさんの愛をいつか伝えようと、毎日毎日心の中に書き連ねています。
「心の中のキャンドル」は「愛情」。
いつか君を照らす日が来るまで、ずっとこの気持ちを守り続けたいと思うのです。
1番 Aメロ Bメロ(例えば「自由」〜)
例えば「自由」
<出典>Mr.Children/365日 作詞:桜井和寿
例えば「夢」
盾にしてたどんなフレーズも
効力(ちから)を無くしたんだ
君が放つ稲光に魅せられて
「ひとりきりの方が気楽でいいや」
そんな臆病な言い逃れはもう終わりにしなくちゃ
“君”という存在が心を埋め尽くすということは、裏を返せば、自分の心のあらゆる隙間を君に奪われてしまうということ。
それは例えば「自由な時間」や「夢を追う時間」。
「本当の愛」よりもエゴを優先したくなるのが現状。
しかし”君”という存在はそのエゴですら無力にしてしまいます。
つまり主人公は「抑えきれない想い」を抱えていることが本当は辛かった。
君を愛することに臆病になっていたのです。
「ひとりきりが気楽」と気持ちを抑え込みたかったけど、もう無駄なことだと確信を得ることが出来ました。
2番 サビ(砂漠の街に〜)
砂漠の街に住んでても
<出典>Mr.Children/365日 作詞:桜井和寿
君がそこにいさえすれば
きっと渇きなど忘れて暮らせる
そんなこと考えてたら
遠い空の綿菓子が
ふわっと僕らの街に
剥がれて落ちた
どんなに不利な状況でも君さえいれば暮らしていける。
「砂漠の街」、渇望を補う水と同じように必要な存在になっている。
そんな大袈裟な空想をしている主人公。
すると「僕らの街」に浮かぶ綿菓子のような雲が雪に変わって降り出しました。
季節が移り変わる。
空想の街から抜け出し、君への想い全てを伝えようと決意したのです。
3番 Bメロ(君に触れたい〜)
君に触れたい
<出典>Mr.Children/365日 作詞:桜井和寿
心にキスしたい
昨日よりも深い場所で君と出逢いたい
「昨日よりも深い場所」
『”昨日は君をデートに誘えた”→”今日は手を繋げた”→”翌日キスをした”』
など少しずつ君との深い関係を築いていくことで、新しい君と出逢っていきたい。
そんな想いが込められています。
ラスサビ(365日の〜)
365日の
<出典>Mr.Children/365日 作詞:桜井和寿
心に綴るラブレター
情熱に身を委ねて書き連ねる
明かりを守り続けよう
君の心のキャンドルに
フーっと風が吹いても消えぬように
365日の
君に捧げる愛の詩
「言葉を持たぬ とりとめないラブレター」から「心に綴る 情熱に身を委ねるラブレター」に変わりました。
主人公は自分の愛を意識的に書き連ねていく決心がついたのです。
君の心に僕の「愛」が灯ったなら、儚く消えてしまわぬよう守り続けたい。
四六時中、頭の中を巡る抑えようのなかった想い。
それは365日分の一つの愛の詩(うた)となり、君へ送ります。
3番 Aメロ(聞こえてくる〜)
聞こえてくる 流れてくる
<出典>Mr.Children/365日 作詞:桜井和寿
君を巡る 想いのすべてよ
どうか君に届け
どうか君に届け。
充分な「愛」はきっと、君に明かりを灯したことでしょう。
愛を送る「愛の詩」でした。
聴きどころ
メロディー
サビがとても難しいです。
細かく言えば、特に「365にちの〜」の「ち」が思ってもいない音を歌います。
もちろん単純にコード進行に沿ったメロディーであり、原曲をデフォルトとして覚えているのが当たり前なので不自然さは感じないかもしれません。
ですが、後者の方が自然なメロディースケールです。
初めて聴いた時は”良い意味で”捻くれてるなと感じました。
アレンジ
サンプリング音が目立ちます。
Mr.Childrenにはこれまで『Dance Dance Dance』や『ニシエヒガシエ』などロック調の曲にサンプリング音を多用することは多いですが、王道バラードにここまで入れてくるのは珍しいのかなと思います。(1番A2辺りからループしている音や「シュー」という音などです)
この音の加え方が普遍的なラブソングとは違う、ただの鼠ではないメッセージの一つに思えます。(ラブチェック要素など)
個人的にアレンジ面で一番好きな箇所は、イントロのピアノフレーズを、間奏にてギターやストリングスで壮大なフレーズに変化させているところです。
著名人の感想
随時更新します
ライブ&テレビ披露
ライブ
- DOME TOUR 2009 ~SUPERMARKET FANTASY~
- ap bank fes ’10
- Tour 2011 “SENSE”
- STADIUM TOUR 2011 SENSE -in the field-
- TOUR POPSAURUS 2012
- クリスマスの約束2013(桜井和寿・小田和正)
- DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25
オススメ映像作品
Mr.Children DOME TOUR 2009~SUPERMARKET FANTASY~ IN TOKYO DOME
初披露でイントロ前の映像の意味がわからなかったけど、鳥肌立ちまくりだった個人的な思い出補正です♪
テレビ
2012年05月04日「MUSIC STATION」2時間SP
2012年05月04日「僕らの音楽」Mr.Children×加藤綾子
2013年12月25日「クリスマスの約束2013」
2014年12月26日「MUSIC STATION」スーパーライブ2014
まとめ
この曲には色んな「愛」の形を当てはめることが出来ます。
恋人はもちろん、夫婦や親子にも。
少し哲学を話します。
「愛」というとても大きなテーマについて、スイスの哲学者「カール・ヒルティ」はこのように説きます。(一部省略)
愛をもってすれば、あらゆるものに打ち勝つことができる。
カール・ヒルティ
何故なら、愛は永遠の実在と生命の一部分であって、これは全ての地上のものと違って、老朽することがないからである。
これはもちろん人との「愛」だけではなく、「モノ」や「自然」に対しての「愛」も含まれています。
人は人やモノに対し損益で考えてしまうことがあります。
でも「愛したい」という思い「愛されたい」という願いは根底にあって、その愛を感じたり注いだりすることで、生きている幸せを得ることができるのではないかと思います。
「ラブチェック」というエイズ検査も、根底にあるのは桜井さんの言うように、この歌のテーマである「愛」です。
この曲はおそらく一般的にMr.Childrenの中で最も有名なアルバム曲です。
YouTubeの再生回数も現時点で約6900万再生。
結婚式でもよく使われると聞きます。
世間に大きく広まっているからこそ、この隠されたストーリーも多くの人に広まってくれたらと僕は思います。