Mr.Children「クラスメイト」の解説と歌詞考察だよ♪
クラスメイトとの再会で、恋に落ちた…
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
4th ALBUM | Atomic Heart | 1994年9月1日 |
7th Single | everybody goes -秩序のない現代にドロップキック- | 1994年12月12日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿
豆知識
特になし!
アルバムジャケット情報
- ブルーのアイデアを出したのは桜井さん
- 全面ブルーを提案したのは信藤さん
- 上記の流れで小林さんが賛同して今の形に至る
- 「アトミックなハートはこんな色のブルーかもしれないな」と信藤さんは語っている
- アートディレクター:信藤三雄
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
仮タイトルは『女子供の a long time ago』(スイートで感傷的なイメージだった故についた)。
「女子供」という表現に深い意味はない。
昔のクラスメイトとの再会を描いています。
しかし…ただの再会ではなかったのです。
歌詞考察
1番 Aメロ(多忙な〜)
多忙な仕事あってこそ優雅な生活
<出典>Mr.Children/クラスメイト 作詞:桜井和寿
なのにやりきれぬ oh sunday morning
愛を語らい合って過ごしたいけれど
悩める事情にさいなまれ
主人公は社会人。
仕事面ではある程度充実しているのでしょう。
多忙な毎日を幸せだと感じることができています。
しかし休日、日曜日の朝。
彼はやりきれない気持ちを抱えているようです。
主人公は友人や同僚と恋愛について話し合いたい。
でも人と恋話をするとなると、少し距離を置いてしまいます。
その理由は、悩める事情があるからなのです。
1番 Bメロ(陽は傾き〜)
陽は傾き街は3時
<出典>Mr.Children/クラスメイト 作詞:桜井和寿
少し遅い君とのランチ
後ろめたさで 微かに笑顔が沈んじゃうのは
仕方がないけれど
彼女とのデート。
少し遅いお昼3時のランチです。
“3時”という時間にどこか違和感を感じます。
どうしてこの時間に約束をしたのでしょうか?
それは人の少ない時間帯を選んでいるから。
そう、主人公の悩める事情の原因は、その彼女との関係にあります。
このデートには後めたい何かがあり、その後ろめたさのせいで素直に楽しめない。
純粋に笑顔で接することができずにいるのです。
1番 サビ(3ヵ月〜)
3ヵ月前の再会から 思ってもない様な急転回
<出典>Mr.Children/クラスメイト 作詞:桜井和寿
今じゃ もっと彼女に恋をして
もう 振り出しに戻れるわけない
「ただのクラスメイト」
そう 呼び合えたあの頃は a long time ago
彼女との関係はいつかのクラスメイトでした。
再会したのは3ヵ月前。
主人公はその女性との再会の場で急展開、つまり一夜を共にしてしまったのです。
それ以降、今では更に彼女を好きになってしまった。
もう「ただのクラスメイト」と思えたあの頃とは違う関係になってしまったのです。
2番 Aメロ(何度も〜)
何度も話し合って決めたルールでも
<出典>Mr.Children/クラスメイト 作詞:桜井和寿
このままじゃ彼女 かわいそうさ
二人の間でルールを決めました。
「3時」という不自然な時間のランチがあったように、”二人で会う時間”もルールの一つかもしれません。
ただ、会うことにルールを課してしまうことで、余計に後ろめたさが増してしまう。
しかし何故そんなにもルールを決めなければいけないのか?
次でその理由が分かります。
2番 Bメロ(もう時期〜)
もう時期来る君のBirthday
<出典>Mr.Children/クラスメイト 作詞:桜井和寿
迷わず僕だけを選んで
ごめんよ いつも困らすばかりで
しばらくは彼の話はやめとこう
もうすぐ彼女の誕生日。
大事な一日を彼女は僕と過ごすことを選んでくれました。
(主人公が「僕を選んで!」と頼み込んだ)
そしてここで”悩める事情”が明らかになります。
「しばらくは彼の話はやめとこう」
そうです彼女には既に彼氏がいたのです…。
せっかく僕を選んでくれた誕生日。
「彼には内緒なの?」など聞いたりはせず、空気を悪くしないように主人公は気を遣います。
2番 サビ(君といれば〜)
君といれば他のどんなものも ささいな事に思えてくる
<出典>Mr.Children/クラスメイト 作詞:桜井和寿
今までのキャリアもわかるけど
ねぇ 何もかも委ねてくれないか
寂しげな街の灯が消えぬ間に I wanna hold you again
主人公は彼女と一緒にいることが本当に幸せなようです。
彼氏がいるのにも関わらず「何もかも委ねてくれないか」と、どうしても君と上手くやっていきたい。
仮にそれが無理なことだとしても、街の灯りが消え夜になってしまう前に「I wanna hold you again」→「君をまた抱きしめたい」
彼女にその気がないとしても、もう一度君と夜を過ごしたい。
主人公は彼女を帰すつもりはないようです。
3番 Aメロ(明け方の〜)
明け方の歩道「じゃね またね」と彼女
<出典>Mr.Children/クラスメイト 作詞:桜井和寿
走り去るTAXI
マンションのベランダに立って手を振る僕
たまらなく寂しい
結局二人は再び夜を共にしてしまいました。
「またね」
この言葉に嬉しい気持ちはあったのでしょう。
タクシーに乗り込んだ彼女をマンションのベランダで見送りながら、やはり罪悪感を感じてしまう主人公。
「たまらなく寂しい」という想いには、ただ一夜の終わりが名残惜しいのではなく、これから彼女は彼氏とも会うのだろうか?
僕は浮気相手としてやっていくしかないのだろうか?
そんな様々な寂しい想いが込められているように思います。
3番 Aメロ2(そして〜)
そして 今日も街は動き出す
<出典>Mr.Children/クラスメイト 作詞:桜井和寿
行き交う人並み
from sunday night to monday morning
彼女を見送り、いつも通りの多忙な毎日が始まる。
そんな月曜の朝…。
聴きどころ
メロディー
元々はシングル候補だったということもあり、かなり完成し切ったメロディーラインかと思います。
その中でも、Aメロのド頭のメロディーフレーズに注目です。
そのフレーズは8小節が全編通して6回あります。
- 多忙な仕事あってこそ優雅な生活
- 愛を語らい合って過ごしたいけれど
- 何度も話し合って決めたルールでも
- 明け方の歩道「じゃね またね」と彼女
- マンションのベランダに立って手を振る僕
- そして 今日も街は動き出す
注目ポイントは「1」の「多忙な〜優雅な暮らし」だけ歌にフェイクを入れています。
通常フェイクを入れる場合、2回目、3回目以降のメロで入れることが多いように思いますが、それを初っ端から入れてくるところがとてもお洒落です。
アレンジ
構成がMr.Childrenには珍しいパターンかと思います。
それは間奏からのAメロ転調。
サビがとても良いのでもう一度サビが欲しくなってしまう気持ちが僕はあります。
しかしこの構成が”最適だった”のでしょう。
個人的には結構不思議な構成だなと思いました。
かつこの曲は歌が完全終始で終わりません。
(※そういった曲は沢山ありますが、物語と繋がるので取り上げます)
例えば、ドレミファソラシドは「ド」で始まり「ド」で終わります。
ほとんどの楽曲はこれで完結させるのがセオリーとしてあるのですが、この曲は例えるならドレミファソラシで終わります。
つまり曲として完結していないのです。
それに加えフェードアウトして曲が終わる。
ですのでモヤモヤが残ってしまうアレンジになっていますが、その意図としては「まだ物語は続いていく」ということではないかと解釈しております。
著名人の感想
この曲を聴いたとき「これ、俺の歌じゃないか!」って思ったんですよね。自分が主人公のドラマがあったとしたら、主題歌はコレだなって(笑)。
キュウソネコカミ:ヨコタシンノスケ
ライブ&テレビ披露
ライブ
- ’94 tour innocent world
- ’95 Tour Atomic Heart
- Father & Mother SPECIAL LIVE Q
- Concert Tour Q 2000~2001
- 昭和女子大学 学園祭
- Hall Tour 2016 虹
- Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ
オススメ映像作品
Mr.Children Concert Tour Q 2000~2001
Qツアーの『Heavenly kiss』→『クラスメイト』の流れがめちゃくちゃカッコイイのと、終わり方がすごくいいので注目してご覧ください♪
テレビ
- なし
まとめ
クラスメイトという青春や純粋さを連想するタイトルを、浮気の曲につけるという相反する発想が桜井さんらしいなと思います。
複雑な恋愛事情をとても具体的に描き、素敵なメロディーに対し思い切ったストーリーを乗せてくる桜井さん。
しかしこういう思い切った浮気ソングをシングルではあまり見られませんが、アルバム曲を漁ると本当に多いです。
アルバム曲だからこそ、こういう内容が書けるというのもあるのかもしれませんが、
「相手がクラスメイト」であったり「一緒にUFOを見たり」
「虜となって天国昇ったり」とシチュエーションが豊富過ぎて、一人の人間がよくここまでそのシチュエーション毎に、心情まで的確に書けるなぁと、本当にその想像力にいつも脱帽してしまいます。
メロディーがいいので、内容どうこうより良い曲には変わりないということは事実ですね。