【ポケット カスタネット】完全解説+歌詞の意味/Mr.Children

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チルカン
チルカン

Mr.Children「ポケット カスタネット」の解説と歌詞考察だよ♪

ポイント

絆の移り変わりと、それでも変わらない愛

楽曲紹介

楽曲収録CD

概要収録作品発売日
13th ALBUMHOME2007年3月14日

作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿/編曲:小林武史&Mr.Children
アルバム『HOME』累計売上:120.7万枚

豆知識

チル鶏
チル鶏

Salyuがコーラスで参加しているみたいだよ!

チル鶏ブラック
チル鶏ブラック

JENは「Salyuのファルセットボイスが讃美歌のような雰囲気を作ってくれた1」とコメントしていたぜ。

チル鶏子
チル鶏子

コーラス部分は映画『コーラス』を観てイメージが浮かんだって桜井さんが言ってたわ。2

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チルカン
チルカン

教会の中で子どもたちが歌うような、そういうイメージで書いたんだってさ!3

アルバムジャケット情報

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  • 撮影場所:ハワイ「マウイ島」
  • 正月に撮影された
  • アートディレクター:森本千絵
  • 桜井さんより「人間の体の7割は水でできているくらい当たり前のことを新しく表現してください」とメッセージを受け制作された
  • 登場しているのは全て本物の家族
  • 制作にあたり森本さんは「誰かが1人でも欠けてたら私が生まれていないことに気づいて、それを形にしたいです」と提案した
ジャケット情報はこちらのYouTube動画より引用

MV(ミュージックビデオ)情報

撮影場所

なし

ミュージックビデオはございません

タイトルについて

『ポケット カスタネット』
タイトルの意味を考えた時に、これは歌詞の「ポケット」と「カスタネット」をただ並べただけなのだろうか?と発売から数年、疑問に思っていました。
しかしその後『TOUR 2011 “SENSE”』での演奏時、スクリーンに登場する少年がポケットに入るサイズの小さな時計を手にするシーンで、謎が解けました。

『ポケット カスタネット』とは『懐中時計』のことではないでしょうか。

また、桜井さんはこの曲についてのインタビューでこのようなことを語っていました。

「この曲が(HOMEの)クライマックスであり、『HOME』のムードを伝えてるかとか、Mr.Childrenっていう名前もそうだけど、全部、物語を繋げていって、語れるけど、きっとすごい安っぽいからやめます…」

「『HOME』のムード」「Mr.Childrenっていう名前」これらのコメントから、この曲は子供の成長と親子の絆を描いているのではないかと僕は解釈しています。

歌詞考察

1番 Aメロ(ポケットに〜)

ポケットに君のメロディー いつも持ち歩いている生き物
それが僕です そっと祈るように響かせる 体中に

<出典>Mr.Children/ポケット カスタネット 作詞:桜井和寿

“ポケット”は「心」のメタファーであり、“メロディー”は「君との想い出」を指していると考えられます。

君と過ごす日々をいつも胸に刻みながら毎日を生きている。
祈るように慈しみながら想いを込めて、君との時間を噛み締めている。
それが「僕」です。
というフレーズとなっています。

1番 Aメロ2(例えば〜)

例えばカスタネットで簡単なリズム 奏でている
それが君です 気まぐれに生真面目に僕を導いてゆく

<出典>Mr.Children/ポケット カスタネット 作詞:桜井和寿

“カスタネット”で奏でる「簡単なリズム」とは、時計の針が刻む音、つまり「時の流れ」を意味しています。

時に速く、時にはゆっくりと感じられる時間の中で、「君」も時には無邪気で気まぐれに、時に真面目で純粋に今日もリズムを刻んでいる。
そのリズムに「想い出」という名の“メロディー”が乗っかり、「僕」を導くように心の中で響き渡っているのです。

ここまでの「時の流れ」とは「成長」を意味しており、僕という「親」にとって、君という「子」が、かけがえのない存在であることを表現していると考えます。

1番 サビ(つないだ手が〜)

つないだ手が語りかける 声になる前の優しい言葉
裏表のない次元でゆっくりと今 呼吸している

<出典>Mr.Children/ポケット カスタネット 作詞:桜井和寿

言葉を交わさなくても、手をつなぐだけで伝わる愛情と安心感。
それが“声になる前の優しい言葉”です。

幼い頃の子どもは、言葉で気持ちを伝えられなくても、手のぬくもりやしぐさを通じて、親へと無意識に語りかける。

「裏表のない次元」は、純粋な親子のつながりを表しているのではないでしょうか。
その優しさや温もりは「今」確かに僕の心の中で息づいているのです。

2番 Aメロ(お天気が〜)

お天気がすぐれない日は君の心にある雨雲を
取り除いて太陽を差し出せる存在そうありたい

<出典>Mr.Children/ポケット カスタネット 作詞:桜井和寿

「お天気」は「心の状態」を表しています。

大切な人であればあるほど、その心の変化を敏感に感じ取ってしまうもの。
悲しんでいる時や落ち込んでいる時は、当たり前にそれを取り除いてあげたいと思うものです。

遠く離れても、直接手を差し伸べられなくなっても、親は変わらずいつの日も太陽のように、子どもを支え続けている。

いつかそんな日が来ても、ずっと「そうありたい」と願う主人公。

2番 サビ(靴を汚し〜)

靴を汚し 踵減らし 歩いてゆく長い凸凹道
季節ごとに咲いた花の香りを僕ら踏みしめてく

<出典>Mr.Children/ポケット カスタネット 作詞:桜井和寿

人生の道のりは決して平坦ではなく、転びながらも前に進み、たくさんの経験をしながら人は成長していく。
「季節ごとに咲いた花の香り」は、その時々の発見や感動であり、またその香りが想い出となることを表現しているのではないでしょうか。

さて、ここから曲調が一転します。
時の流れを早送りするかのように加速するのです。
まるで大人になるにつれて“あっという間に人生は過ぎていく”ということを表現しているかのように。

最後のサビのフレーズは、成長後を描いていると仮定します。
にもかかわらず、これまでと全く同じ歌詞を歌っているということにも注目です。

ラスサビ(つないだ手が〜)

つないだ手が語りかける 声になる前の優しい言葉
裏表のない次元でゆっくりと今 呼吸している

靴を汚し 踵減らし 歩いてゆく長い凸凹道
季節ごとに咲いた花の香りを僕ら踏みしめてく

<出典>Mr.Children/ポケット カスタネット 作詞:桜井和寿

「つないだ手が語りかける声になる前の優しい言葉」
幼い頃につないでいたその手は、大人になるにつれて離れていく。
それでも、これまで共に過ごした想い出という名の“心のつながり”は変わらない。
もう“言葉にしなくても”君は頑張って生きている。
かつては手を引かれて歩いていた子も、今は自分の足で力強く歩んでいます。

「裏表のない次元でゆっくりと今呼吸している」
その関係は表裏一体。
切っても切れないもの。

「靴を汚し踵減らし歩いてゆく長い凸凹道」
小さい頃は、誰もが親の背中をついていくものです。
しかし成長した今では、親も子も対等にそれぞれの道を歩いている。
子が今まさに人生の中盤に差し掛かり、靴を汚しながら未来へ向かっているならば、年老いていく親は命を削りながらも、その人生を全うしている。

「季節ごとに咲いた花の香りを僕ら踏みしめてく」
時計の針が進むように、それぞれの時間も前に進む。
過ごした時間の中で、喜びや悲しみ、さまざまな出来事がありました。

「君」は今この瞬間を歩きながら季節を巡り、「僕」はこれまでの時間を噛み締めながら季節を振り返る。
「君」がいつかまた逆の目線で親の手を握り返す瞬間、きっと昔と変わらない“声になる前の優しい言葉”を感じることでしょう。

四季の花のように、時代も二人の関係も変化していくけど、その香り(想い出)は確かにそこにある。

この曲は、親子の絆の移り変わりと、それでも変わらない愛を描いた歌であると僕は思いました。

聴きどころ

メロディー

Aメロとサビのみのシンプルな構成。
しかし桜井さんは歌入れにとても苦労したそうです。
桜井「結構やり直しましたね。(HOMEで)一番難しいです。素朴に歌うことと、あまりビブラートをかけるような曲ではないので、音の跳躍が、“君のメロディー~♪”のところとか、幅があるので低いところから高いところまでのピッチをとるのもすごく難しかった。4」と語っていました。

また、Salyuのコーラスもこの曲の聴きどころですが、そのきっかけをこのように語っています。
桜井「元々、変声期を迎えてないような少年がファルセットで歌ってるって言うのがイメージとしてあって。それを僕が頑張って歌ったんですけど、どうしても無理がありまして。5
という理由で「Salyuならイメージ通りだ」と思ってお願いしたそうです。

巧みなファルセットが印象的なメロディーですね。

アレンジ

  • 原曲Key=D(間奏:F)
  • BPM(テンポ)70

前半と後半の曲調の違いが鳥肌もののアレンジ。

前半は打ち込みを使った電子的な演奏で、実際に歌詞にあるようにカスタネットの音が入っているのもポイント。
ちなみにそのカスタネットは全然“簡単なリズム”じゃないです(笑)

そして雰囲気がカオス化する間奏からの倍テン(倍のテンポ)。
アルバムを通して聴いた時に感じる、どことなく既視感のある演奏。
そう、キーは違いますが、アルバム1曲目の『叫び 祈り』がそのまま挿入されたようなアレンジに驚きます。

そのままどんどん激しくなり、まるでドラマの走馬灯のシーンで使われそうな、疾走感のあるラスサビへ。

この構成について桜井さんはこう解説しました。
桜井「もともとはすごくピュアなメロディで、教会の中で子どもたちが歌うような、そういうイメージで書いていて、でもその子どもたちの汚れない想いみたいなのが社会に出て行って、いろんなものに巻き込まれて、スピードにのみ込まれて、でもそれでもそのピュアな想いは流れ続けるみたいなことを、音楽の中でやりたかった曲なんですよね。アレンジが展開していくところとかでその時間の流れとかを表していて、その旨を小林さんに伝えて、みんなでアレンジをしていった。6
この解説を聞くと、歌詞の筋も通った感じがします。
素晴らしいアレンジでした。

著名人の感想

随時更新します

ライブ&テレビ披露

ライブ

オススメ映像作品

Mr.Children DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25

過去のライブではスクリーン映像にも強いメッセージが込められたパフォーマンスでしたが、本作ではそれがなくなり壮大な演奏だけに浸れます。
どっちが良いかは好みですね。

テレビ

なし

まとめ

この曲を聴くうえでまず知っておくべきことは、アルバム『HOME』収録の『叫び 祈り』と対になっている曲ということ。

『叫び 祈り』の歌が“叫び”を表現しているとするならば、讃美歌のようなこの曲が“祈り”にあたるのではないでしょうか。
また、静かに始まる曲の前半を“祈り”とし、激しく展開する後半を“叫び”と捉えれば、『ポケット カスタネット』そのものも“叫び 祈り”であると考えることもできます。

アルバムを通してこの曲を初めて聴いた時、まず最初のサビへ差し掛かったところで「何て綺麗な曲なんだろう」と心を奪われていた。
すると間奏からの急展開。
聴き覚えのある演奏(叫び 祈り)のせいもあってか、これがアルバムのクライマックスかと思わされるような構成に圧倒されました。

歌詞はどちらかといえば抽象的だが、でも聴けば聴くほど涙腺にくる。
ただ、桜井さんは雑誌のインタビューで「正直自分でも何について歌っているのかさっぱり分からなくて(笑)7」などと言う。

天才ですか?いや、そうです。
そんな曲です。

アルバム『HOME』の制作時、桜井さんは歌詞がなくてもいいような二つの曲を用意していました。
一つは1曲目に収録されてた『叫び 祈り』。
もう一つが、この『ポケット カスタネット』です。

桜井「言葉がなくても成立するものを二つ同時にイメージしてたんです。その一つはものすごく叫んでいるもの。そしてもう一つは変声期を迎えてないような少年がキレイな声でラララと歌っていて、それだけで十分伝えられるようなもの。8

個人的な話になりますが、僕は新しい曲を初めて聴く時は歌詞を見ません
メロディーや音から感じる音楽そのもののファーストインプレッションを大事にしたいからです。

そういう意味でこの曲のメロディーとアレンジの破壊力は凄まじく、歌詞がなくても成立するような表現力に圧倒されます。
現に1番、2番のサビとラスサビは同じメロディーで同じ歌詞なのにこれほどまでに感じ方が違う
それがこの曲の魅力ですね。

小さい頃からどれだけ時が流れても、僕のポケットの中にあるのは「君(ミスチル)のメロディー」。
そして人生という長い道のりで、いつの日もこの「胸ポケット」という名の心の中で愛や希望を歌ってくれています。

もちろん皆さんのポケットにも。

YouTube版楽曲解説
  1. CDでーた 2007年4月号 ↩︎
  2. LuckyRaccoon vol.21 ↩︎
  3. 別冊カドカワ 総力特集Mr.Children 2007年 ↩︎
  4. LuckyRaccoon vol.21 ↩︎
  5. WHAT’s IN? 2007年4月号 ↩︎
  6. 別冊カドカワ 総力特集Mr.Children 2007年 ↩︎
  7. LuckyRaccoon vol.21 ↩︎
  8. 別冊カドカワ 総力特集Mr.Children 2007年 ↩︎
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