Mr.Children「memories」の解説と歌詞考察だよ♪
大切な”記憶”はいつまでも心のどこかに残っている
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
20th ALBUM | 「SOUNDTRACKS」 | 2020年12月2日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿
豆知識
ギターの田原さんは「この曲は話すべきことはない。聴いてもらえれば全てがわかる」と言ってたよ。
アルバム最後の曲にふさわしい楽曲だ。
アルバムジャケット情報
- アートディレクター:常田大希 (King Gnu) 主宰「PERIMETRON」
- 木は「文明の始まり」または「時代を超えて生き続けるもの」を象徴しており、『SOUNDTRACKS』という木のもとに時代を超えて人々が聴きに集まってくる様子を示している。
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません。
タイトルについて
仮タイトルは『”TIC TAC”』。
「時計の針」という歌詞があるからと予想します。
「memories」=「思い出」
・主人公の思い出。
・Mr.Childrenがレコーディングをした思い出。
・「SOUNDTRACKS」を終わりまで聴いた思い出。
など、その”記憶”はいつまでも心のどこかに残っているという想いが込められています。
歌詞考察
1番 Aメロ(ねぇ誰か教えてよ〜)
ねぇ誰か教えてよ
<出典>Mr.Children/memories 作詞:桜井和寿
時計の針はどうして
ずっと止まっているのだろう
約束の時間の前で
主人公と君。
(※今回の考察では、主人公にとって大切な人が“亡くなった”物語として進めていきます。)
二人には果たせずにいた約束がありました。
しかし、成し遂げる為の時間はもうここに存在しません。
動かない時計の前で立ちすくむ主人公。
今はまだ受け入れることが出来ず、行き場のない想いだけがその心に残っているのです。
1番 Aメロ2(こんなにも〜)
こんなにも こんなにも
<出典>Mr.Children/memories 作詞:桜井和寿
君のことを覚えてる
いつまでも いつまでも
君のことを僕は待ってる
君との沢山の日々が記憶として刻まれています。
君を”待つ”ことで「時計の針が進むかもしれない」と小さな希望を繋げていきます。
1番 Bメロ(あの日2人で〜)
あの日2人で見た
<出典>Mr.Children/memories 作詞:桜井和寿
眩しい夢のカケラ
色褪せずに
キラキラ光ってるのに
「眩しい夢」とは「二人の約束」のこと。
夢を叶える為に積み上げてきた時間はとても幸せなものだったのでしょう。
共に紡いだ日々は輝かしく、今でも色褪せず残っています。
2番 Aメロ(ねぇ誰か教えてよ〜)
ねぇ誰か教えてよ
<出典>Mr.Children/memories 作詞:桜井和寿
夕日の色ってどうして
胸を苦しくするのだろう?
今日も僕は君を待ってる
夕日を眺め物思いにふける経験は、誰しもあるのではないでしょうか?
ただ懐かしいだけでなく、時に胸が締め付けられ苦しくもなります。
その夕日は、残酷に君との記憶を再生させる。
それでも主人公は逃げ出さず、君を待ち続けるのです。
2番 Bメロ(君が話してくれた〜)
君が話してくれた
<出典>Mr.Children/memories 作詞:桜井和寿
秘密の話はまだ
僕の胸に
そっとしまったまま
「君が話してくれた秘密は胸にしまったまま」
主人公の優しさが詰まったフレーズであり、とても切ないフレーズです。
君はその秘密を他の誰にも話すことが出来ません。
永遠に僕だけが知る秘密。
君の”秘密”は悪いものではないように感じます。
その理由は「まだ」という言葉。
いつか誰かに語れるよう、「気持ちの整理が出来たら話してもいいかな」という思いがあるのかもしれません。
Cメロ(固く目を瞑って〜)
固く目を瞑って
<出典>Mr.Children/memories 作詞:桜井和寿
今 手繰り寄せる
どこまでも美しすぎる記憶
心臓を揺らして
鐘の音が聴こえる
僕だけが幕を下ろせないストーリー
二人で描き続けてきた物語。
固く目を瞑り、自らの内側にあるものを手繰り寄せます。
そこにあるのは色褪せない「美しい記憶」でした。
どこからか聴こえてくる鐘の音は心臓を揺らし、終演を告げようとしている。
それでも、僕は幕を下ろせない。
3番 Aメロ(ねぇ誰か教えてよ〜)
ねぇ誰か教えてよ
<出典>Mr.Children/memories 作詞:桜井和寿
愛しい気持ちはどうして
こんなにも こんなにも
この心 惑わすのだろう?
いつの日も いつの日も
手繰り寄せた思い出は、愛しさがあったからこそ美しいと感じることが出来た。
でもその”愛しさ”は主人公の心を惑わし、幕が下ろせなかった。
でも主人公は固く目を瞑り、自分の中に”君がいる”ことに気がついたのです。
序盤で何度も口にした「待ってる」をもう言葉にしなくなりました。
それは僕の中で君がいつまでも生き続けているからです。
聴きどころ
メロディー
素晴らしいの一言。
メロディーの流れから歌い方まで胸の奥まで締め付けられるようです。
Aメロの「ねぇ誰か」と語りかけるような歌い出しから、Bメロの切なさ。
Cメロ(大サビ)でのオクターブユニゾンはドラマチックな展開が涙を誘います。
更に”間奏でストリングス”、”アウトロでハープ”の音色を使い、歌メロをなぞります。
それにより歌があるからだけでなく、メロディー本来の良さが伝わってくるのです。
アレンジ
Mr.Childrenには数少ない三拍子です(他のアーティストでも全然多くないですが)。
発売当初はSNSなどで「ディズニーっぽい」という感想が多かったです。
その理由は三拍子のリズムと「ねぇ誰か教えてよ」と語りかける始まりが、ディズニーミュージカルの印象を彷彿させているのかもしれませんね。
コード進行にも素敵な展開があります。
Aメロではルート音(ベース音)がどんどん下降していき、Bメロでは反対に上昇していきます。
そして大サビの(Cメロ)では王道進行です。
Aメロ:ルート音
『E♭→D→C→B♭→A♭→G→F』
Bメロ:ルート音
『B♭→B→C→F→A♭→B♭』
このようにコード進行ですら物語を感じることが出来ます。
レコーディングではピアノと歌を同時に録音されたそうです。
そこに足されたストリングスがとても綺麗で、魔法のように曲を色付けているような気がします。
アレンジも最高です。
著名人の感想
随時更新します
ライブ&テレビ披露
ライブ
- なし
オススメ映像作品
なし
現在映像収録作品はございません
※2020年にYouTubeにて公開された「Memories Sessions」での演奏はございます。(期間限定)
テレビ
なし
まとめ
桜井さんはこの曲に関して「企画もので、名前もMr.Childrenでもないし、桜井和寿でもないし、楽曲だけ提供するみたいな気持ちで作ったもの」と話しています。
新たな表現の仕方を見せてもらえた感覚がとてもありますね。
個人的にはMr.Childrenの作品の中でBEST5のどこかには必ず入っている楽曲です。
歌詞もメロディーもアレンジも全部好きです。
一つ具体的に言うと、「終わり」というテーマをこんなにも美しく描いているところ。
例えば一冊の本を読み終えページを閉じた時、その物語は幕を下ろします。
でも自分の中にはまだ余韻があり、素敵なお話の記憶が残っています。
素敵な物語であればあるほど、すぐに次の本を手に取ろうとは思いません。
それは自分だけが幕を下ろせていないからです。
この曲の主人公が幕を下ろせなかったのは、君との日々がそれだけ素晴らしいものだったということ。
「終わり」を描いていても決してネガティブな楽曲ではないのです。
それがこの曲の歌詞の秀逸さだと僕は思います。
きっとMr.Childrenが解散をした時は、本を読み終えた感覚、大切な人と別れた感情と同じだと思います。
その時には、「美しすぎる記憶」を手繰り寄せて、噛み締めたいと思います。