Mr.Children「Mr. Shining Moon」の解説と歌詞考察だよ♪
君に逢えない寂しい夜
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
1st ALBUM | EVERYTHING | 1992年5月10日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿/編曲:小林武史&Mr.Children
豆知識
歌詞カードの表記は「Mr. Shining Moon」で、公式ホームページでの表記は「Mr.Shining Moon」だよ♪(ピリオドの後にスペースがあるかないか)
オシャレなシティポップ風の楽曲だぜ!
アルバムジャケット情報
- ジャケットの吹き出しは合成素材ではなく段ボールで作られた本物
- アートディレクター:信藤三雄
MV(ミュージックビデオ)情報
なし
ミュージックビデオはございません
タイトルについて
「Mr. Shining Moon」は直訳すると「輝くお月様」。
本来「Mr.」は男性のための敬称です。
つまり月を”擬人化”させていると考えられるでしょう。
歌詞考察
1番 Aメロ(泣き出した〜)
泣き出した空は 路上に落ちて
<出典>Mr.Children/Mr. Shining Moon 作詞:桜井和寿
水たまり 月と話してる
綺麗だね また少しあの娘を好きになっていく
ありがとう Mr. Shining Moon
まずは冒頭の光景を思い浮かべてみましょう。
「泣き出した空」とは雨が降り出した様子。
雨が路上に落ち水たまりができた。
空には輝く月が出ている。
その光景からさらに「水たまり 月と話してる」と表現されています。
きっと水たまりが鏡のように光り輝く月を映し出しているのでしょう。
水たまりに映る月を見た主人公は、その綺麗さに“あの娘”を思い浮かべ、また少し、これまで以上に心を寄せていきます。
“君を好きになっていく”その感情が強くなるにつれ、彼は嬉しくなり、そう思わせてくれた月にお礼を言います。
「ありがとう Mr. Shining Moon」と。
1番 Aメロ2(眠らずに〜)
眠らずに作った歌を ほら
<出典>Mr.Children/Mr. Shining Moon 作詞:桜井和寿
鼻唄で歌うよ 知らんぷりで
届くかな この気持ち 笑った時の君が
誰より好きだよ Woo
徹夜で作った歌。
その曲を鼻歌で歌う主人公。
あえて知らんぷりの鼻歌なのは、面と向かって歌うのが恥ずかしく、さりげなく伝わってくれればいいと思っているから。
でもきっと彼の本心は、本当は歌に込めた想いを伝いたい。
そんな微妙な心情なのです。
君の笑顔を見る度に自分の気持ちがどんどん深まっていく。
そんな彼の繊細で一途な想いと願いが込められています。
1番 サビ(あの雲に乗って〜)
あの雲に乗って 旅に出かけよう
<出典>Mr.Children/Mr. Shining Moon 作詞:桜井和寿
真夜中にそっと 君の手をとって
今すぐ さらいに行くよ
好きな娘ができると、ワクワクするような空想を描いてしまうものです。
真夜中にそっと君の手をとり、雲に乗って旅に出る。
そんな非現実的でロマンチックな空想をしてしまうくらい、あの娘のことが大好き。
「今すぐ」というひと言に、居ても立っても居られないような想いの強さが表れていますね。
2番 Aメロ(一人きり〜)
一人きり 君に逢えない夜は
<出典>Mr.Children/Mr. Shining Moon 作詞:桜井和寿
月影の ソファーに腰掛けて
夢見せて また君の香りで目が覚める朝を
ありがとう Mr. Shining Moon
君に逢えない寂しい夜。
主人公は月明かりが差し込むソファーに腰掛け、夜空を見上げます。
そして輝く月を見つめ語りかけます。
「ありがとう Mr. Shining Moon」
お礼を伝える理由は、月を見るとまた綺麗な君を想うことができるから。
想うことで夢に出てきてくれるかもしれない。
すると明日を気持ちよく目覚めることができるから。
そう願う主人公の姿に、切なくも美しい情景が浮かんできますね。
2番 サビ(僕だけに〜)
僕だけにそっと 聞かせてくれた
<出典>Mr.Children/Mr. Shining Moon 作詞:桜井和寿
赤くなりそうな 秘密の話
誰にも 教えないから
君と一緒にいる時、君は“僕だけに”ちょっぴり恥ずかしくなるような秘密の話を聞かせてくれました。
好きな娘と二人で共通の秘密を持つ優越感。
「心を開いてくれているのかも…」という喜び。
彼は近づいた距離が離れぬよう「君の秘密は誰にも教えないから」と、約束をしました。
3番 Aメロ(泣き出した〜)
泣き出した空は 路上に溶けて
<出典>Mr.Children/Mr. Shining Moon 作詞:桜井和寿
水たまり 月に片想いしてるよ
いつまでも このままでいたいけど ほら時間だよ
おやすみ Good night またいつか
水たまりとそこに映る月の距離は近いようでとても遠い。
主人公の恋もそれと同じ、今は届かぬ“片想い”。
でももう彼の気持ちは前向きなようです。
今日まで君に逢えない寂しい夜は、月に君を重ね想いを巡らせていましたが、「いつまでも このままでいたいけど」「おやすみ」と一旦月とさようならをします。
「またいつか」という言葉の通り、もうしばらくは大丈夫。
“明日、気持ちを伝える”
そんな意味を込めての「またいつか」ではないかと僕は感じました。
次にお月様と会う時は、“あの娘”が隣にいるのかもしれないですね。
聴きどころ
メロディー
“シャッフルビート”というハネたリズムの曲。
(「タタタタ」ではなく→「タッタタッタ」)
そのためスキップをしているようなウキウキ感があります。
しかしウキウキしているだけでは上手く歌えないリズム。
難易度高めのメロディーかと思います。
サビにあたる部分は音域は低めで、いくつかのコーラスを重ねています。
まるで小声で歌っているようにも聞こえて、歌詞の“空想話”や“秘密の話”にとてもマッチした歌い方だなと感じました。
アレンジ
初期のライブ映像を拝見すると、イントロの田原さんのギターは指弾きのオクターブ奏法で演奏しているようです。
田原さんは数多くの楽曲でオクターブ奏法のフレーズを弾いてきましたが、これが順番的には初になりますね。
サビの後半で数小節だけ転調し、ガラッと印象が変わるところが僕は好きです(「今すぐ さらいに行くよ」の部分)。
爽やかで楽しそうな演奏ですが、歌同様リズムが難しい曲ですね。
著名人の感想
随時更新します
ライブ&テレビ披露
ライブ
- ’92 EVERYTHING TOUR
- ’92 Your EVERYTHING TOUR
- ’92-93 Kind of Love TOUR
- X’masイベント at クラブ・チッタ川崎
- TVK.LIVE 収録ライブ
- ’93 Versus TOUR
- 石川工業専門学校(学園祭ライブ)
- STADIUM TOUR Hounen Mansaku 夏祭り1995 空(ku:)
オススメ映像作品
現在映像収録作品はございません。
テレビ
1993年「NHK福島 MID NIGHT LIVE」
1993年9月9日 TVK系列「LIVE Y」
まとめ
軽快でオシャレなサウンドにメルヘンチックな歌詞。
この曲を聴くと良い意味で“Mr.Childrenらしさ”があまり無く、(アマチュア含め)後にも先にもないような不思議な感覚になります。
初期の爽やかな声質に合っていて、可愛らしさもありテクニカルな部分もある。
何より聴いていて心地良いです。
歌詞の情景描写もしやすく、完成度の高い楽曲ではないでしょうか。
ですが、色々な解釈ができる歌詞でもあります。
泣き出した空は 路上に溶けて
<出典>Mr.Children/Mr. Shining Moon 作詞:桜井和寿
水たまり 月に片想いしてるよ
いつまでも このままでいたいけど ほら時間だよ
おやすみ Good night またいつか
例えば、「路上に溶けて」という表現がありますが、最後に空が落としたものは雨ではなく雪であり、季節が変わったことを意味している可能性もあります。
太陽によって雪溶け水が水たまりになる。
しかし昼間に月と出逢うことはできない。
だから片想い。
もしくは、「溶けて」という表現は「水たまり」にかかっていて、水が地面に溶けてなくなってしまう。
など、「Mr. Shining Moon」という月を擬人化させたメルヘンな物語であるため、想像力も掻き立てられます。
古い曲でありながら今聴くと逆に新鮮なMr.Childrenを感じられる作品。
夜寝る前に窓から月を眺めながら聴いていたい一曲ですね。