Mr.Children「Everything is made from a dream」の解説と歌詞考察だよ♪
打ち上げた夢の行き先は僕らの手に懸かっている
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
9th ALBUM | Q | 2000年9月27日 |
作詞:桜井和寿/作曲:Mr.Children
豆知識
Mr.Childrenが出演するBIGLOBE「Mr.Children Alternative」のCMソングだったよ♪
「Mr.Children Alternative」っていうのは『Concert Tour Q』が始まる前から行われていたプロジェクトだったな。BIGLOBE会員限定で『Concert Tour Q 専用サイト』を見ることができるキャンペーンも行われたんだぜ。
ライブでは「Mr.Children Alternative」カレンダーが無料配布されたのよ!
アルバムジャケット情報
- 撮影場所:グレートソルトレイク砂漠
- ジャケットのテーマが出来上がるまでの経緯がこちら
無菌室の中で赤ちゃんを抱いている写真があった→その無菌室の中の人が宇宙飛行士みたいに見える→宇宙飛行士が砂漠にいたらどう見えるだろう?→砂漠だったら潜水帽にした方が「Q」っぽいかな?という連想から出来上がった。
- アートディレクター:信藤三雄
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
仮タイトルは『やまびこマーチ』だった(アレンジがマーチ調)。
メンバーは本楽曲を『マーチ』と呼んでいる。
「Everything is made from a dream」は直訳すると「全ては夢から作られる」という意味。
歌詞考察
1番 Aメロ(何時間眠っても〜)
何時間眠っても疲れはとれないし
<出典>Mr.Children/Everything is made from a dream 作詞:桜井和寿
近頃は道草せず家に帰る僕だ
ハッピーな夢を見て 眠りたい
冒頭では主人公の退屈で単調な日常生活が描かれています。
どれだけ眠っても疲れがとれない。
だから今日も主人公は、仕事終わりの仲間との付き合いなどは避け、どこにも寄らずに真っ直ぐ帰宅。
最近はそんなルーティーンで日々を送る毎日です。
退屈で彩りのない日常。
ならばせめて夢の中だけでも、幸せを見つけて喜びを感じたいものです。
夢を見ること。
それがこの楽曲の鍵を握る大事なテーマです。
1番 Aメロ2(手塚マンガの〜)
手塚マンガの未来都市の実写版みたいな街だ
<出典>Mr.Children/Everything is made from a dream 作詞:桜井和寿
ハイスピードで近代化は進む でもなんとなくメランコリック
何と引き換えに 現代(いま)を手にした
ただ平凡に生きていても、世界は手塚マンガの未来都市のようにどんどん発展していく。
僕らは知らぬ間に便利な世の中を手にしています。
しかし主人公はそこになんとなく憂鬱さ(メランコリック)を感じていました。
それは街に漂う昔ながらの良さが消えていく寂しさからなのか?
自分だけが時代に取り残されているようなもどかしさからなのか?
いや、そのどちらでもなく、問題はこの街の近代化や進歩が一体何によって実現されたのか?ということ。
きっと何らかの犠牲や代償と引き換えに、実現されているのではないか?と感じているからです。
便利な世の中を手に入れた反面、何かを失ってしまっている気がしているのです。
1番 サビ(3.2.1.0.で〜)
3.2.1.0.で 打ち上げた夢は今 どこらへんを
<出典>Mr.Children/Everything is made from a dream 作詞:桜井和寿
oh oh oh Where? 飛んでんだろう
あなたには見えるかい?
人類はたくさんの夢を打ち上げながらこの世界を構築していきました。
・平和と調和
・持続可能な環境
・差別のない社会
・健康で幸福な生活
・科学と技術の進歩
など。
その打ち上げられた数々の夢は、まだまだ試行錯誤しながら空を飛んでいる途中です。
到着地点が見えるわけでもなく、自分にはどこを飛んでいるのかすら見えない。
見えないのはきっと、夢や願望は人それぞれの視点や文化によっても異なるから。
「あなたには見えるかい?」
そんな不安と憂鬱さを誰かと共感したいのです。
2番 Aメロ(ブルースリーも〜)
ブルースリーもジョンレノンもこの世から去った今
<出典>Mr.Children/Everything is made from a dream 作詞:桜井和寿
あの情熱を あの感動を遺伝子に刻もうか
そう 歌いながら 叫びながら
武道家であり、アクションスターの「ブルースリー」
音楽家であり、ビートルズのリーダーの「ジョンレノン」
彼らはそれぞれの分野で情熱と感動を生み出し、多くの人々に影響を与えた存在でした。
僕らはその彼らの功績を受け継いでいかなければならない。
今自分にできることは、歌いながら、叫びながら、自らの情熱や感動をできる限り表現し、遺伝子に刻んでいくことなのです。
そう、彼らのように大きな夢は描けなくても、情熱や感動を追求していくことは大事なのです。
2番 サビ(1.2.3.GO!で〜)
1.2.3.GO!で 打ち落とした誰かの夢 今はもう
<出典>Mr.Children/Everything is made from a dream 作詞:桜井和寿
oh oh oh 手おくれ 償えもせず
次第に慣れてった
このフレーズから後半に向け楽曲は核心に迫っていきます。
例えば国や地域、民族が互いに夢や理想を掲げ、その考えに違いがあれば何が起こるでしょうか?
争いです。
人や国は争いで多くの人の夢を打ち落としてきました。
亡くなってしまった人の夢はもう、叶えることができない。
償うことはできないのです。
そしてその過ちに対する後悔や罪悪感も次第に風化していく。
誰かが何かを望むことで、誰かの夢を奪うこともあってしまうのです。
全ての”夢”がキラキラと希望に溢れているとは限らないのです。
次に続く”語り”がこの楽曲の核心です。
Cメロ(夢、夢って〜)
夢、夢って あたかもそれが素晴らしい物のように
あたかもそれが輝かしい物のように 僕らはただ讃美してきたけれど
実際のところどうなんだろう?何十万人もの命を一瞬で奪い去った核爆弾や細菌兵器
<出典>Mr.Children/Everything is made from a dream 作詞:桜井和寿
あれだって最初は 名もない化学者の純粋で
小さな夢から始まっているんじゃないだろうか?
そして今また僕らは 僕らだけの幸福の為に
科学を武器に 生物の命までをもコントロールしようとしている
この世の全ては小さな夢から始まっている。
しかしその夢から作られた科学を武器に、僕らは生物の命までをもコントロールしようとしている。
という夢のスケールを大きくした語りです。
元々生物の歴史は小さな微生物から始まり、昆虫、恐竜、動物へと進化してきました。
もし科学の発展により生き物の住む場所が破壊されたとしたら、この命のつながりが途切れてしまいます。
そしていずれは人類の命も危機に立たされることも想定せざるを得ないでしょう。
夢というのは素晴らしい。
しかし時にはそれが争いを生むこともある。
命を奪うこともある。
そんな夢の二面生を理解しながら、僕らは進歩していかなければならないのです。
Dメロ ラスサビ(そして マーチは〜)
そして マーチは続く 遥かな未来へ
やっかいだな 夢は良くもあり 悪くもなる てな訳で
oh oh oh oh yes 僕らの手に懸ってたりして3.2.1.0.で 今こそ打ち上げよう 僕らの
<出典>Mr.Children/Everything is made from a dream 作詞:桜井和寿
oh oh oh oh 夢
everything is made from a dream
everything is made from a dream
科学の進歩は人の夢と共にマーチのように絶えず行進していきます。
「良くもあり 悪くもなる」
そんな夢の持つ複雑な性質を認識しながらも、未来への希望や夢への追求心と僕らは向き合っていかなければならない。
“3.2.1.0.”。
人は限られた時間の中で常に夢を追い求めています。
夢は人々の「想像力」であり「創造力」。
現実世界の成果や発展は全てそこから作られていて、その結末も僕らの手に懸かっているのです。
聴きどころ
メロディー
この曲は初の作曲:Mr.Children。
(『その向こうへ行こう』も同じく)
どの部分を誰が作ったかは明らかにされていませんが、おそらくメインは桜井さんで、セッションをしながら「ここはこうがいいんじゃない?」とか言いながら楽しく制作していったのかなと思います。
冒頭では「何時間眠っても」と低音域で歌が始まりますが、折り返しからはオクターブ上がり、またサビでは陽気でキャッチーなメロディーに。
メロディーパターンは少ないけど、様々な展開があることでスケールの大きな楽曲に聴こえます。
語りがあるのもMr.Childrenでは初めての試みで、とても壮大な曲という印象です。
アレンジ
仮タイトルが「やまびこマーチ」というだけあって、再生ボタンを押した瞬間に行進する衛兵が浮かんでくるようです。
と、同時にイントロから田原さんの奏でる低音域のクリーントーンのギターもクセになりますね。
ハプニングを楽しみながらレコーディングされたALBUM『Q』だからこそ生まれた楽曲であり、ミスチルの数ある楽曲の中でも唯一無二の作品なのではないでしょうか。
CD音源には、はっきりと桜井さん以外のメンバーの声が入っているのも特徴ですね。
思わず大きく手を縦に振って行進をしたくなるアレンジです。
著名人の感想
随時更新します。
ライブ&テレビ披露
ライブ
- Concert Tour Q 2000~2001
- ap bank fes ’05
- STADIUM TOUR 2011 SENSE -in the field-
オススメ映像作品
Mr.Children STADIUM TOUR 2011 SENSE -in the field-
オススメと言っていいのかは分かりませんが、東日本大震災があっての選曲であることは間違いありません。この曲を聴くことで色々と考えさせられます。
テレビ
- なし
まとめ
『Q』というアルバムはチャレンジ要素満載のアルバムです。
この曲からは特にそれを感じました。
作曲をMr.Children全員で作っていたり、マーチ調のアレンジも目新しく、何よりメンバーの語りにインパクトがあります。
歌詞に著名人が何人か出てきますが、テレビなどでその人の話題が出るとこの曲を思い浮かべたりもしますよね。
しかしこの曲はファンの間でもあまり話題にあがらない曲という印象です。
でも僕は自分の好きな曲上位に入るくらい素晴らしい曲、歌詞だなと思っています。
だからもう少し歌詞の深掘りをしていきます。
まず、映画やドラマ、アニメ、漫画とかっていうのは人の「夢」の再現みたいなものです。
例えば「DEATH NOTE」という漫画がありますが、誰かしらがそういう発想・想像をしてしまうから生まれてしまった作品かもしれません。
例えば「ドラえもん」が存在していたら、良い付き合い方だけでなく、悪用の仕方を誰もが知っています。
本来、人の夢は輝かしいもの。
しかし欲が強くなればなるほどやっかいなものになる。
でも、使い方次第ではデスノートですら良い使い方があるのかもしれない。
でも、ドラえもんが最悪な兵器になるかもしれない。
そうだからこの曲の「僕らの手に懸かってたりして」というさりげないフレーズが、とても重要だということを僕は言いたい。
3.2.1.0でなるべく正しい夢を打ち上げていく。
それが僕らの使命であると、この曲は伝えたいのだと思います。
何故”使命”とまで言えるのか?
それは、この世は「everything is made from a dream」だからです。