Mr.Children「ニシエヒガシエ」の解説と歌詞考察だよ♪
窮屈な世の中から抜け出したい
楽曲紹介
楽曲収録CD
概要 | 収録作品 | 発売日 |
---|---|---|
14th Single | ニシエヒガシエ | 1998年2月11日 |
7th ALBUM | DISCOVERY | 1999年2月3日 |
8th ALBUM | 1/42 | 1999年9月8日 |
BEST ALBUM | Mr.Children 1996-2000 | 2001年7月11日 |
14th ALBUM | B-SIDE(Remix Ver.) | 2007年5月10日 |
BEST ALBUM | Mr.Children 2011-2015 | 2022年5月11日 |
作詞:桜井和寿/作曲:桜井和寿
豆知識
ALBUM『BOLERO』発売後の活動休止中に発売されたシングルで、ドラマ『きらきらひかる』主題歌だったよ!
桜井さんがデモテープをメンバーに渡したのは活動休止に入る直前だったんだぜ。
イントロのフレーズには桜井さんが自分の頬を叩いている音が入っているわ。
ちなみにシングルに収録されている「EAST Remix」もドラマ内で使用されたよ♪
シングルジャケット情報
- 活動休止中のリリースである為、本人たちと直接結びつかないよう制作された。
- アートディレクター:信藤三雄
MV(ミュージックビデオ)情報
スタジオ
少年がテレビを点けるシーンから始まり、基本的にそのテレビ映像がメインになっています。
その映像ではビートルズとグラムロックのパロディバンドが音楽番組で演奏するという内容。
そこでボーカルを担当しているのはブライアン・バートンルイスという東京都出身(アメリカ国籍)のタレントです。
そして活動休止中であったものの、少年役として桜井さんがほんの少しだけ登場しています。
Mr.Children 「ニシエヒガシエ」 MUSIC VIDEO
タイトルについて
「ニシエヒガシエ」とは西へ東へどこへでも突き進むという思いが込められている。
桜井さんはこの曲を一言でいうと「やぶれかぶれ」とコメント。
(太陽は東から西へ沈む為それを連想してしまいそうになりますが、恐らく関係はなさそう)
歌詞考察
1番 Aメロ(また 君の中の〜)
また 君の中の常識が揺らいでいる
<出典>Mr.Children/ニシエヒガシエ 作詞:桜井和寿
知らなきゃ良かったって 思う事ばっかり
そして いつしか慣れるんだ
当たり前のものとして 受け入れるんだ
世の中は常に変化しています。
仮にそれを受け入れたくなくても段々と慣れていき、それが当たり前となっていく。
例えば戦時中は日本全国が戦争一色で”死”というものがあまりにも身近にあった。
その為楽しみや希望を抱くことなどなく感情も麻痺していたと言う方もいます。
しかし現代人はどうでしょう?
死というものが遠く、楽しみや希望を誰でも持てるということが当たり前になっています。
だけどそれは自由に思えて不自由です。
何故かというと、与えられた常識の中でしか動けないから。
1番 Aメロ2(片一方は天使〜)
片一方は天使 もう一方は悪魔で
<出典>Mr.Children/ニシエヒガシエ 作詞:桜井和寿
分裂しそうなんだ 抗鬱剤をちょうだい
暗い未来を防ぐんだ
永い迷宮みたいな 青春だ
「抗鬱剤」とはザックリいうと「精神活動を活発にする薬」です。
全てが常識によって左右され、よかったことがダメになっていくばかり。
そしてそれに慣れていく僕ら。
何が正しいのかもわからない。
自分の中の善(天使)悪(悪魔)もどう自分の中で過ごせばいいかわからず、しまいには分裂しそうなる…。
それくらい不安を募らせています。
だから抗鬱剤を欲しがり、紛らわせようとしています。
明るい未来が見えず、善と悪も喧嘩している。
まるで出口のない迷宮を彷徨っているような主人公です。
1番 サビ(張り付けの〜)
張り付けの刑になったって 明日に向かっていきてくんだって
<出典>Mr.Children/ニシエヒガシエ 作詞:桜井和寿
ただじゃ転びやしませんぜって 非常事態ってやつも歓迎です
ニシエヒガシエ
常識に縛られ自由に生きることがままならない世の中。
例えこのまま張り付けの刑になったとしても、主人公はそれでも明日に向かい生きていくと覚悟を決めます。
ただじゃ転びやしない、非常事態も問題ない。
ですがこれは見方によっては現実逃避にも思えます。
主人公はそんな世の中から、西へ東へ自分を信じどこへでも突き進もうと決意します。
2番 Aメロ(受け売りの〜)
受け売りの知識 教養などをほうばり
<出典>Mr.Children/ニシエヒガシエ 作詞:桜井和寿
胸やけしそうなら この指とまれ
こんな やっかいな人生だ
おまえが信じてる道を 進むんだ
既に世の中に溢れている情報や知識をほうばりながら、選択をしながら、誰しもが上手いことやっていく必要があります。
そうやって生きていくことに胸焼けしそうなほど悩む主人公。
しかし、「おまえが信じてる道を進むんだ」と言い聞かせます。
天使や悪魔がいっているのかもしれませんね。
2番 サビ(愛だ恋だと〜)
愛だ恋だとぬかしたって 所詮は僕等アニマルなんです
<出典>Mr.Children/ニシエヒガシエ 作詞:桜井和寿
人は悲しい性をもって 破裂しそうな悩みを抱えて
必死で 猛ダッシュです
愛や恋などに悩む必要はなく、所詮は僕らも動物。
子孫を残すことは使命です。
どうこうぬかす必要はないはずです。
それでも「恋とは…?」「愛することとは…?」と悩んでしまうのが人の性。
必死で猛ダッシュして、そんな悩みは吹き飛ばしてしまおう。
落ちサビ(夢や理想にゃ〜)
夢や理想にゃ 手が屆かないが
<出典>Mr.Children/ニシエヒガシエ 作詞:桜井和寿
不満ならべたって きりがないし
昨日の僕になんて バイバイ
明日を担って 風にまたがって
ニシエヒガシエ
夢、理想に手が届かないとわかっていても、不満をならべたってキリがない。
後ろは気にせず、風の吹くままに進んでいこう。
昨日の自分なんてもう気にしてはいけません。
西へ、東へ、やぶれかぶれでも構わないから進むのみです。
ラスサビ(張り付けの〜)
張り付けの刑になったって 明日に向かっていきてくんだって
<出典>Mr.Children/ニシエヒガシエ 作詞:桜井和寿
ただじゃ転びやしませんぜって 非常事態ってやつも歓迎です
ニシエヒガシエ
必死で 猛ダッシュです
あれこれ考えずとにかく西へ東へ行けるところまで、猛ダッシュです!!
聴きどころ
メロディー
非常にロックテイストなメロディーで、かなりノリを重視されております。
印象的なのはやはりサビのフェイクメロディーに「サ」を使っていること。
通常「Ah」「Oh」でいきたくなるところを「Sa〜」と歌い上げるのが斬新です。
「Sa」である意図は明かされていませんが、恐らくその言葉が歌った時に桜井さんの中で気持ちよかったのでしょう。
サビの歌メロとベースのリズムがユニゾンしてるとこも面白いです。
アレンジ
とにかく実験的です。
様々なサンプリング音を駆使しています。
イントロのフレーズには桜井さんが自分の頬を叩いている音も入っているとか。
でもその頬を叩いた音は、完全にパーカッションの音色に加工されているので、頬を叩いた音そのものではなくなっています。
レコーディングでは、ボーカル以外の生音はなんと一発録りだったそうです(追加のギターやシンセは別録り)。
デモの段階でイメージが固まっていた為、音色の工夫にポイントを絞ったとのこと。
しかしここまで厚い音圧は当時のMr.Childrenの中では初めてではないでしょうか。
それもあり、この曲のアレンジはやはりライブが一番映えます。
特に好きなのが落ちサビからラスサビにかけて声が重なるところ(ニシエ、ヒガシエ〜♪)。
二つのフレーズがCDでは重ねて録音されてますが、ライブでは3拍(三拍子)追加してサビの「張り付け〜」に入ります。
これが最高にカッコいい。
著名人の感想
※情報があり次第記載
ライブ&テレビ披露
ライブ
- SPECIAL EVENT INNOVATION 1999
- “DISCOVERY”TOUR ’99
- すずきのすすきの
- Concert Tour Q 2000~2001
- 昭和女子大学 学園祭
- CONCERT TOUR POPSAURUS 2001
- ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2001
- WONEDERFUL WORLD on DEC 21
- Tour 2004 シフクノオト
- DOME TOUR 2005 “I ♡ U”
- Mr.Children & the pillows new big bang tour ~This is Hybrid Innocent~
- DOME TOUR 2009 ~SUPERMARKET FANTASY~
- Shooting Live “SPLIT THE DIFFERENCE”
- ラッキーラクーンナイト5
- STADIUM TOUR 2011 SENSE -in the field-
- TOUR POPSAURUS 2012
- SUMMER SONIC 2013
- STADIUM TOUR 2015 未完
- Hall Tour 2016 虹(1公演のみ)
- DOME & STADIUM TOUR 2017 Thanksgiving 25
- Reborn-Art Festival × ap bank fes 2017
- Mr.Children 30th Anniversary Tour 半世紀へのエントランス
オススメ映像作品
Mr.Children Tour 2004 シフクノオト
各ライブによって見所があるから難しいけど、シフクノオトのライブは演出が凝ってるので見応えあるよ♪
テレビ
- 2012年5月4日「僕らの音楽」
まとめ
見方によっては現実逃避のような内容にも思えますが、本気でこの定められた世の中から抜け出したい主人公の、強い想いが描かれています。
桜井さんはこの曲を一言でいうと「やぶれかぶれ」と表現しました。
それについて小林さんは、「それまで色んな形で愛することなどを発信してきて、紆余曲折も出てきて、次に何に足湯を掛けて支持してくれる人たちと向き合うかという葛藤があっての言葉」とコメント。
つまり、これまで多忙過ぎて余裕のなかった小林さんやメンバーみんなを含めて、桜井さんは「やぶれかぶれ」という展望を示したわけですね。
この作品は活動休止中に発売されたということもあり、メディアには一切顔を出すことはありませんでした。
桜井さん曰く「こんな曲がラジオから流れてきたらカッコいいだろう」という発想の元制作されたとのことです。
実際僕がこの曲を初めて聴いたのもラジオでした。
恐らく当時はこれまでのMr.Childrenの楽曲の中で最もロックな楽曲だった為、本当に驚愕でした。
発売後は学校でもミスチルファン関係なく話題になっており、ファン以外をも虜にするくらい楽曲としてのクオリティーも素晴らしいです。
そしてこの曲はMr.Childrenが新たな扉を破壊しようかどうかの葛藤が詰まった作品であると思います。
しかし…その後彼らはその扉を”破壊”ではなく、”ノック”するのです。