【車の中でかくれてキスをしよう】完全解説＋歌詞の意味／Mr.Children

楽曲紹介

楽曲収録CD

概要	収録作品	発売日
2nd ALBUM	Kind of Love	1992年12月1日

作詞：桜井和寿／作曲：桜井和寿

豆知識

アルバムジャケット情報

• 真ん中の帽子を持っているのはJENの手
• 「What a Kind of Love Do You Like?」は信藤さんが足したもの
• アートディレクター：信藤三雄率いるContemporary Production

MV（ミュージックビデオ）情報

ミュージックビデオはございません

タイトルについて

イギリスのバンド「フェアーグラウンド・アトラクション」のALBUM『ファースト・キッス』のジャケット（下記画像）にインスパイアされて制作。

歌詞考察

1番 Aメロ（もう二人は〜）

もう二人は 子供じゃない だけど
いたずらに ただ 傷ついてくだけ
抱きしめても すり抜けてゆく君の
その心を 閉じ込めていたい

<出典>Mr.Children/車の中でかくれてキスをしよう 作詞：桜井和寿

物語の二人は車に乗り、同じ時を過ごせる年齢です。
つまり18歳以上。
主人公はそれなりに恋のノウハウも分かってはいるのに、心が傷ついてしまいます。
どうして傷ついてしまうのか？
大好きな君を抱きしめても、どこか拒まれているような気がしたからです。

二人はどういった関係なのでしょうか？
次のセクションでその関係性が見えてきます。

1番 サビ（車の中で〜）

車の中でかくれてキスをしよう
誰にも 見つからないように
君は泣いてるの？ それとも笑ってるの？
細い肩が震えてる

<出典>Mr.Children/車の中でかくれてキスをしよう 作詞：桜井和寿

主人公は突然「かくれてキスをしよう」と求めます。
それに対し君は肩を震わせた。

“震える肩”に気づいた主人公は「泣いてるの？」「笑ってるの？」と君の反応を探っています。
君が顔を上げられず震えてしまうのは、恐らくこれが主人公との初めてのキスだから。
不安に思いながらの緊張状態であることが分かります。

つまり二人は、まだ付き合う前の関係であることが推測されます。

付き合う前からキスを求めてしまうのは男性に多い傾向。
君との関係をもう一歩深めたいという想いです。
それを「今の段階で受け入れていいのかな？」と君は少し躊躇しているのです。

2番 Aメロ（友達に君を〜）

誰もいない 月の浮かぶプールに
忍びこんで 波をたてる君
震えている 青ざめた唇を
僕に見せて 笑いころげてる

<出典>Mr.Children/車の中でかくれてキスをしよう 作詞：桜井和寿

誰もいない夜のプールへ場面が変わります。
忍びこめるプールで思い浮かぶ場所は学校です。

この描写は一つの青春。

はしゃぐ君がとても愛おしい。
少し危うさのあるシチュエーションにより「かくれてキス」という衝動に突き動かされたのです。

2番 サビ（車の中で〜）

車の中でかくれてキスをしよう
誰にも 見つからないように
疲れ果てたまま 眠りについた君を
いつまでも 見守ってる

<出典>Mr.Children/車の中でかくれてキスをしよう 作詞：桜井和寿

はしゃぎ疲れた君が助手席で眠りにつきます。
安心してくれていることが、主人公はとても嬉しかったでしょう。

起こさないように君を見守っています。

ラスサビ（車の中で〜）

車の中でかくれてキスをしよう
誰にも 見つからないように
君は泣いてるの？ それとも笑ってるの？
細い肩が震えてる

<出典>Mr.Children/車の中でかくれてキスをしよう 作詞：桜井和寿

二人はキスを交わしたのか？まだ交わしていないのか？
そこは描かれていません。
でも君が安心して眠りについたのであれば、彼は彼女の喜ぶ選択をしたのでしょう。

聴きどころ

メロディー

この曲はサビのメロディーと歌詞が最初に出来て、そこから膨らませていったそうです。
“泣きメロ”と言ってもいいくらい胸にグッときます。

何より歌い方がとても良い。
わざと声を裏返したテイクを採用していたり、溜めて歌い上げるところがあったりで、涙を誘います。
単調が故の良さがあります。

アレンジ

この曲は「アコギ」「ピアノ」「オルガン」で構成されてますが、レコーディングではオルガン以外は歌を含め「せーの」で録ったそうです。
アコギのスライド音がリアルに入っていたり、生感があるのはその為かと思います。

ギターは基本的にアルペジオを弾いています。
2番サビ前のブレイクでカッティングが入り、それがとてもカッコ良いです。

そういったアレンジの変化というのは試聴維持率を伸ばす為には必要です。
実際に1番と2番で変化があると嬉しいですよね。

著名人の感想

とてもロマンティックな曲で、桜井さんの内向的なとこが、ちゃんと表れている曲ですね。
そういう内向性って、ある種インテリジェンスだと思います。

井上陽水

ライブ&テレビ披露

ライブ

• アマチュア時代（様々なイベントやライブハウスにて）
• ’92 Your EVERYTHING TOUR
• ’92-93 Kind of Love TOUR
• ’94 Special Concert
• ’94 tour innocent world
• REGRESS OR PROGRESS
• CONCERT TOUR POPSAURUS 2001
• Tour 2009 ～終末のコンフィデンスソングス～
• RADWIMPS 10th ANNIVERSARY – RADWIMPSの胎盤
• Hall Tour 2016 虹（2公演のみ）
• DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25

オススメ映像作品

Mr.Children Tour 2009～終末のコンフィデンスソングス～

テレビ

なし

まとめ

この楽曲はアマチュア時代から演奏されている作品です。

アルバム発売後の雑誌で桜井さんは、このように解説しております。
「ちょっと感受性の強い子を主人公にしてみようってことで。映画の『ベティ・ブルー』みたいな女の子を登場させようかなと考えたんです。2番の歌詞をけっこう危ない感じにしたかったんだけど」

これはアマチュア時代の同曲の歌詞に反映されています。
以下「車の中でかくれてキスをしよう（アマチュアVer.）」
※赤文字が原曲と違う箇所です。

もう二人は 子供じゃない だけど
こんな恋は 許されない
夜の内に 静かに抜け出そう
映画で見た あの二人のように

車の中でかくれてキスをしよう
誰にも 見つからないように
君は泣いてるの？ それとも笑ってるの？
細い肩が震えてる

もう誰にも邪魔されない ずっと君を抱いていたい

長い髪を 振りほどいて 君は
夜の海へ 入っていく
君の胸に 光る銀の雫が
どうか涙で ありませんように

車の中でかくれてキスをしよう
誰にも 見つからないように
君は泣いてるの？ それとも笑ってるの？
細い肩が震えている

もうこの手を離さないで 君がそっとつぶやいている

<出典>Mr.Children/車の中でかくれてキスをしよう（アマチュアVer.） 作詞：桜井和寿

1番Aメロの「こんな恋は 許されない 夜の内に 静かに抜け出そう 映画で見た あの二人のように」は、まさにベティ・ブルーのことを歌っています。
更に2番の「長い髪を 振りほどいて 君は 夜の海へ入っていく」
同映画でベティはとあることがきっかけで精神状態が悪くなり、自分の右目をえぐってしまいます。
「夜の海へ入っていく」という歌詞は、深読みすれば”そういうこと”なのかもしれません。

もし上記の歌詞も踏まえて考察すると、全然違った解釈になりますね。
シンプルなようで様々な解釈のできる楽曲の一つかと思います。

アルバム曲でありながら根強く人気で、多くの方がカバーされています。
ここまで定番曲になるとはMr.Children達も思ってはいなかったのではないでしょうか。