Mr.Children「Surrender」の解説と歌詞考察だよ♪
フラれたばかりの人、どうぞ
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
17th Single | I’LL BE | 1999年5月12日 |
9th ALBUM | Q | 2000年9月27日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿
豆知識
カップリングVer.は冒頭にドラムJENのカウントが入っているよ♪
実はこの曲、桜井さんは1年の活動休止中に作ったんだぜ。
元々シングル『I’LL BE』のカップリング予定だった『Hallelujah』が外されて、この曲を引っ張り出してきたんだって。レコーディングが決まった翌日に歌詞を書いたそうよ。
アルバムジャケット情報
- 撮影場所:グレートソルトレイク砂漠
- ジャケットのテーマが出来上がるまでの経緯がこちら
無菌室の中で赤ちゃんを抱いている写真があった→その無菌室の中の人が宇宙飛行士みたいに見える→宇宙飛行士が砂漠にいたらどう見えるだろう?→砂漠だったら潜水帽にした方が「Q」っぽいかな?という連想から出来上がった。
- アートディレクター:信藤三雄
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
仮タイトルは『孤独の旅路』だった。
「Surrender」とは直訳すると「降伏」。
作中では、君の「さよなら」という”別れの意思”に降伏するしかないという意味で使われています。
歌詞考察
1番 Aメロ(Coffeeぐらいで〜)
Coffeeぐらいで 火傷したのが
<出典>Mr.Children/Surrender作詞:桜井和寿
動揺してる 証拠なんだけど
さよならを 君が急に云うからさ
いつも通りの要領でいつも通りのペースでコーヒーを飲んでいるはずなのに、不意に慌ててしまったことで火傷を負ってしまった主人公。
勢いよくコーヒーを口に入れて舌を火傷したのか?
コップを持つ手が震えて手を火傷したのか?
とにかく主人公は今動揺しています。
その理由は…?
急な出来事だったのでしょう。
君から別れの「さよなら」を告げられたからです。
1番 Aメロ2(笑い飛ばす〜)
笑い飛ばす事ができたなら
<出典>Mr.Children/Surrender 作詞:桜井和寿
どんなにかグレイトな奴と思われるだろう?
でも 僕は違う
別れの言葉を笑い話で「了解、さよなら!」で済ませられる程、主人公の心は強くありません。
突然の「さよなら」に一度は動揺してしまいましたが、冷静さを取り戻します。
1番 サビ(もう 土壇場〜)
もう 土壇場
<出典>Mr.Children/Surrender 作詞:桜井和寿
されど もうひと押し
けれど I Surrender
分厚い積乱雲が 胸の中に立ち籠める
別れをまだ認めることの出来ない主人公は「もうひと押し」と彼女を引き止めようとしました。
「けれど I Surrender」
つまりもう”降伏”するしかないくらい、彼女の意思は堅いのです。
積乱雲とは大気の状態が不安定な気象条件で発生しやすい、画像のような形の山のように積み重なった雲のことを言います。
主人公の心はとても不安定なのです。
歌詞とは関係ありませんが「I Surrender」は「愛されんだ」とかけているそうです
2番 Aメロ(愛情なんて〜)
愛情なんて どうせイリュージョンだと
<出典>Mr.Children/Surrender 作詞:桜井和寿
訳しり顔で暮らした日々は
君が白痴に思えもしたけど
別れを受け入れた主人公。
それまでは「愛情」というものを幻影、まやかし、錯覚のように感じていました。
彼女は元々、主人公からの”愛情表現”を求めていたのです。
しかし主人公は「愛情なんて目に見えないもの、どうせ錯覚だよ…」と嘲笑うように振る舞っていたようです。
彼女はそんなリアリスティックな主人公に嫌気が差したのかもしれません。
「白痴」とは「重度の知的障害」を指し、差別用語とされることがあります
2番 サビ(もう こてんぱん〜)
もう こてんぱん
<出典>Mr.Children/Surrender 作詞:桜井和寿
ただの お人好し
もはや I Surrender
大キライなフュージョンで 泣けそうな自分が嫌 イヤ
彼女の決断に降伏するしかなく、こてんぱんにやられたような気持ちです。
本当は寂しいのに、別れを受け入れてしまった主人公。
フュージョンというのは音楽ジャンルにあたるフュージョン。
彼はそのフュージョンが大嫌いなようです。
街でふとその音楽が流れてきたのでしょう。
大嫌いなはずのフュージョンでさえ泣けてしまうくらい、悲しい気持ちでいっぱいなのです。
Cメロ(暗闇を〜)
暗闇を照らしてよ あの頃のように
<出典>Mr.Children/Surrender 作詞:桜井和寿
君無しじゃ不安定なんだよ
一切合切を無くしても 構わないと思えてたのに
そう信じれたのに
これまでは君がいたから前を向いて歩いていけた。
足元の光を照らしていたのはいつも君だった。
君に全てを捧げてもいいと思っていた。
これが主人公の心の内の全てです。
彼女が灯していた明かりは彼女自身が消し去っていったのです。
3番Aメロ(胸に無情の〜)
胸に無情の雨が降る
<出典>Mr.Children/Surrender 作詞:桜井和寿
二人で過ごした日々は 路上のチリのよう
流れて 消えて The Endさ
胸に立ち籠めていた積乱雲は、遂に雨を降らします。
「二人で過ごした日々は 路上のチリのよう」
…なんて虚しい表現なのでしょうか。
思い出はチリとなり、チリは雨に流され、消え去り、The Endです。
聴きどころ
メロディー
Cメロがとてもいいですが、全体的にコーラスやハモリもかなりこだわって作られています。
意外と気付かないかもしれませんが、Cメロのハモリがめちゃくちゃカッコイイのです。
主旋律が上から下がっていくのに対し、ハモリは下から上がっていきます。
意識して聴いてみると素敵なハーモニーを感じます。
ミスチル友達とカラオケに行き、この曲を歌われたら必ずハモリを横入れしたくなるくらい気持ちのいいフレーズです。
アレンジ
この曲は仮タイトルが『孤独の旅路』でした。
『孤独の旅路』とはニール・ヤングという洋楽アーティストの楽曲にあります。
『Surrender』のアコギアレンジや雰囲気は完全にその楽曲にインスパイアされています。
アレンジで注目すべき所は、アコギとピアノ主体でシブい通好みなアレンジになっているところ。
特にこの曲の暗さ、シブさを最大限に演出しているのはチェロです。
チェロの重低音が主人公の恋愛に対する降伏感を、聴き手に感じさせています。
スタジオライブではありますが『Split the Difference』の映像でもチェロの存在感が半端無いので、次回ご覧になる時はチェロに耳を傾けて聴いてみて下さい。
Cメロで追加される田原さんのエレキもいい味出しています。
著名人の感想
随時更新します。
ライブ&テレビ披露
ライブ
- Concert Tour Q 2000~2001
- Split the Difference(スタジオライブ)
- [(an imitation) blood orange] Tour
- Hall Tour 2016 虹(4公演のみ)
オススメ映像作品
Mr.Children[(an imitation) blood orange]Tour
田原さんが珍しくガッツリコーラスを担当しているよ♪新鮮!!
テレビ
- なし
まとめ
シブくて暗い曲です。
そして歌詞が本当に切ないですね。
失恋ソングといえば『Over』が人気もあり有名ですがそれとはまた違います。
大人の失恋ソングでいうと『渇いたkiss』もありますがそれとも違う。
この曲特有の切なさがあります。
特徴はサウンドが醸し出す雰囲気と、ストーリーのエンディング。
「路上のチリのよう」
「流れて消えて The Endさ」
別れを受け入れることを「降伏」と表現する発想が凄いです。
主人公は冒頭で「愛情なんてどうせイリュージョンだ」と思っていたとあります。
彼女と別れたことで、その愛情はイリュージョンではなく、事実ここに存在していたということに気がついたのかもしれないですね。
しかしその事実に気づいたところでもう後の祭り。
「The End」です。