【手紙】完全解説+歌詞の意味/Mr.Children

深海
チルカン
チルカン

Mr.Children「手紙」の解説と歌詞考察だよ♪

ポイント

深海物語の始まりであり、終わりである

楽曲紹介

楽曲収録CD

概要収録作品発売日
5th ALBUM深海1996年6月24日

作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿/編曲:小林武史&Mr.Children
アルバム『深海』累計売上:274.5万枚

豆知識

チル鶏
チル鶏

歌詞について桜井さんは、“別れをモチーフにしたもの” “山口百恵さんなどが歌いそうなイメージ” “メロディーと一緒に浮かんできた「遠い夏を越えて」というフレーズ”をつなぎ合わせたらこうなったと解説していたよ。1

チル鶏ブラック
チル鶏ブラック

アルバム『深海』の中で一番初めに歌詞を書いた楽曲なんだぜ。2

チル鶏子
チル鶏子

切ないけど、とても綺麗な楽曲よね♪

アルバムジャケット情報

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  • 撮影場所はスタジオ
  • 椅子は「アンディー・ウォーホル:電気椅子」をイメージ
  • 椅子の上の光は水槽に乳褐色の入浴剤を入れ表現している
  • アートディレクター:信藤三雄

桜井「蒼い部屋に椅子がぽんと置いてあって、薄気味悪い影がある。そこにはかつて誰かが座っていたのかもしれないけど、今そこには影しかない。でも、いないのに椅子がぽつんと置いてある不自然さがあって、そして、再びその椅子にまた誰かが座るのかもしれない」

MV(ミュージックビデオ)情報

撮影場所

なし

ミュージックビデオはございません

タイトルについて

仮タイトルは『別れ』だった。3

『深海』発売時のインタビューで桜井さんは「『手紙』を書いたときに、男と女の表面的な別れの歌で始まって、どんどん奥に入っていこうっていうようなアイデアが思いついた。」とコメント。

たった11行に綴られた言葉が名作『深海』を生み出したのです。
これは切ない物語の始まりであり、終わりでもある。

歌詞考察

Aメロ(過ぎ去りし〜)

過ぎ去りしあなたへ 想い出のあなたへ
かけがえのないものに気付きゆくこの頃です

<出典>Mr.Children/手紙 作詞:桜井和寿

失って初めて“あなた”の存在の大きさに気付いた主人公の気持ちが綴られています。

「過ぎ去りし」と「想い出の」という二つの表現により、時間的にも心情的にも、遠く届かぬ場所に行ってしまったことが伝わってきますね。

Aメロ2(ささいな〜)

ささいな事に情熱をぶつけ傷つけ合って
それさえも微笑みに変わります 今ならば

<出典>Mr.Children/手紙 作詞:桜井和寿

過去を振り返る主人公。

どうでもいいようなことで本気で喧嘩して、互いに傷つけ合っていた。
でも今は、楽しかった想い出だけじゃなく、「それさえも」とあるように、傷つけ合ったことすらも微笑みに変えられるくらい、全部ひっくるめて肯定できるようになっている。

あなたと過ごした日々の全てが、かけがえのない時間だった。
そんな想いが綴られています。

Bメロ(遠い夏〜)

遠い夏を越えて 秋を過ぎて
あなたの事を想うよ
今でも会いたくて 寂しすぎて
愚かな自分を恨みもするけど

<出典>Mr.Children/シーラカンス 作詞:桜井和寿

季節が移り行き、長い時間が経過してもまだ“あなた”の事を考えてしまう。

今でも会いたい、今でも寂しい。

自分を責めてもどうにもできず、受け入れたはずの別れに心が追いついていないことを綴っています。

Aメロ3(過ぎ去りし〜)

過ぎ去りしあなたへ 想い出のあなたへ
今じゃ別の誰かの胸に眠るはずだよね
花ゆれる春なのに

<出典>Mr.Children/手紙 作詞:桜井和寿

最後に冒頭と同じ一文を添える主人公。
ただ、意味は少し変わっているようにも感じます。

冒頭では少し未練が残っているように聞こえますが、最後はこの恋を完結させようとする諦めの想いが込められているかのよう。

「あなたはもう自分のものではない」
「きっと別の誰かに大切にされているのだろう」
そう受け入れるしかなく、“春”という始まりや出会いの季節に、主人公はひとり取り残されている。
きっとこの“手紙”は、あなたに届くことのない最後のラブレターだったのでしょう。

最後のフレーズ「花ゆれる」の「」はとても重要な言葉となっています。
それについてはまとめの項目で解説します。

聴きどころ

メロディー

Mr.Childrenの楽曲で、“美しい旋律”といえばこの曲を浮かべる人も多いのではないでしょうか。
この曲は“美しい旋律”の代名詞とも言われるショパンの『別れの曲』にインスパイアされています。

それは1995年、桑田佳祐 & Mr.Childrenとしてのライブイベント『LIVE UFO ’95 “Acoustic Revolution with Orchestra” 奇跡の地球』が終了して間もない頃の話4

桜井「僕、今でもよく行く公園があって、そこで高校の頃とかデートしてたんですが、夕方五時頃になるとスピーカーから必ずショパンの『別れ』というピアノ練習曲が流れるんです。その頃から”いい曲だなぁ”とか思ってて、ある時ふとそのメロディを思い出した。その公園に実際に行ってみた。そのメロディ聴いて、そこから車で家に帰ってくる途中、思い浮かんだのがこの曲です。でもテープレコーダーを持ってなかったから、途中で車降りて公衆電話から自宅の留守電にAメロを吹き込んだ。再び車を走らせ、するとBメロが浮かび、また車止めて、スポーツ屋さんの前の公衆電話から再び吹き込んだ。だから、インスピレーションはショパンの『別れ』からきてます。でもBメロは井上陽水さんの節回しのような気もします。ショパンと井上陽水の融合、とでも申しましょうか。5

ショパンの『別れの曲』のように切なく美しく、そして井上陽水さんの日本的な節回し。
その二つが溶け合うことで、Mr.Childrenとしての“美しい旋律”が生まれたわけですね。

また深読みをすると、留守番電話にメロディーを吹き込むというエピソードから、この曲が誰かに言葉を残す『手紙』として描かれたことは必然だったと言えるのかもしれません。

アレンジ

  • 原曲Key=G
  • BPM(テンポ)68

イントロが前曲『シーラカンス』のアウトロとシームレスで繋がっており、ピアノとアコギ、ストリングスのみのシンプルな構成です。

ピアノはバッキングをメインにして、アコースティックギターはオブリを絡めたアルペジオ。
ストリングスも派手さはなく、あくまで抑揚を加えるような役目。

泣かせにいくわけでもなく、盛り上げるわけでもなく、どちらかといえば淡々としていて、でも心に残る。
手紙を読み上げていくような歌に添えたBGMとしてイメージするのもいいかもしれません。

著名人の感想

随時更新します。

ライブ&テレビ披露

ライブ

オススメ映像作品

CONCERT TOUR POPSAURUS 2001

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スクリーン映像をバックに演奏されています。”手紙”というタイトルに対してパソコンのキーボードで文章を打っている映像がずっと疑問ではあります…。時代の移り変わりや想いの伝え方の変化を表しているのでしょうか。

テレビ

なし

まとめ

初めて聴いた時は小学生の頃だったので、『深海』がコンセプトアルバムでどういうストーリーがあるのかなど理解していませんでしたが、綺麗で優しいバラードソングだなぁと思って聴いていました。

一見するとただの繋ぎのような、とても短い曲ですが、アルバムの1曲としてとても重要な役割を持っているんですよね。

豆知識の項目で、“アルバム『深海』の中で最初に歌詞を書いた楽曲”であるとお伝えしたように、『深海』というアルバムの物語は、この曲が生まれたことから全てが始まっています。

桜井さんの解説をご覧ください。
「これは、男と女が別れてからの歌で、いわば結末ですね。でもこの曲がいちばん最初にできたんです。その次の『ありふれたLove Story ~男女問題はいつも面倒だ~』は、この結末をどうやって発展させるか考えながら作った“出会いの歌”で、だからこの順番は逆なんです。出会って、でも、うまくいかなくなったから手紙を書くんだけど、あえてこの順番を逆にしてる。そのことで、これから始まるさまざまな物語が、さまざまにリンクしてくるようになればいい。結末は、先に言ってしまっている。6

1曲目『Dive』~『シーラカンス』がプロローグ、14曲目『深海』をエピローグとして、本楽曲『手紙』はアルバム『深海』の結末として描かれているのです。

そして、それだけでも『手紙』がアルバム『深海』において重要な役割を担っていることは明らかですが、実際にはそれ以上に深い想いが込められています。

その鍵となるのが、最後のフレーズ「花ゆれる春なのに」。

桜井さんはインタビューでこう語っています。
「まず最初に出来たのは『手紙』という曲の詞なんですよ。で、どうしても僕は『手紙』をアルバムの1曲目にしたいっていうのがあった。歌詞の最後に”花ゆれる春なのに”っていうのが来た時、なんかそれが、『花 – Memento-Mori -』を最後に入れて、『手紙』と『花 – Memento-Mori -』っていうのが輪廻転生してくれたらなっていう思いはあったんですよ。7

『深海』というアルバムは、それまで音楽の中で“正しいもの”として歌われてきた“愛・夢・希望”を、一度疑ってみることから始まっています。
その中で出会った男女は『手紙』以降の曲で救いの見えない現実と向き合いながら、「笑って咲く花になろう」と、ひとつの答えに辿り着く。

でも、それでもまた誰かを愛し、別れに終わる。

「愛がすべて」と言えなくなった当時の桜井さんが、そんなどうしようもない人間らしさを描いた作品です。

花ゆれる春なのに
この物語は何度でも繰り返されていく。

「変わらぬ愛と信じきっていた二人 移りゆく季節を歩いてきた」
さぁ次の曲を聴く準備ができましたでしょうか?

YouTube版楽曲解説

準備中

  1. PATi-PATi 1996年7月号 ↩︎
  2. WHAT’s IN? 1996年7月号 ↩︎
  3. 月刊カドカワ 1996年7月号 ↩︎
  4. PATi-PATi 1996年7月号 ↩︎
  5. 月刊カドカワ 1996年7月号 ↩︎
  6. 月刊カドカワ 1996年7月号 ↩︎
  7. WHAT’s IN? 1996年7月号 ↩︎
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