【BLUE】完全解説+歌詞の意味/Mr.Children

Kind of Love
チルカン
チルカン

Mr.Children「BLUE」の解説と歌詞考察だよ♪

ポイント

報われない片想い。それでも…

楽曲紹介

楽曲収録CD

概要収録作品発売日
2nd ALBUMKind of Love1992年12月1日

作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿・小林武史/編曲:小林武史&Mr.Children
アルバム『Kind of Love』累計売上:118.0万枚

豆知識

チル鶏
チル鶏

元々は2分30秒ほどの曲だったんだよ!

チル鶏ブラック
チル鶏ブラック

ちなみにCDのトラックは4分53秒だぜ。

チル鶏子
チル鶏子

作曲が桜井さんと小林さんの共作よ♪

アルバムジャケット情報

created by Rinker
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  • 真ん中の帽子を持っているのはJENの手
  • 「What a Kind of Love Do You Like?」は信藤さんが足したもの
  • アートディレクター:信藤三雄率いるContemporary Production

MV(ミュージックビデオ)情報

撮影場所

なし

ミュージックビデオはございません

タイトルについて

報われない片想いを”憂う”主人公の感情を表しています。

歌詞考察

1番 Aメロ(待ち合わせの〜)

待ち合わせの場所へ 向かう車の中で
君の好きなうた あわてて探した
さりげなく君を 誘うその言い訳を
いくつも用意して ここまでこぎつけたのに

<出典>Mr.Children/BLUE 作詞:桜井和寿

主人公はこれから君に会いに待ち合わせ場所へ行く途中。
その車の中、なにやら彼はあわてながら“君の好きな曲”を探し始めました。

この行動と慌て方に、今の彼の気持ちが全部詰まっています。
「どうしたら自然に見えるかな?」
「何を話そう?」
そんな思いがぐるぐるして、少しでも君に気に入られたくて、“音楽”という小さなきっかけにすがっているのです。

この待ち合わせにこぎつけたのも、彼にとっては簡単なことではありませんでした。
本当はただ「会いたい」っていうそれだけなのに、素直に言えなくて“言い訳”をいくつも考えてしまった。
自分の気持ちを素直に伝える勇気が出なかったのです。

そんなこんなで、主人公は待ち合わせ場所に到着し、君を助手席に乗せることとなります。

が、しかし…

1番 Bメロ(Ah ぼんやり〜)

Ah ぼんやり 君は
窓の外 見てる
You’re waiting someone
You need his love
いつまで ひきずっているの?

<出典>Mr.Children/BLUE 作詞:桜井和寿

せっかく隣にいる君は、どこか上の空。
心ここにあらずな様子で、窓の外ばかりを見ている。

“君”の目線の先にあるのは、主人公にとって胸の奥を締めつけるような、あまりにも切ないものでした。

You’re waiting someone(君は誰かを待っている)
You need his love(君は彼の愛を必要としている)

つまり、君の心にはまだ別の人がいる

主人公はそのことに気づいていて、ここで「いつまで ひきずっているの?」と問いかけています。
これは君に直接問いかけたわけではなく、主人公の心のつぶやきではないでしょうか。

心の奥では少し苛立っていて、でも指摘することはできない。
そんな、どうしようもない立場にある彼の切なさを感じます。

1番 サビ(隠しきれない〜)

隠しきれない その胸の中
今も誰かを 待ち続けてるけど
怒る資格も 今の僕にはないの?
君と過ごす日の その喜びと
別れた後の Ah 悲しみが
また僕の 心を戸惑いの中に
そして 今日も BLUE

<出典>Mr.Children/BLUE 作詞:桜井和寿

君はもう隠そうとしても隠しきれないほど、まだ誰かを想っている。
本当なら、それに嫉妬したい。
「なんでまだ忘れられないの?」って、責めたい。

でも、自分にはまだそんな資格はないのだろう…。
何故なら素直に「会いたい」と言えないくらい、君との距離が遠いから。

そう、主人公は君に“片想い”をしています。

でも君と一緒にいるときは、本当に幸せ。
だけど、別れた後はどうしようもなく寂しい。

その繰り返しの中で、感情の整理がつかない彼は、“恋をしている自分”にさえ少し疲れてしまったのかもしれません。

今日もまた、心は晴れない。
そんな「BLUE」な気持ちで過ごしてしまいます。

2番 Aメロ(友達に君を〜)

友達に君を 自慢してみたいけど
笑顔でいつでも 上手にかわされて

<出典>Mr.Children/BLUE 作詞:桜井和寿

主人公は、君のことが本当に好き。
だからこそ、誰かに話したい。
「こんな素敵な人がいるんだ」って、自慢したい。
でも君はそれを笑顔でかわしてくる…。

その優しい笑顔の裏にあるのは、僕と君の距離感と線引きです。
主人公が“片想い”の立場であることが、また切なく描かれています。

2番 Bメロ(Ah 僕の話も〜)

Ah 僕の話も
まるで うわの空
You’re waiting someone
You need his love
いつまで ためらっているの

<出典>Mr.Children/BLUE 作詞:桜井和寿

話しても反応が薄くて、会話はどこか噛み合わない。
目の前にいるのに、君の心はここにない。

主人公の自身の心が折れてしまわないかと心配になりますね。

そして再び登場するこの言葉。
You’re waiting someone(君は誰かを待っている)
You need his love(君は彼の愛を必要としている)

次に続く言葉は「いつまで ためらっているの?

それは「もう、彼のことは忘れていいんじゃないか?」という願いにも似た問いかけ。
どんなに僕に気が無かろうとも、主人公はまだ希望を捨ててはいません。

2番 サビ(隠しきれない〜)

隠しきれない この胸の中
いつも遠くで 君を見ていたから
簡単には 諦められずにいるよ
さみしい夜だけ 電話くれるのも
わかってるから Ah 悲しみが
また僕の 頭をかき回してく
そして 今日も BLUE

<出典>Mr.Children/BLUE 作詞:桜井和寿

君の心の中に、まだ“誰か”がいること。
それを分かっていながらも、主人公はずっと遠くから君を見てきた。

だから簡単には諦めきれない。

たまに君は、さみしい夜だけ僕に電話をしてくる。
それが本気ではないことは、主人公も分かっている。
でも、それでも電話が鳴るたびに、「もしかしたら今回は違うかもしれない」と期待してしまう。

そしてまた、悲しみが心をかき乱す。
彼は今日もまた、君を想いながら「BLUE」な気持ちのまま生きています。

ラスサビ(隠しきれない〜)

隠しきれない その胸の中
今も誰かを 待ち続けて
また僕の 心を戸惑いの中に
そして 今日も BLUE
それでも いいさ
So I’m waiting for your Heart

<出典>Mr.Children/BLUE 作詞:桜井和寿

今も君は誰かを待ち続けている。
そして今日もまた僕の心を惑わし、「BLUE」な気持ちにさせてくる。

最後にここで彼は全てを受け入れ、前を向きます。

「それでも いいさ
So I’m waiting for your Heart(それでも僕は君を待ち続ける)」

叶わないことを知っていても、君を想う気持ちそのものが、僕の生きる意味になっている。

主人公は報われない恋に苦しみながらも、その苦しみの裏には、“揺るがぬ想い”があったのです。

聴きどころ

メロディー

桜井さんは当時のインタビューでこのように語っています。
「今度のアルバムでは、1曲1曲歌い方を変えていきたいなと思って。で、これがいちばん苦労した歌い方だったんですよ1

確かに『Kind of Love』は、最初の「01.虹の彼方へ」「02.All by myself」「03.BLUE」の3曲を聴いただけでもそれぞれ歌い方が違います。

また、中川さんは「桜井の歌の、息の抜き方みたいなのがうまくなった。それが前作と比べて、いちばんよくわかる曲かなって思います2」とコメント。

『BLUE』は吐息混じりに感情を抑え、ため息のような歌い方で、主人公の揺れ動く心を表現しているように感じます。
その歌い方がサビの前半まで続き、後半の「Ah 悲しみが また僕の 心を戸惑いの中に そして 今日も BLUE」でグッと強くなる。
この流れがすごく良いですね。

アレンジ

  • 原曲Key=B♭(サビ→G、間奏→D♭〜A♭)
  • BPM(テンポ)94

桜井さんはこの曲を“スイート・ソウル風”(※詳しくはまとめの項目に記載)とコメントを残しており、ジャズチックで優しくて、少し切なくて、でも温かいオシャレなサウンドですね。
お酒を飲みながら聴きたくなります。

イントロから細かくリズムを刻むギターのフレーズが印象的で、ドラムとベースは強く主張することなく、少し後ろに引いたグルーヴで全体を支えています。
桜井さんのボーカルを包み込むような演奏に、なんとなく気持ちがホッとしますね。

Mr.Childrenでいうと『Heavenly kiss』や『I’m talking about Lovin’』などが好きな人には、たまらないアレンジなのではないでしょうか。

著名人の感想

随時更新します

ライブ&テレビ披露

ライブ

  • ’92 Your EVERYTHING TOUR
  • ’92-93 Kind of Love TOUR
  • X’masイベント at クラブ・チッタ川崎
  • TVK.ライブトマト収録ライブ
  • NHK福島 MID NIGHT LIVE
  • TVK.LIVE 収録ライブ
  • ’93 Versus TOUR
  • SOUND PARADISE ’94
  • FM802 MEET THE WORLD BEAT 1994
  • SOUND CONIFER 229
  • SOUND BREEZE ’94
  • ’94 tour innocent world
  • 上武大学(学園祭ライブ)

オススメ映像作品

現在映像収録作品はございません。

テレビ

1993年6月26日「NHK福島 MID NIGHT LIVE」

まとめ

桜井さんはこの曲について「スイート・ソウル的な世界をやってみたいな、と思って3」と語っています。

音楽のジャンルの中には、サブジャンルというのがあり、例えばロックにはフォークロックもあればパンクロックというサブジャンルがあります。
同じようにソウルミュージックというジャンルの中には、「スイート・ソウル」というサブジャンルがあるそうです。

ソウルミュージックはゴスペルやR&B、ジャズの要素を組み合わせ、「心(ソウル)」から湧き上がる感情表現が魅力なジャンルであり、その中で「スイート・ソウル」は、滑らかでメロディアス、そしてロマンティックなスタイルを指します。

本楽曲『BLUE』は、まさにそんなロマンティックで甘く切ない楽曲になっていますね。

初めて聴いた時は「変わった曲だなぁ」という印象でしたが、改めて歌詞を読みながら聴くと、とても切なく、なんとも言えない胸が締め付けられるような感覚になります。
というのも、タイトル通りとにかく歌詞が“ブルー”過ぎるのです。
そしてその歌詞を引き立てる歌も素敵すぎた。

桜井さんの「今度のアルバムでは、1曲1曲歌い方を変えていきたいなと思って。で、これがいちばん苦労した歌い方だったんですよ4」というコメントもありましたが、この曲、このアルバムで桜井さんのボーカリストとしての表現力の幅が、大きく広がったってことですね。
歌い方に注目して聴いてみるのも良いかもしれません。

また、歌詞について少し感じたことですが、最後に「それでも いいさ So I’m waiting for your Heart(それでも僕は君を待ち続ける)」というフレーズがありました。
その純粋な想いを僕は、逆に切なく感じてしまって。
“それでもいい”という言葉には、諦めではなく受け入れがあるんだろうと思うけど、待ち続けて本当に君は振り向いてくれるのか…?なんて意地悪なことを考えたり…。

でもそうやって思うのは共感できるからであって、共感できるからこそ応援したくもなる。
この主人公に対し「頑張れ!」って言いたくる人もいるだろうし、「諦めが肝心」とアドバイスしたくなる人もいるのではないでしょうか。

ともかく、そんなリアルで切なくちょっぴりもどかしい…でも演奏はとてもオシャレな楽曲でした。

YouTube版楽曲解説

準備中

  1. GB 1992年12月号 ↩︎
  2. GB 1992年12月号 ↩︎
  3. GB 1992年12月号 ↩︎
  4. GB 1992年12月号 ↩︎
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