Mr.Children「Dear wonderful world」の解説と歌詞考察だよ♪
住んでいる世界は雨だろうと晴れだろうと同じ
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
10th ALBUM | IT’S A WONDERFUL WORLD | 2002年5月10日 |
豆知識
『Dear wonderful world』というワードは意外にもドラムのJENが発案者
だよ♪
曲自体は2:18秒という短い曲だな。
アルバム2曲目の『蘇生』と4曲目の『one two three』の橋渡し的な役目として収録されたわ。
アルバムジャケット情報
- デザイン(地球から植物が育っている)が決まるまでかなり時間のかかった作品
- 地球環境を意識している
- ジャケットは絵に見えるが実は写真を加工したもの
- 歌詞カードのブックレット写真のイメージは「エデンの園」
- アートディレクター:信藤三雄
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
仮タイトルは『醜くも美しい世界』。
JENの「Dear wonderful world、というタイトルにしたらどうだろう?」という提案が採用された(JENの中に映画『12モンキーズ』のラストに流れた、ルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」が印象に残っていたからだという)。
タイトルの意味は直訳すると「親愛なる、素晴らしい世界」
僕らが生きている世界の本質を描いたその歌詞こそが素晴らしい内容になっております。
歌詞考察
1番 Aメロ(Oh Baby〜)
Oh Baby 通り雨が上がったら
<出典>Mr.Children/Dear wonderful world 作詞:桜井和寿
鼻歌でも歌って歩こう
この醜くも美しい世界で
この始まりがアルバム最後の収録曲「It’s a wonderful world」の最後の歌詞です。
つまりアルバム最後のフレーズでもあるわけです。
まとめて最後に歌詞の内容を繋げますので、一旦先に進んで下さい。
1番 Bメロ(無駄なことなど〜)
無駄なことなど きっと何一つとしてないさ
<出典>Mr.Children/Dear wonderful world 作詞:桜井和寿
君の身の上話のひとつでも聞かせてよ
「無駄なことなど きっと何一つとしてない」
単純なことに例えるのなら、長いこと大切に使っていた椅子のネジが1本不意に外れてしまった。
という悲しい出来事があったとします。
そこにはちゃんと”老朽化”という理由があり、”もうこの椅子は寿命なんだ。捨てて新しいものに買い替えるべきだ”という意味があります。
もしかしたら「もう自分の役目は終わったよ」という椅子からのメッセージかもしれません。
大切に使っていた椅子かもしれないけど思い切って買い変えたことで、もしかしたら座り心地がよくなり、仕事が今以上に捗るかもしれない。
今以上にくつろげるかもしれない。
「あ、この椅子はもしかして僕のことを考えて、自ら命を絶ったのかな?」
と思うこともできます。
ネジが外れたというほんとに些細なことでもちゃんと意味がある。
そんな風に普段は興味のない他人の身の上話も、聞くことできっと相手の為になるかもしれない。
自分も何か学ぶことがあるかもしれないのです。
2番 Aメロ(Oh Baby〜)
Oh Baby 通り雨が上がるまで
<出典>Mr.Children/Dear wonderful world 作詞:桜井和寿
カプチーノでも頼んで待とうか?
この醜くも美しい世界で
冒頭の3行が「It’s a wonderful world」の最後の歌詞でしたが、この3行が最初の歌詞になります。
主人公はこの雨が降っている最中カプチーノを頼んで、『It’s a wonderful world』のBメロからサビのフレーズに続きます。
その部分についてはこの記事では割愛します。(It’s wonderful worldに記載)
「醜くも美しい世界」とこの曲の歌詞全体をまとめると、「雨」という一見暗い嫌な世界があります。
でもその雨が上がったら清々しい美しい世界が広がります。
「雨」というフィルターが掛かると、少し世界がどんよりとした醜いようなムードになるけれど、実際そのフィルターを外せば素晴らしい世界が広がっています。
住んでいる世界は雨だろうと晴れだろうと同じなのです。
醜くさと美しさ両方を兼ね備えた世界で僕らは生きている。
そして醜いものがあるからそうでないものを「美しい」と感じることができる。
そしてそんな清々しい世界が待っているからこそ、カプチーノでも飲んで、焦らず醜い世界も堪能して、雨が上がったら鼻歌でも歌って外を歩こうじゃないか。
そんな世界の本質を描いた歌詞なのかなと思います。
聴きどころ
メロディー
短いですがとても難しいです。
特にAメロ。
後半のフェイク混じりのフレーズがとてもテクニカルです。
ボーカルにはストレートに声を乗せるのではなく、一歩引いたようなエフェクトがかけられています。
それこそカフェの中から外に向かって歌いかけているようなイメージがあり、すごく雰囲気出ていて良いなと思います。
アレンジ
最初はシンセの「ボーン」という音から、澱んだ世界にいるような雰囲気が淡々と続きます。
それは歌詞の世界観で雨が降っているからかもしれません。
でも最後に女性の、「カプチーノのお客様。お待たせ致しました」という声が入っており、
“主人公がカプチーノ飲みながら雨上がりを待つ”という『It’s a wonderful world』へ繋がる構成がすごく作り込まれてますね。
ちなみにこの女性の声は実際にカフェで桜井さんが録音したそうです。
著名人の感想
準備中
ライブ&テレビ披露
ライブ
オススメ映像作品
wonederful world on DEC 21
現在発売されているものではこれでしか観れないよ♪
テレビ
- なし
まとめ
開催されるはずだった本作品収録のアルバムを引っ提げたツアーは元々2本立てでした。
その1本目は、ブレイクの早かったMr.Childrenにとってほとんど経験してこなかったホールツアーでのスタートで、そのタイトルが『Dear wonderful world』。
そして日程も組まれたところの桜井さんの病気でツアー自体はなくなってはしまいましたが、後に1夜限りのライブとして『WONEDERFUL WORLD on DEC 21』が開催され、セットリスト1曲目として披露されました。
僕は当時テレビの生放送で観ていたのですが、「1曲目がなんなのか?」というワクワクはもちろんありました。
でも予想はできていました。
というのもタイトルが「Dear」から始まるという単純な理由です。
実際この曲を歌い出した時は、「やっぱりな」っていうのと、ここからどう展開していくのかというワクワクで胸がいっぱいでした。
その時の感動をとても鮮明に思い出すことができます。
僕の中ではそんな楽曲です。
ツアータイトルにもなる予定だった楽曲であり、大事な1夜限りの1曲目に持ってきたということもあり、”ここから広がっていく”という意味で、短い曲だけど重みのある楽曲のように思います。